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155:Why

「せっかくアーチさんと源五郎さんが父を助けてくれたのに・・・俺の言葉に反応して父は・・・。」


結論から言うと老いラージャ(先代王)は助からなかった。

ラージャの言葉に反応して話し始めた事により黒い光に包まれた。すぐに黒い光が止み、わしが老いラージャ(先代王)に近づいたが心臓が完全に止まっていた状態じゃった。

ラージャにも心臓が止まっている事を確認してもらい、わしは駄目元でエレクトリカルスタンを老いラージャ(先代王)に放ったが無意味だった。


「こればかりは予想が出来ない状態じゃったし、黒い光の正体を突き止めましょうぞ。それに真のビーストモードじゃったか?それになれるよう行動した方がいいんじゃないか?」


「そうですよね・・・。源五郎さんの言う通りですよね・・・。でも・・・とりあえず俺を一人にしてもらっていいですか・・・。」


「ラージャよ。変な気を起こすんじゃないぞ。」


ラージャは老いラージャ(先代王)を見たまま返事をしなかった。

わしとアーチはマウリに連れられ部屋を出た。そして、最初に案内された城の中にある畳張りの部屋で待つように言われた。


しばらくするとマウリがやってきて、紅き閃光スターディザイアにラージャの状態が大変な事になった為、謝礼金はラージャの状態が回復してからと告げた。それに対して紅き閃光スターディザイアのパーティーメンバーは「いつ謝礼金をもらえるのか」などマウリに好き放題言っていたがマウリは状態を確認して明日詳しい事を伝えると言った。そしてマウリはわし達と紅き閃光スターディザイアにラージャの状態が回復するまで城の客室を自由使用していいと告げ、客室に案内した。


わしとアーチ、シャルロットが部屋に入ると隣の部屋にいる紅き閃光スターディザイアが何か騒いでいる声が壁伝いに聞こえてきた。


「ラージャ大丈夫かな?」


「どうじゃろうなぁ。目の前で父親が死んだからなぁ。よっぽどショックじゃろう。こればかりはラージャ自身が前向きに考えて乗り越えるしかないなぁ。」


「僕たちで出来る事はあるかな?」


「そうじゃな・・・。今は一人にしてあげる事じゃろうな。元気になった時に色々出来る事があると思うから一緒に考えましょうぞ。」


「うん!!」


「それにしても何を話しているか分からないが隣の部屋がうるさいなぁ。そうじゃ!アーチ!城に来る途中にあったお店でも見に行くか?」


「うん!!行きたい!!」


「それじゃあ行きましょうぞ!あっ、でもその前にゴンゾウの事をライオに伝えていた方がいいな。それにゴンゾウがあんな風になった原因やいる場所が分かるかもしれないし。」


「うん・・・。そうだね。」


アーチは金色のバングルに魔力を込め、ライオに城塞都市オロッパでの出来事を伝えた。

ライオは悲しそうな声で受け答えをしていた。そして、今まで人を襲うという事は無かったが、もしかするとドラゴニュートの人では無い遺伝子が影響しているのかもしれないと言っていた。通話の最後にライオはゴンゾウを見つけたら一から教育しなきゃならないなと言っていた。


「ライオ悲しそうだったね。」


「そうじゃな。ライオとゴンゾウは血は繋がっていないが小さい時にゴンゾウを拾って育てた育ての親じゃろ。息子が事件を起こしたんじゃ。そりゃ悲しいじゃろうなぁ。ライオがドラゴニュートの遺伝子がとか言っておったから、ラージャの城にドラゴニュートに関しての資料があれば探してみるとしよう。でもその前に気晴らしじゃ!!お店に行きますぞ!」


「うん!!!」


わしとアーチは城の外に出て店に向かった。


「わぁーどのお店もすごいねー!!」


「そうじゃな!!王様が大変な事になっておるが、この通りは活気づいておるなぁ。」


「あの店なんだろう?」


アーチが興味を惹かれた店は王都限定七色ドナツと大きく看板に書いてあった。

そして店頭で売られている商品を見るとわしが知っているカラフルなドーナツじゃった。


「これはもちもちで甘いお菓子じゃな。」


「源五郎は食べた事があるの?」


「わしがいた世界でも同じ様なものが売られていて好物じゃったからなぁ。ドナツを見つける度に食べていたぞ。」


「へぇーそんなに美味しいんだ!じゃあ僕、これ食べたい!!」


「食べましょうぞ!一緒に食べましょうぞ!」


アーチは赤色の穴が開いたドナツ、わしは桃色の穴が開いたドナツを購入した。


「ドナツいただきまーす!!」


アーチが嬉しそうに王都限定七色ドナツ(赤色)を食べた。


(わしも食べるとしよう。このドナツ、もちもちで美味しいぞ!わしのいた世界のもちもちドーナツがこの世界にもあるとは!嬉しいなぁ!それにこのドナツの生地の中には甘いクリームが入っておる!絶品じゃ!!)


「源五郎!美味しいね!!」


「そうじゃな!こうしてアーチと一緒に食べるとさらに美味しく感じるなぁ!!」


「僕も!!」


わし達は王都限定七色ドナツを食べ終え、他のお店も見て回った。

終始喜ぶアーチにわしは癒やされた。


「お店もある程度見たし、そろそろお城に戻るとしよう。」


「うん。」


アーチが返事をした瞬間、アーチが急に苦しみだした。


「アーチどうしたんじゃ?何かあったか?大丈夫か?」


わしの呼びかけに反応せず苦しむアーチ。


(大丈夫そうじゃないぞ。ここはわしのいた世界と違うからどうすればいいんじゃ・・・。とりあえずラージャとマウリがいる城まで急いで戻ってアーチの様子を見てもらうしかない・・・。)


「アーチ!苦しいとは思うが、急いで城に戻るぞ。」


わしはそう言いながらインフィニティトロリーで台車を出現させた。


「アーチ!これに乗るんじゃ。」


わしがそう言うとアーチは苦しみながらもわしの方を見てこう言った。


「お兄さん、誰?」

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