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99:歌って遊ぼう!2

マールの歌を聞いたヴァルゴは急に叫び始めた。


「なんでだよぉぉ!!なんでよぉぉ!師匠がよぉぉぉ!!」


「ヴァルゴさん大丈夫ですか?」


マールが心配してヴァルゴに声をかけるも無視された。


(ヴァルゴが完全に錯乱状態じゃ。いつも錯乱しているようなもんじゃが、こんな必死になって叫んでいるのはすごい幻覚を見ているんじゃな。)


「まさかよぉぉ!その魔法はよぉぉぉ!!師匠はそれ使ったらよぉ!ダメじゃねぇかよぉぉ!!!」


一人で焦りながら叫ぶヴァルゴ。そして、ヴァルゴは変な動きをして魔法を繰り出した。


「ライトニングストーム!!」


その魔法は誰もいない場所に放たれた。


(一人で叫んで、一人で魔法を使っている姿はとても面白いなぁ。)


わしはそんな事を考えながら横を見るとアーチも楽しそうな表情だった。

マールはヴァルゴを心配して見ていた。


「源五郎、そろそろ縛った方がいいんじゃない?」


「そうじゃな。」


アーチに言われてわしは縄を出現させ、カウボーイスタイルでヴァルゴに縄をかけて縛り上げた。


「これで魔法も使えないじゃろ。」


「師匠やめてくれよぉぉ!師匠ぉぉぉ!!!」


叫んでいるヴァルゴの奥から幻想曲[エリス]の効果が切れたコボルト達が走ってこちらに向かってきた。


「そうじゃった。コボルトの事を忘れていたぞい。マールよ。スキルでどうにか出来るか?」


「はい。それでは次の歌を歌います。奏鳴曲第1番[ヘカテー]」


マールは様々な音階で悲しげな歌声を鳴り響かせた。その歌を聞いたコボルト達の動きが遅くなった。


「おぉー!!これもすごいぞ!!この歌を聞くと動きがスローになるんじゃな?」


「はい。そうです!」


「マールはすごいねぇ!!」


「ありがとうございます。」


「誰だよぉぉぉ!俺を縛ったのはよぉぉ!!」


「みなさんヴァルゴさんの幻覚の効果が切れたようです。」


(幻覚を見ている時も叫んでいたし、今も叫んでいるからあまり分からないなぁ。)


「ヴァルゴ!正気に戻ったのか?」


「もちろん俺はよぉ!最初から正気だぜぇぇ!!」


「受け答え出来るという事は正気のようじゃな。」


わしはヴァルゴを縛っている縄を消した。


「ヴァルゴ!どんな幻覚を見てたの?」


「それはよぉぉ!師匠がよぉぉ!!」


「みなさん!先にコボルト達をどうにかした方が・・・。」


「マールの言う通りじゃな。完全に忘れておったぞ。」


「じゃあ最後の歌を歌います。交響曲第1番[バルキリー]」


マールから発せられる歌声は力強くも複雑でまるでオーケストラのようじゃった。


「なんだか力が湧き上がりますぞ!!」


「これはよぉぉ!魔力が溢れ出してきてよぉぉ!すごいだろぉぉ!!」


「僕も戦えそう!すごいよ!マール!!」


「皆さんコボルトに攻撃お願いします。」


「そんじゃよぉぉ!いくぜぇぇ!ボルケーノ!!!」


ヴァルゴが魔法でコボルト達を攻撃した。するとコボルトの集団は一瞬にして壊滅した。


(あーあ、もふもふの集団が一瞬にして燃え尽きたなぁ。南無。)


「なんだよぉぉ!これはよぉぉ!強すぎだろぉぉ!!」


「さすがです。ヴァルゴさん。この歌は対象者の力と魔力と素早さと防御力を強化します。」


「えっ。今さらっとすごい事言っていたぞ。」


「それってよぉぉ!!マールがよぉぉ!いたら最強じゃねぇかよぉぉ!!」


「最強!最強!!」


「そうなんですか。初めて言われました。皆さんありがとうございます。」


うるうるしながらマールが言った。


(マールすごすぎじゃな。前のパーティーでの扱いが悪かったせいで無自覚になってしまったんじゃろうなぁ。味方のステータスを上げて、敵を眠らせたり、動きを遅くしたり、幻惑で無防備状態にさせたり・・・。それに謎の加護もあるみたいじゃし。強すぎるなぁ。前のパーティーはマールの有り難さに気づいていなかったようじゃし、よっぽどの者達じゃな。)


「そんじゃよぉ!!マールも攻撃出来るようによぉ!弓を買いに行こうぜぇぇ!!」


「そうじゃなぁ!大賛成ですぞい!!」


「皆さんありがとうございます。」


「ねぇねぇヴァルゴ。コボルトも倒したし、弓を買いに行く前にヴァルゴがどんな幻覚を見てたか教えてよぉ!」


「忘れていたが、わしも教えて欲しいぞ!!師匠って言っていたなぁ。」


「師匠がよぉぉ!出てきて今からよぉぉ!お前を攻撃するからよぉぉって言ってきてよぉぉ!!俺はしょうがなく師匠と戦ったんだぜぇぇ!!」


「師匠ってどんな人なんじゃ?」


「師匠はよぉぉ!俺よりよぉ!!テンションが高くてよぉ!強いんだぜぇ!!」


ヴァルゴの発言を聞いて笑顔だったアーチから笑顔が消えた。


(えっ、ヴァルゴよりテンションが高い。ヴァルゴより!?テンションが高い!?)


「それは会いたくないなぁ。」


「師匠に会いたくねぇのかよぉぉ!!」


(心の声が漏れたなぁ。)


「つ、強いんじゃろ。だから、そういう意味で。」


「それはよぉ!俺もそうだぜぇ!でも会いたくても会えないんだぜぇ!!」


「そうなんじゃな。それはそれは・・・。」


「俺が幻覚を見た話はこれくらいにしてよぉぉ!早く出発しようぜぇぇ!!」


「そうじゃな。それでは気分を取り直して行きますかなぁ!!」


「うん!行こう!マールの弓買おう!!」


「ありがとうございます!!」

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