140:プゥプゥー!
シャルロットが龍の姿になり、シャルロットから発せられた光は世界樹を完全に回復させた。そして、エルフの国を覆うように光の膜が張られた。
「アーチくん!源五郎くん!せ、世界樹が!世界樹が蘇ったよ!そ、それに結界も復活したよ。す、すごいね!あの生き物はなに?」
「あの生き物じゃないよ!シャルロット!!!シャルロットはすごいでしょ!!」
「何じゃ!キノは知ってるんじゃなかったのか?」
「僕が知っているのは幸せを呼ぶホワイトタイガーだよ。あの姿は僕は知らないよ。」
(シャルロットは幸せを呼ぶホワイトタイガーだったのか。コッコじゃなかったのか。というかキノもシャルロットの事をよく分かってないなぁ。)
わしがそう思っているとシャルロットが上空から降りてきた。
「シャルロットすごいねー!!」
「アーチいつも褒めてくれてありがとう。」
「シャルロット話せるの?」
(わぁ、シャルロットが人の言葉を話しておる!しかもショタボ!わぁー!!)
「アーチがね。光魔法をいっぱい使ったから、シャル、この姿になれたんだよ。それでね、世界樹が枯れてみんな悲しそうだからね、シャルが世界樹を回復させたの。」
「ありがとう!シャルロット!!シャルロットはシャルロットって名前で良かった?あと・・・。」
「シャル、いっぱい頑張ったから。もう駄目かも・・・。シャルはシャルロットって名前好き!アーチ好き・・・。」
シャルロットがそう言うと光に包まれた。
「シャルロット、駄目ってどういう事??ねぇ!シャルロット!!」
「シャルロットどうしたんじゃ!!」
光が消えるとシャルロットはうさぎの姿になってアーチにジャンプした。ジャンプしたシャルロットをアーチが受け止めた。
「シャルロット!!!可愛い!!僕、シャルロットがいなくなるんじゃないかと思ったよ。」
「プゥプゥー!」
「シャルロット!また話せなくなっちゃたの?」
「プゥー!」
(シャルロットは謎の生き物過ぎじゃろ!コッコの卵から白い蛇が産まれて、ポニーになって、一瞬アーチになって、幸せを呼ぶホワイトタイガーになって、白い龍になって、白いうさぎに・・・。どういう事じゃ!!)
「こ、これはどういう事なの?ぼ、僕こんな生き物を見るのは初めて。」
「こんな生き物じゃない。シャルロットはシャルロットなの!」
「ブッブッ!」
「やはりキノも知らないんじゃな。シャルロットはコッコ小屋から卵をもらったんじゃ!そして孵化すると最初は白い蛇の姿じゃったんだぞ!それで世界樹の種も食べてしまって、その後、白いポニーの姿になって・・・。」
「せ、世界樹の種!?世界樹の種を食べちゃったの!?世界樹の種はどこで手に入れたの?」
わしが話をしているのを遮って、キノが話しかけてきた。
「世界樹の種はダンジョンで手に入れたんじゃ。シャルロットがしっかり食べましたぞ。ただ、わしの知り合いが種を見て世界樹の種と言っただけじゃが・・・。」
「で、でもこんなすごい事するなんて世界樹の種の力だよね。さっき源五郎くんは白いポニーって言ったよね。」
「確かに言ったぞ!白いポニーの姿になって、その後にアーチの姿になって、ホワイトタイガーになったんじゃ。」
「ふむふむ。僕、その生き物に心当たりがあるよ。」
「その生き物じゃない。シャルロットはシャルロットなの!」
「ブッブッ!」
(アーチと白うさぎのコンビはなんだか可愛いなぁー!!)
「ご、ごめんねぇ。シャルロットくんだね。みんなはさっきの部屋で待ってて欲しいなぁ。僕の心当たりが合っているか調べて来るよ。」
「かしこまりぞい!!」
わし達はエルフ王キノに言われて部屋で待つことにした。
Happy New Year!!
2023年はありがとうございました。2024年も完結に向けて毎週更新します。