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159:本当に本がいっぱい

わし達は本棚に目的の本があるか探していた。


「そういえば源五郎さんはどうして記憶喪失の本を探しているのですか?」


「ラージャは部屋にいたから知らなかったのか・・・。実はアーチが記憶喪失でわしの事だけを忘れてしまってなぁ。原因がよく分からないから記憶喪失について調べてみようと思ったんじゃ。」


「アーチさんがそんな事になっていたんですね・・・。」


「・・・。早く本を見つけて原因を調べましょうぞ!!」


「そうですね。こういう時にマウリがいたらすぐに見つかるのですが」


「マウリは書物庫について詳しいのか?」


「そうなんですよ。必要な本があればマウリに言えばすぐに持ってくるので。」


「そうなんじゃな。そういえばラージャとマウリはどんな関係なんじゃ?」


「話せば長くなるのですが、一言で言うなら後輩で相棒でパートナー。そして大先輩という感じですね。」


(全然分からなかったんじゃが・・・。しかも一言じゃないし。それに後輩と大先輩は違うし、相棒とパートナーは同じ様な意味じゃし。どんな関係か全然分からない・・・。無理に一言で伝えようとしたからこんな意味不明な事になっておるのかな。)


「よく分からなかったが一言で言い表せない関係という事じゃな。」


「そういう事です。」


(そういう事なんじゃな。よく分からなかったが。)


「それにしても目的の本は見つかりませんね。」


「そうじゃな。これは世界のウーメン大百科じゃし。これは食べると美味しいモンスター大百科じゃし。それにこれは誰でも出来るオークレシピ。ここの本棚は関係ないようじゃな。興味があるが。」


「そうですね。次の本棚を探してみましょう。」


ラージャに言われて次の本棚を探そうとした時、書物庫に黒髪の大人しそうな馬面の男が現れた。


「おーマウリか。ちょうど良かった本を探していて。」


「先輩と源五郎さんがここにいると聞いて来たんっすけど、本を探してるんっすね。どんな本っすか。それにしても先輩、少し元気になりましたか?」


(この男がマウリ!?声や背格好は一緒のような気がするが、マウリは黒髪ツンツンヘアーのハーフのような顔立ちで爽やかな印象の男じゃったが。)


「マウリ。源五郎さんがお前の姿を見て驚いてるぞ。」


唖然とするわしの様子を見てラージャがマウリの質問に答えずそう言った。


「そうっすよね。源五郎さんはこの姿の自分を見るのは初めてっすよね。源五郎さんなら信用できそうなのでいいかなと思って。」


マウリ(馬面)がそう言うと一瞬にしていつものツンツンヘアーのハーフ顔マウリに戻った。


「ほ、本当にマウリだったんじゃな。」


「そうっす。」


「どうやって変身したんじゃ?」


「それは企業秘密っす。そんな事より本を探してるんっすよね。どんな本っすか?」


(企業秘密とはかなり気になるぞ。)


「記憶喪失の本と呪いの本で良かったですよね。源五郎さん。」


「そうですぞ。」


「かしこまりっす!すぐに持ってくるっすよ。」


マウリは本を持ってくる為に移動した。


「ラージャよ。本当にマウリは有能じゃな。それにしてもさっきの企業秘密って何じゃ?」


「俺は知ってるけど、マウリが言わないなら言えないですね。」


「そりゃそうじゃな。」


(ラージャは知っておるのかぁ。秘密と言われると余計に気になるなぁ。一瞬で姿が変わったからなぁ。スキルじゃろうな。きっと。先ほどのマウリの姿は信用した人間に見せれるという事は先ほどの姿が本当の姿なのかなぁ。それともいつものマウリが本当の姿なのか。他にも変身出来るのか。どうなんじゃろ。)


わしがマウリの事を考えているとマウリが大量の本を持ってきた。


「おまたせっす。記憶喪失に関する本と呪いに関する本っす。」


「さすがじゃな。ラージャが言っていた通りじゃな。それにしても本の数が多いなぁ。マウリは本の内容を覚えてたりしないのか?」


「さすがにそれは無理っすよ。」


「ついついマウリは何でも出来そうに思えてしまってなぁ。」


「それでは源五郎さん。一緒に本を読みましょう。」


「そうじゃな。マウリも一緒に本を読むか?」


「自分はやらなきゃない事があるので失礼するっす。」


マウリはそう言うと書物庫から出ていった。


(マウリは何をしに書物庫に来たんじゃろ。わしとラージャの事を心配して見に来てくれたんじゃろうか。やはりマウリはいい奴じゃな。よーし。本を読むとしよう。)


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