10:目覚めておったまげ
「うーん。もう朝かな。」
わしが目を覚ますとなんとアーチ少年が隣で寝ていた。
「あわわわ。」
(天使がわしの隣で寝ている!まずいぞ!これはまずいぞ!!)
ドキドキしながら慌てているとアーチ少年が目を覚ました。
「おはよう。源五郎。いっぱい寝れた?」
「はっ、はい!いっぱい寝ましたぞ!!」
「じゃあ今から朝ご飯作るから待ってて」
(アーチ少年いい子すぎ!)
(異世界に来て慣れない事が続いてたから疲れてたんじゃろうな。
だからお腹いっぱいになってすぐに寝てしまったんじゃろうな。
それはそうと、この世界の事を少しでも知っておかなきゃなぁ。
あとでアーチ少年に聞くしかないなぁ。)
「はーい、おまたせ!源五郎!!」
「かしこまりぞい!朝食は何かな?」
旅館の朝食に期待するかのようなわし。
テーブルにつくとパンとサラダとトンテキのような肉がわしを出迎える。
「朝食から豪勢じゃな!このお肉はオーク肉じゃな!!」
「さすが源五郎!オーク肉だよ!じゃあ食べよう」
「弟よ!美味しいそうな匂いがするー。」
朝食を食べようとしたその時、ディーン少年が自室から出てきてアーチに言った。
「お兄ちゃんの分もあるけど、後で食べて!今は源五郎と朝食食べるの。」
「え~反抗期かな!いつもお兄ちゃん、お兄ちゃんって言ってたのに。」
「反抗期じゃないよ!お兄ちゃんはまだ体調悪いでしょ。部屋に戻って。」
「部屋に戻るから怒らないでー。」
そう言うと悲しそうな顔をして部屋に戻るディーン少年。
「源五郎。じゃあ、朝食食べよう。」
(オーク肉ってなんでこんなに美味しいんじゃろ!噛めば噛む程に肉の旨さが溢れてくる!うますぎ!まさに魔法肉じゃな!!このパンもふわふわで美味しいなぁ。サラダも新鮮でうまい!)
完全にアーチ少年の料理中毒になったわしは朝食を食べ終え、
アーチ少年にこの世界の事を聞く事にした。