119:予期せぬ訪問者其の二
「あっぱれじゃ!あっぱれ!ブルードラゴンを簡単に倒すなんてあっぱれじゃ!それはそうと、むき出しの殺気を鎮めてくれんかのう。」
白い髪に大きな瞳、額には金色の輪っかを付けており、金色の鎧、金色の斧を装備した小さな少年がそう言った。
「そこの縄を持ったお前と杖を持ったお前。何やらお前らからはレオンの気配がするな。」
紫色の髪に細い長い目、服装はまるで村人のような普通の服装の小さな少年がそう言った。
「えっ!?レオンの事知ってるの?」
アーチが嬉しそうに聞いた。
「レオンとは因縁の関係だ。」
村人少年がそう言った。
「因縁・・・って事はお主らは敵なのか?」
「おいら達は敵じゃない。そうじゃよな。オグノー。」
「ライオの言う通り、わたし達は敵でない。」
(白髪ショタがライオで紫髪ショタがオグノーなんじゃな。)
「敵じゃないのかよぉぉ!じゃあ何でよぉ!お前らここにいるんだよぉぉ!小さな子供じゃよぉ!無理だろぉぉ!」
「おいら達はブルードラゴンを追ってデスマウンテンの中腹から来たんじゃ。ブルードラゴンは山頂付近にしかいないから、ブルードラゴンが山を降りたら大惨事になると思ってなぁ。」
「そしたらお前らがブルードラゴンと戦い始めたから2人で見ていたのだ。」
「ブルードラゴンを追ってどうするつもりじゃったんじゃ?2人ではどうする事も出来ないじゃろ。それにブルードラゴンは高速移動するんじゃろ?高速移動するのによく追って来れたなぁ。」
わしは疑問に思って2人に尋ねた。
「おいら達は強いから問題ないぞ。ちなみにブルードラゴンは高速移動しない生き物じゃ。」
「俺、見てたけどお前らがウルフやらグリフォンやらのモンスターの素材を回収するのに夢中でブルードラゴンに気づいて無かっただけだ。」
「そうなのか。わし達は油断していただけなんじゃな。」
「まじかよぉぉ!急にブルードラゴンが出たからよぉぉ!転移したんじゃねぇかと思ってたんだよぉぉ!俺も油断していたぜぇぇ!!!」
「わぁはっはは!笑かしてくれるのう。」
「ライオ笑っている場合じゃない。」
「そうじゃな。」
白髪の少年が返事をすると、山頂の方向からブルードラゴンの群れがやってきた。
「1、2、3・・・5体!?なんじゃあれはまるで山崩れが襲ってきている様じゃ。」
「ブルードラゴンの群れとよぉぉ!一斉に戦うのはよぉぉ!さすがに無理だろぉぉ!!」
「どうしましょう。ヴァルゴさん。」
「源五郎がいれば大丈夫!大丈夫!」
(アーチは楽観的じゃな。わしは1体でも大変じゃったのに・・・。)
「お前らはそこで見ていればいい。」
「そうじゃ!そうじゃ!おいら達がやるから見ておれ。」
「小さい子供にはよぉぉ・・・」
ヴァルゴが叫んだ瞬間。2人の小さな男の子はスキル名を叫んだ。
「金剛土龍斧!!」
白髪の少年が斧を振ると斬撃が複数の龍のようになりブルードラゴン達を一刀両断した。
「標準OK。出力60%。ゴールドキャノン砲!」
紫髪の少年が手をブルードラゴンに向けた。そして、少年の手から金色のレーザーが発射され、残りのブルードラゴン達が消滅した。
「何なんだよぉぉ!!それはよぉぉぉ!!!」
それを見たヴァルゴは驚き叫んだ。そしてわしはこう思った。
(可愛らしいショタ2人強すぎるじゃろ。とりあえず敵じゃなくて良かった。)
「これで大丈夫そうじゃな。」
「ブルードラゴンの生命反応消失。」
「お前らよぉぉ!!何者なんだよぉぉ!!!」
「おいらとした事が自己紹介まだじゃったなぁ!!おいらはドワーフの王ライオじゃ。そしてオグノーはおいらが造ったゴーレムじゃ。」
「俺、キングゴーレムのオグノーだ。」
(こんなショタがドワーフの王!?そういえばヘカダットの大将もドワーフでショタじゃったなぁ。それにゴーレム!?ゴーレムって何じゃ?ロボットって事か・・・どっからどう見ても可愛い男の子じゃけど。)
「おいら達はデスマウンテンの異常を調査しておったんじゃ。いつもよりモンスターが多い事や山頂付近にいるブルードラゴンがふもと付近にいる事。デスマウンテンで何か良くない事が起こっているんじゃないかと思ってなぁ。」
「俺もよぉぉ!!おかしいと思ったんだぜぇ!!ブルードラゴンが現れてよぉぉ!!」
(絶対思って無いじゃろ。ヴァルゴ。)
「お前らも一緒に調査するのがいい。人数は多い方がいい。」
キングゴーレムのオグノーが言った。
「申し訳ないんじゃが、わし達は目的を達成したから帰ろうかと思っていたんじゃ。」
「縄の人。そうなんじゃな。調査を一緒にしてくれたらドワーフの国に招待しようと思ったんじゃが。」
「おい、おい!本当かよぉ!それはよぉ!!」
「ヴァルゴさん調査しましょう。」
「ヴァルゴもマールも何を盛り上がってるんじゃ?」
「お前はよぉ!知らねぇのかよぉ!ドワーフの国は幻の国って言われていてよぉぉ!」
「ドワーフの方々は掟があり、国の場所を絶対に知らせないんです。だからドワーフの国に行った事がある人はほとんどいないんです。」
ヴァルゴは興奮しながら叫び、マールは早口になりながら話をした。
「ドワーフの国にはよぉぉ!あれがあるんだろぉぉ!!!」
「ほぉーあれを知っておるのかぁ。1口飲めば元気がみなぎり、2口飲めば三日三晩元気になるあれを。」
「よーし!決まりだぜぇぇえ!調査するぜぇぇぇ!!!」
「わしとアーチは調査すると言ってないんじゃが・・・。」
「源五郎。楽しそうだから一緒に調査しちゃお!」
「アーチは可愛いなぁ。よーし!アーチが行くならわしも行くぞ!!」
「わぁはっはは!面白い連中じゃ!調査に同行する事が決定したようじゃな。おいらの見立てでは頂上にデスマウンテンの異常の原因があると思っておる。なので目指すは頂上じゃ。」
「どちらにしろよぉぉ!頂上に向かう予定だったからよぉ!そういう事だろぉぉ!」
わし達はドワーフの王ライオとキングゴーレムのオグノーと一緒に異常の原因を調査する事になった。