表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/239

【番外編】兄弟の日常2

太陽が沈みかけて空が赤く染まり始めた頃。


「お兄ちゃん!部屋にこもって何してるの?」


「わぁ、アーチか!お兄ちゃんの部屋に入る時はノックするように言ってるだろ!」


「何回もノックしたよ!それよりお兄ちゃん今日は部屋にずっといるけど何してたの?」

ベッドに座っている兄に後ろから抱きつく弟。


「こら!抱きつくんじゃない!!」


「えっ、お兄ちゃん!僕が抱きつくの嫌なの?」


「い、嫌じゃないけど。アーチが抱きつくと色々大変だろ!」


「ねぇねぇ、お兄ちゃん色々大変って何??」

兄を後ろから覗き込むように見る弟。


「と、とにかくお兄ちゃんが大変なんだよ!!」

焦りながら言う兄。


「で、お兄ちゃんは結局何をしてたの?」


「お兄ちゃんはなぁ。今日は一日アーチの事を考えていた。そしたらこんな時間になってた。」


「えっー何それ!?僕の事を考えてたの?この前も僕の事考えてたらこんな時間になったって言ってたよね。僕のどんな事を考えてたの?」


「アーチは純粋で素直でまっすぐだから、悪い人間に騙されちゃうんじゃないかとか

アーチは料理が上手くて身の回りの事も出来るスーパーな弟だから悪い人間に利用されるんじゃないかとか。とにかくお兄ちゃんは色々と心配してアーチの事を考えてたんだよ。」


「お兄ちゃん考え過ぎだよ!僕は大丈夫!こう見えて人を見る目はあるんだよ!」


「そうだよね!アーチはしっかりしてるから人を見る目もあるよね。でも・・・。」


「でも?でも何???」


「ううん。何でもないよ!それより何か用事があって部屋に来たんじゃないの?」


「あっ、忘れてた。もうすぐご飯出来るから、ご飯出来る前に村の浴場に行ってきたら?」


「アーチの手料理!?今日のメニューは何かな??」


「今日は村長さんからもらったホッソイニーで作った炒めものだよ!お兄ちゃんホッソイニーも好きだもんね!」


「お兄ちゃんはホッソイニーもアーチも好きだぞ!!」


「何それ!いいから早く浴場に行かないとご飯抜きだよー。」

弟は笑いながら、兄を急かす。


「わかった。行くよ!今日はアーチも一緒に浴場へ行こうよ!」


「僕は行かないよ!料理も完成させなきゃだし、クリーンの魔法使えるし。

お兄ちゃんはクリーンじゃキレイになった気がしないっていつも言ってるじゃん。

あと、浴場好きでしょ。」


「お兄ちゃんと一緒にお風呂で洗いっこも楽しいぞー!!数年前までは一緒に洗いっこしてたのに。お兄ちゃん寂しいぞー。」


「早く行ってこないと本当にご飯抜きにしちゃんだから。」

顔を真っ赤にしながら弟はさらに兄を急かす。


「わかった。それじゃあ今日も一人で行ってきます。」

寂しそうに家を出る兄。


「お兄ちゃん。しょうがないなぁ。今日は一緒に浴場行くよー。」

後ろから弟が兄に話しかける。


「ア、アーチ。お兄ちゃんは嬉しいぞ!じゃあ洗いっこするぞー!!」


「洗いっこは嫌だよぉーお兄ちゃん。」


こうして兄弟の夜が更けていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ