95:海の月の夜(後編)
「ここが食堂です。中に入ってお待ちください。食べ物を持ってくるように指示します。」
「ありがとうなぁ!!そういえば牢屋でよぉぉ!俺にキスしようとしてたよなぁ?やっぱり俺はよぉぉ!性別をよぉぉ!超越するほど魅力的だって事だよなぁ?」
「・・・。」
「何も言えないって事はそう言う事だろぉぉ!!俺はお前とは無理だけどよぉぉ!魅力的に思ってくれてよぉぉ!ありがとうなぁ!!」
ヴァルゴがそう言うと食堂の中に入っていった。
「・・・。」
ヴァルゴが食堂の中に入ると王様がいた。
「おじいちゃんじゃねぇかよぉぉ!!なんか美味しそうなもの食ってんなぁ!!」
「お前か。どうしたんだ?」
「今日何にも食べてなかったからよぉぉぉ!」
「カレーの時間があっただろ。その時に食べなかったのか?」
「カレーの時間!?なんだよぉそれ!倒れてる時に食えるわけねぇだろぉぉぉ!」
「なるほどな。そういう事か。お前は良い仲間に恵まれているみたいだな!」
「当たり前だろぉぉ!!俺はよぉぉ!人を見る目があるんだよぉ!それにしてもよぉぉ!おじいちゃん強いじゃねぇかよぉぉ!!」
「お前も強かったぞ。私の5%くらいはなぁ。」
「なんだよぉそれ!!」
「ほら、カレーが来たぞ。」
「すげぇ美味そうな匂いだなぁ!!」
「そうだろ。」
「いただきます!!」
「どうだ。美味しいだろ。」
「うめぇー!!こんな美味しいものがこの世にあるのかよぉぉ!!!」
「カレーの美味しさを分かるとはさすが私の孫だ。」
「色々食べてきたけどよぉぉ!すげぇじゃねぇかよぉぉ!!!」
「これは私の娘。お前の母親が海の月から出ていった後に人間が来てな。私にこのカレーを食わせてくれたんだ。娘がいなくなって意気消沈していた私だったが、このカレーを食べてあまりの美味しさに元気を取り戻したんだ。そこからは全国民にカレーを食べさせ元気な国にしようと思ったのだ。しかし、それは私のエゴだったようだ。美味しいものは食べたい時に食べるのが一番のようだな。」
「こんなに美味しければ毎日でもいいだろぉぉ!!」
「カレーを気に入ったようで私は嬉しいぞ。私の娘、お前の母親は元気か?」
「お母ちゃんか?そりゃ元気だろぉぉ!」
「何か言ってなかったか?」
「あっそういえばよぉぉ!お母ちゃんのお父ちゃんはすごいって言ってたなぁ!!でも今更会うことも出来ないってよぉぉ!それも言ってたなぁ!!!」
「そうか・・・。私はお前を待ち続けている。いつでも私に会いに来いとも伝えてくれ。もちろんお前もいつでも海の月に来ていいからな。」
「分かったぜぇ!!必ず伝えるぜぇぇぇ!ありがとうなぁ!!」
2人はカレーを食べながら様々な話をし続けた。