15:お兄ちゃんもイケメンだったなぁ。
源五郎一行はステラ村を出て大地の森と反対方向に進み大きな街を目指す。
「そういえばお兄ちゃんに話をしたのは本当なのかな?」
「うん。本当だよ。お兄ちゃんには昔から相談してて、僕が村の外に出てお母さんとお父さんを探す旅をするって知ってたから話をしたらすぐに分かってくれたよ。ちょっぴり寂しい顔をしてたけど大丈夫だったー。あと、源五郎と一緒なら心強いから安心だって。」
「そっか、そっか。」
(ディーン青年よ!アーチ少年の事は任せてくだされ!フォッフォッフォ。)
「僕、村から離れるの初めてだからすんごいワクワクする!」
「わしもドキドキじゃぞい!」
そんな事を話ししていると、数メートル先から煙が上がっているのを発見。
「なんじゃ。煙が出ているぞ。焼き畑でもしているのかな。」
「なんだろうね。源五郎行ってみよ。」
「そうじゃな。もしかしたら人がいるかもしれないから道を聞きましょうぞい。」
煙が上がっている場所に近づくと数十体のモンスターに馬車が襲われていた。
「源五郎!大変だよ。馬車がゴブリンに襲われているよ。助けなきゃ。」
「ゴブリン!?あの小さい人型の緑色がゴブリンなのか!ゴブリンは強いのか?」
「1匹なら弱いけど、連携して攻撃してくるって村の大人が言ってたからあの数じゃ強いかも。」
「ふむー。アーチは戦えるのかな?」
「僕は戦えないから後ろで見てる。源五郎頑張って!」
(アーチ少年に笑顔で頑張ってと言われたらわしはやるしかないなぁ。)
「よーし。安全な所で隠れて待っておれ。」
わしは縄を具現化させてゴブリンの群れに走っていった。
そして、お得意のカウボーイスタイルで数匹まとめてゴブリンに縄をかける。
「ゴブリン大量縛りじゃ!」
わしの不意打ちに気付かず縄で縛られる数匹のゴブリン。
縛られたゴブリンは大人しくなり、動かなくなっていくが
他のゴブリン達はわしに気付き、わしの方に向かってくる。
「「「ギャギャギャッ」」」
(まずいぞ!ゴブリンが消滅するまで時間がかかりそうじゃし。
ゴブリン達は大きな棍棒を装備しているし。あれで叩かれたらイテテじゃすまないなぁ。
だいぶまずいなぁ。)
(とりあえずゴブリンを縛った縄を持ったまま逃げるか。)
わしはゴブリンを縛った縄を持ったまま逃げるように走る。
数匹のゴブリンを引きずりながら、襲いかかってくるゴブリン達から距離をとる。
「「「「ギャギャギャッ」」」」
「このままじゃ。追いつかれてしまうぞ!!」
そう叫んだ瞬間、走る速度があがった。
(走る速度上がってラッキー。何か新しいスキル覚えたかな。)
わしが後ろを振り返ると縄に縛られていたはずのゴブリンがいなくなっていた。
「あっ、そういう事か。そりゃ早く走れるわけじゃ。」
気を取り直して追いかけてきていたゴブリンにも縄をかける。
1匹のゴブリンを縛りあげ、そして他のゴブリンから逃げる。
(ゴブリン1匹じゃと楽々逃げ切れるわい。)
それを繰り返してなんとかゴブリンを殲滅させた。
もちろん魔石はきっちりGETした。しかし、レベルは上がらなかった。
「ふぅーギリギリOKじゃな。」
「源五郎〜!!危なかったね!」
アーチ少年が笑顔で駆け寄ってくる。
(危機的状況から一変、天使乱入かな。そろそろアーチ少年も・・・。)
とか考えているとアーチ少年がわしに向かってこう言った。
「源五郎。ニタニタしていてなんか気持ち悪い。」
(まずい。変な事を考えていたのが顔に出てしまった。ごまかさないと。)
「初めて人型のモンスターと戦ったから現実逃避しておったんじゃ。」
「そうだよね。人型モンスターと戦うのが初めてなら現実逃避もするよね。」
(よし!!!)
わしは心の中でガッツポーズを決めた。
「アーチよ!馬車に人がいるかもしれない見に行くぞい。」
「いこう!いこう!」




