98:歌って遊ぼう!
わし達は着替えてヘカダットの街から離れ、モンスターを探しながら歩いた。
「何でもそうじゃが、探している時に限って出ないものじゃな。」
(それにしても上裸アーチも刺激的で可愛かったが生足見え見えのもこもこフード付きのパーカーのアーチも可愛いなぁ。)
「源五郎どうしたの?またニヤニヤして。」
(またバレたー!アーチの事をいやらしい目で見てたのバレたー!!)
「あ、あれですぞ。また旅を再開出来て嬉しいなぁと思ってたんじゃ!しかも天気も良好!!そりゃ笑顔になりますぞ!!」
「僕もみんなで旅、出来て嬉しい!!」
「お前らよぉ!!話してないでよぉぉ!!モンスター探せよぉぉ!!マールのスキル試せねぇじゃねぇかよぉぉ!!!」
「僕のためにすいません。皆さんの期待に答えられるように頑張ります!!」
「ヴァルゴは探知魔法とか使えないのか?」
「俺はよぉぉ!!攻撃魔法専門だからよぉぉぉ!!無理だぜぇ!」
勝ち誇った表情でヴァルゴが答えた。
「しょうがないなぁ。それじゃあ探しながら歩くしかないなぁ。」
「ねぇ!あれモンスターじゃない?」
アーチが指を差した方向を見ると小さな剣を持った小さい二足歩行の犬が群れていた。
「コボルトじゃねぇかよぉ!!!」
(コボルトというモンスターなのか。なんだか可愛い見た目じゃな。すごくモフモフしたい。)
「コボルトならよぉぉ!!安心だなぁ!!マールがよぉ!スキルを試すのに安心だろぉぉ!!」
「はい!僕、頑張ります!!それじゃあ歌います!夢想曲[ヒュプノス]」
そう言うとマールは歌いだした。まるで子守唄のような優しい歌声。その歌を聞いたコボルト達は眠り始めた。
(マール歌うまっ!!コボルトが一瞬で眠ったわい!それにしてもマールの静かでスローテンポな歌で聞いていると、こちらも眠くなりそうじゃな。)
「マールすげぇじゃねぇかよぉぉ!!!!」
「マールすごい!!」
「ありがとうございます!僕の歌でコボルトを眠らせました!!」
「やはりマールはすごいなぁ。わし達も歌を聞いていたが寝なかったのは何故じゃ?」
「僕の歌は対象を選ぶ事が出来るんです。先程の歌だとコボルト達に歌声が届けと思いながら歌いました。」
「マール凄すぎじゃろ!!!」
「俺はよぉぉ!マールが出来るニャンニャンって知ってたからよぉ!!」
(ヴァルゴもマールのスキルに驚いてたじゃろ。)
「ありがとうございます!!僕、嬉しいです!!」
「それじゃあよぉぉぉ!次の歌を聞かせろよなぁぁぁ!!!」
ヴァルゴはそう叫ぶとコボルト達にウォーターという魔法で水をかけてコボルト達を起こした。目覚めたコボルト達はわし達の方に走り出した。
(二足歩行のわんこが走ってきて可愛いなぁ!!)
わしがそんな事を思っているとマールが次の歌を歌い始めた。
「次の歌を歌います!幻想曲[エリス]」
次の歌はまるで大空を駆け巡るようなアップテンポで自由な歌じゃった。
(本当にマールの歌は素敵じゃな!先程の歌とは曲調もメロディーも違うけど、どちらも最高じゃ!!この歌声はまるで神に愛されている歌声じゃなぁ。)
わしは目を閉じながらマールの歌声を堪能していた。
「おいおいおい!これってよぉぉ!!」
ヴァルゴの声で目を開けるとコボルト達は何も無い場所を攻撃し始めた。
「これはどういう事じゃ?」
「この歌は対象を魅了して幻覚を見せる効果があります。」
歌い終わったマールが答えた。
(平然と言っておるが、これはすごい事じゃ!マールは恐ろしい子じゃ!!)
「という事はコボルト達は幻覚と戦っているという事じゃな!!」
「源五郎さんの言う通りです。」
「具体的にはどんな幻覚を見るんじゃろ?」
「それは僕にも分からないですね。」
「俺もよぉ!気になるからよぉぉ!俺をよぉぉ!対象にしてよぉぉ!歌うしかねぇだろぉぉ!!」
「ヴァルゴさん駄目ですよ。」
「そうじゃそうじゃ!万が一、幻覚と戦う事になったら魔法を使うじゃろ!誰も止められないぞ!!」
「幻覚の効果が無くなるまで5分程ですが、源五郎さんの言う通りですよ。最強のヴァルゴさんを誰も止められないです。」
「5分なら大丈夫だよ。源五郎いるし。何かあれば縛ればいいし。マール歌って!歌って!!」
(アーチよ。なぜ!?ってちょっとズルそうな顔でニヤニヤしてるぅー。完全に面白がってるなぁ。そんなアーチも可愛いなぁ。)
「俺はよぉぉ!幻覚如きによぉぉ!!どうこう出来るレベルじゃねぇんだよぉぉ!だからマール歌えよぉぉ!!」
「ヴァルゴさんがそこまで言うのであれば歌いますね。幻想曲[エリス]」




