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178:闇からの目覚め

パーンという音と共に暗闇の世界から現実の世界に戻ったわしは目を覚ました。


(さっきのは何だったんじゃろ。それにしても太陽が眩しいなぁ。)


気付けばわしは仰向けで地面に倒れておった。そして先程まで降っていた雨はやんでいた。


「おいおいおい!大丈夫かよ。縄野郎!」


「一層のことこのまま死んでしまってもいいと思いますが。」


「縄野郎は王様の知り合いみたいだから、こいつに何かあったら謝礼金もらえなくなるだろ!」


「どういうことじゃ!?どうしてこいつらがおるんじゃ?」


「おぉ!良かったぜ!気がついたみたいだな!謝礼金がもらえないところだったぜ!」


「王都にいて王都が大変な時に何もしていなかったら謝礼金がもらえない可能性があったので様子を見に来たんですよ。そしたらブラッドが見えない壁とぶつかって・・・あれは笑えましたね。」


「おい!ふざけんじゃねぇぞ!スワルド!」


「敵はどうしたんじゃ?」


「あそこでブツブツ言いながら倒れている紫髪か?それならブラッドが透明な壁とぶつかった時に同時に倒れたぜ!やっぱり俺達、紅き閃光スターディザイアは最強ってことだな!!」


「何はともあれ助かったぞ。感謝じゃ!!」


わしは状況が分からなかったがとりあえず紅き閃光スターディザイアに感謝を伝えた。


「源五郎!!!!」


アーチが走りながらわしのところにやってきた。わしは起き上がりアーチを抱きしめた。


「アーチ!!!!さっきのは夢じゃなかったんじゃな。」


「うん!全部覚えてる!」


(全部ってことはわしの気持ちが高まって勢いでアーチに接吻をしようとしたこともか・・・。まぁ未遂じゃから問題ないか。)


「源五郎!!そこの敵を縛った方がいいんじゃない?また何かしてきたら大変だよ。」


「そうじゃな。」


わしは紫髪ツインズマムをしっかりと縛った。胡座縛りで。縛っている最中も何かブツブツ言っていたが無視をして縛った。


「これで何も出来ないはずじゃ。」


「なんで・・・なんでだよ!!!僕のシンソウ・ダイブが効かないんだよ!!なんで僕の玩具にならないんだよ!!!圧倒的な絶望を味わっただろ!!!それなら僕の玩具になれよ!!!!」


「なるほど。わしは確かに何度も絶望した。じゃがアーチが助けてくれたんじゃ!」


「光魔法のお前!!何をしたんだ!!僕のシンソウ・ダイブは完璧だった!僕の完璧な空間も展開していた!!光魔法のお前が何か出来るわけがないだろ!!」


「ふふふ。秘密だよね。源五郎!」


「そうじゃな。アーチ!」


(ゴンゾウに見られていたとはいえ、思い返すと少し恥ずかしいからなぁ。)


「ふざけるな!!じゃあどうやって僕の空間を壊したんだよ!!僕の空間や空間内は一定ダメージ以上は無効化出来るんだぞ!それにこの空間内では僕が思う通りに行動が出来るんだぞ!!!」


「そういうことだったんじゃな。だからわしの攻撃が効かなかったのか。今は空間が無いからやりたい放題ということじゃな。」


「だから僕が透明な壁を叩いてもどうすることも出来なかったんだ。でもどうして空間は壊れたんだろ。」


「それは最強の俺様がぶつかったからよ!!」


誇らしげに筋肉ゴリゴリのごつい男ブラッドが言った。


(ぶつかったから空間が壊れたって言ったなぁ。空間や空間内は一定ダメージ以上は無効ということじゃろ。アーチが叩いても空間は壊れなかった。この男がぶつかったら壊れたということは・・・。)


「そこの筋肉!わしのことを叩いてみるんじゃ。」


「まじかよ!いいのかよ!縄野郎には恨みがあるからな。」


「全力で来るんじゃ。」


「源五郎!急に何言ってるの?危ないよ。」


「大丈夫じゃ。わしの思惑通りなら問題ないぞ。それにわしにはアーチがおるからなぁ。何かあったら回復よろしくぞ。」


「うん。」


「それじゃあいくぜ!!」


筋肉ゴリゴリのごつい男ブラッドはわしのことを殴った。


(・・・。なんじゃこのへなちょこパンチは。こんなパンチじゃ虫さえ殺せないぞ。何のための筋肉なんじゃ。)


「へへへ!やってやったぜ!!俺様の一撃があまりにも強烈過ぎて身動き一つ出来ねぇみたいだぜ!」


「ぐわーっ!!」


(一応リアクションしたけど、これで良かったかなぁ。棒読み過ぎなかったかなぁ。あれじゃなこいつはマールのスキルで強化されていたから最強だと思っているんじゃな。)


「源五郎!大丈夫?」


「大丈夫じゃ!これで空間が壊れた理由が分かったぞ!!それじゃあ紫をどうするか決めるとしよう。」


わしがそう言うと遠くからマウリの声がした。


「源五郎さーん!大丈夫でしたか?そっちも終わったみたいっすね!!!」


マウリを見ると茶髪ツインズサンが全身ボロボロの状態でマウリに捕まっていた。


「おぉーマウリ!!そっちも倒したんじゃな!」


「今からそっち行くっす!!こいつ先輩がどうのこうの言ってたから、どこにいるか聞いてから殺した方がいいと思うんでそっちに連れて行くっす。」


マウリがわし達のもとに到着し、わしは茶髪ツインズサンを縛った。胡座縛りで。


「茶髪よ!先輩はどこにおるんじゃ?」


「ふざけるな!!そのツンツン頭がそんなこと出来るなんて聞いてないぞ!!」


「それは言わない約束っすよ。それ以上言ったら先に殺すっすよ。それよりも早く黒幕のこと言うっすよ!!」


「絶対に言わない。こんなことになって先輩にはもう見限られてるけど先輩を裏切るような真似は出来ない。そう思うだろマム?」


「うん。そう思うよ。サン。こんなことになるなら喧嘩をしないで一緒に戦えば良かった。」


「それならしょうがないっすね!死んでもらうっす!!」


マウリが茶髪ツインズサンと紫髪ツインズマムをナイフで殺そうとした瞬間、森の方から一人の男がやってきた。


「王都からの召集、金の匂いがすると思って来たらなんか大変なことになってるじゃないですか。あーあマロ死んじゃったんですか。それにゴンゾウも。」


ニタニタしながらスラっとした長身の黒いスーツを着た男は話をした。


「誰じゃ!あの胸くそ悪いことを言う男は!?」


「あれは七英雄のカミューさんです。初対面の時は気付かなかったですが噂通りの最悪な男っすね。」


マウリの言葉を聞いたカミューは少し不機嫌な顔をしたが、すぐさま紳士の様な笑みを浮かべた。

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