103:いい湯だな
「これがお風呂なんですね!!」
マールはお湯に浸かりながら嬉しそうに言った。
「極楽!極楽!!気持ち良いなぁ!!」
「うん!シャルロットも気持ち良いよね!」
「ヒヒーン!!」
(馬も同じ風呂に入る時代が来たんじゃな。考えないようにしよう。)
わしがそんな事を思っていると横でヴァルゴが泳いでいた。
「ヴァルゴ!お主泳げないんじゃないのか?」
「お風呂だとよぉぉ!泳げるんだぜぇぇ!!!」
(どういうからくりじゃろ。というかタオルが今にも取れそうじゃし、濡れて尻が透けているし、ヴァルゴのヴァルゴも見えそうじゃし・・・。タオルって濡れたら透けるんじゃな・・・って透けるんじゃないか!?という事は透け透けの透けで・・・。)
「ねぇねぇ、源五郎!あそこに露天風呂って書いてある!行こう!!」
「そ、そうじゃな。」
(移動するという事は丸見えになるぞ!!見ないようにしないと。)
わしがそう心の中で思った瞬間、アーチが声をあげて転びそうになっていた。転びそうになったアーチを見てしまったが、シャルロットで股間部分が見えなかった。
(シャルロットぉぉぉ!!自然にアーチのアーチを見るチャンスだったのに!)
わしは見ないようにしないとと思いながらも気がつけば見る気満々だった。
マールはアーチを追いかけるように露天風呂へと移動していたがヴァルゴが邪魔で何も見えなかった。寧ろヴァルゴのタオルで透けた尻をまた見る事になった。
「露天風呂も気持ち良いね。黒いお風呂って初めて!なんだかスベスベするよー!」
「そうじゃな!スベスベなんじゃな!!」
わしは黒湯に入りながらアーチのスベスベを想像して危うい状況になった。
「そういえばよぉぉ。ニャンニャンはよぉ。お風呂に入って大丈夫なのかよぉ?」
「はい。初めてお風呂入りましたがとても気持ち良いです。」
(そういえばマールは猫の獣人じゃったなぁ。猫はお風呂が苦手なイメージあるからなぁ。わしのイメージじゃと犬の獣人じゃったらお風呂好きが多そうじゃが。って猫の獣人の尻尾は分かりづらいけど、犬の獣人の尻尾はどうなるんじゃ。ふさふさは隠しきれないじゃろ。)
「マールよ。獣人は尻尾を隠すと言っていたが毛の量が多い犬の獣人とかはどうやって隠してるんじゃ?」
「お前よぉぉ!!マールに恥ずかしい事聞いてんじゃねぇよぉぉ!!お前のよぉぉ聞いている事はよぉ!恥部の毛量が多いからどうやって隠すか聞いてるのと同じだろぉぉ!!」
(そうなるのか・・・。なんだか申し訳ないなぁ。)
「源五郎は知らないから僕がこっそり教えてあげる。」
アーチは耳打ちしながらわしに話しかけてきた。
「大きめのサイズやシルエットが出ないように魔法で加工された衣服を着てるんだよ。」
(裸のアーチが耳元で声を・・・。あーあダメなやつじゃ。)
耳元で囁かれたアーチの声に完全に反応してしまったわしは黒湯の中でとんでも無い状態になっていた。
「源五郎大丈夫?顔が赤くなって意識朦朧としているけど。」
「だ、だ、大丈夫じゃ!大丈夫!」
「お前よぉぉ!こんなんでアツいって思ってるんじゃねぇだろぉぉな!本番はこれからだかんよぉぉ!!」
「ヴァルゴさんあそこにあるのがサウナですか?」
マールが示す方向に木で出来た小屋のような建物があった。
「そうだぜぇぇえぇ!!そんじゃよぉぉぉ!サウナ入るぜぇ!!!」