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【完結】月琴伝  作者: 雲野 蜻蛉
殷秋史
3/403

蔡のお嬢、妖を捕らえんとす②



 ドォォォオオン!



 突然、静寂にくぐもったような大音が響きわたった。琴箭はすっかり思考を中断され、身を起こす。

 おなじく眠りを邪魔された鳥たちが、ギャアギャアと非難の声をあげるなか、松明のほうをみると、炎がはげしく行ったり来たりをくりかえしている。なんだかただならぬ気配がする。


「·····かかったんだ!」

 とっさに藪から飛び出すと、もうお構いなしに、炎の群がるほうへと駆け出した。



 蟻のように松明が連なるあとを負けじと追っていくと、そこには異様な光景がひろがっていた。

 巨大な丸太をつらねた筏が二枚、まるで咲くのをまつつぼみのように、暗がりのなかへ立ち上がっている。

 たったいまそうなったことをしめすように、その端と、たるんだいく本かの綱から砂が落っこちて、あらゆる方向から照らす松明の火のなかに、土煙として浮かび上がっていた。

 琴箭が思案し、地元の猟師数人が実現してくれた罠装置だ。


「やったか!」

「ああ、たしかに見た!」

「まさか間違いで人ではあんめぇな」

「んにゃ。たしかに二本足だったが、そもそも、こげな時刻にここいらをウロつく奴なんざロクなもんじゃねえ。旅人にしたって、とおる道は真反対だぞ」

「里の者にゃ近づかんよういってあるし、こりゃ、いよいよだ!」


 興奮する夜番たちの袖がひかれた。ギョッとしてみると、そこには、その様を仰ぎみる琴箭の姿があるではないか。大人たちは二度びっくりして、


「琴箭嬢ちゃん? いや、駄目だ、まだ近づくんじゃねえ!」

「おじさん、やったのね!」

「いや、だからそれはまだ──」



 ウォォォォオオォ───ン···!



「······なんだ? なんの音だ······?」


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