プロローグ
初めまして。Alinと申します。
趣味程度ですが始めようと思って投稿しました。
初めての作品です。
使い方などもまだまだ未熟ですが
少しでも楽しんでいただけたらとても嬉しいです。
砂埃が舞う戦場の中で冷たい風が頬を撫でる。
「はぁ やっぱり僕には人の血はキツいな」
果てのない世界が広がる視野には多くの人の
戦った悲惨な跡がある
(いくら敵とは言っても同じ人
見ていてあまり気分の良いものではないな。)
少し目を瞑って深呼吸してから移動しようと
思った時に誰かの足音が近づいてくる。
「やっと見つけたわ。
あなたのその服装とその剣。
ガウスの精鋭部隊。通称は青天の剣使いで合ってるわね。」
後ろから 淡々と言葉を発せられる。
その言葉に釣られながら振り返ると
美しい金色の髪を靡かせながら剣を持つ女性
がいた。
「うん。合ってるよ。そういう君は帝国の兵士さんかな?」
肩に数多の勲章がついていることや立ち姿から指揮官クラスのレベルであることは間違いない。
「そうよ。別に名乗りはしないわ。この剣を見せればわかるかしら。」
彼女はそう言って剣を鞘から引き抜いた。
「この剣は…君が天下の剣姫ということか。」
白銀の柄を持つ鋭い剣。世界で五本の指に入る名剣で名を帝剣アクティノと呼ばれている。
生半可な装備でその剣を受けようならば自らの剣ごと折られて死んでしまうような硬度と切断力があると言われている。
「えぇ。ここは戦場だしあなたが無防備だったから不意打ちしても良かったのだけど
私の性に合わないからわざわざ声をかけてあげたの。
それにあなた上位部隊の人間でしょ?全く周りを見ていないけど戦場を舐めてるのかしら。」
彼女の言は間違っていない。もし相手が不意打ちをしてきたらそのまま斬り伏せられていただろう。
「いや。目の前で人が命を落としていくのを見るとどうしても心が痛いんだ。彼らにも家族や親しい人がいるだろうし幸せに生きていてほしかったと思うんだ。」
「これは戦争よ。そんな甘いものじゃない。子供みたいな考えをしているのなら戦場に出てこない方がいいんじゃないかしら。」
戦争は悲惨だ。強制的に参加させられ拒んだ者や逃げた者たちは捕まって奴隷となるか処断される。そして戦場に出た者も散っていく。
「でも僕は軍の指揮を任せられているから逃げることもできないんだ。」
「笑わせないで。 あなた本当に指揮官?
しかも四天将ですって。正直残念だわ。
こんな弱そうで意志もない奴が軍のトップにいるなんてガウスも落ちたものね。」
「僕はこれ以上戦争の犠牲者を増やしたくないだけだ。
それにこの戦いでどちらの国が勝っても負けた国の人々は奴隷にされて強制労働させられたり面白がってに殺されるだけだ。
そしてその復讐心はやがて刃となって戦争をし始める。そんなの終わりがないじゃないか。」
元は王国も帝国も同じ国だった。だが王位継承の件で兄弟が争って弟が負けた。
殺されはしなかったが亡命先で実力をつけ国の帝王となった。
その子孫が脈々と初代帝王の復讐心を受け継いできた。元々仲が悪かったがある時に
帝国から戦争を不意打ちで仕掛けてきた。
そして今に至る。
「だからってその思いが何になるの?
この戦争であなたが勝ったところで王国と帝国で話し合いなど何もできないわ。
長年の対立から話し合っても平行線ばかり。
どう考えても主張同士が交わることはない。」
「君の目は強い意志を持っているけど
どこか悲しそうだ。君だって本当は何処かで戦争なんかしたくないと思ってるんじゃないかな。」
「なんですって?」
そう言って彼女は顔を睨みつけてくる。
「でも僕は軍でもそれなりの立場はあるし自分の思いを伝えれば王も帝国と話して」
ブンッ と剣を僕に向け言葉を遮った。
「もういい。興醒めだわ。剣を構えなさい。」
「そうだね。でも僕が勝ったら願いを聞いてもらうよ。」
「…口だけは一人前なのね。」
そうして僕と彼女は、戦場の中で乾いた金属音を響かせた。
初めての作品なので投稿してからとても緊張してます(笑)
繰り返し確認してはいますが誤字や脱字などがありましたら報告していただけると有難いです。
これから私と皆さん(あなた)で2人を見守っていきましょう!
Alinより