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隣りの席のよしこちゃん。

作者: 七瀬





1991年、10月27日。

私が小学校6年生の時に、隣りの席だったよしこちゃん。

よしこちゃんは、クラスで1番頭が良くてスポーツ万能

な女の子だった。

クラスの中でも、人気者でよしこちゃんを嫌いだという子

は一人もいない。

担任の先生にも、信頼されて! クラスの子達もよしこちゃん

を一目置く存在だったのに、、、。

よしこちゃんが、通学途中に見知らぬ男に連れ去られたと学校中

が大騒ぎになった。

結局、犯人は未だ捕まっていない。





・・・今頃、よしこちゃんは何処で何をしているのか?

勿論! 今も、生きていたらの話なのだが。




何十年経っても、未だ私はよしこちゃんの事を忘れられない。

クラスの子達には内緒だが、私とよしこちゃんの仲は、、、?

“お互いの秘密を共有するほど仲がいい親友”だった。



元々、よしこちゃんも私も他にも仲がいい友達はいたのだけど?

【親友】と呼べるのは、未だ私にとってよしこちゃんだけだ。

きっと、よしこちゃんにとっても親友と呼べるのは私だけだと思う。

私とよしこちゃんは、当時好きだった男の子がいた。

私とよしこちゃんは、同じ男の子が好きだった。

しかも、クラスの中でも地味で目立たない男の子。

他にこの男の子の事が好きな女の子はいないだろう。

私とよしこちゃんの好きなタイプが、他の女の子達と変わっていて

似ていたからかもしれない。




・・・気がつけば?

学校帰りに、私はよしこちゃんと一緒に居る事が多くなっていた。

小学校を卒業しても、私とよしこちゃんは中学校でも親友でいよう

と約束していたのに。

まさか!? よしこちゃんがあんな目に遭うなんて!?




 *



・・・大人になった私が、雨の日。

バス停で、バスを待ちながらよしこちゃんの事を考えていると?

真っ赤な傘を差した女の子がランドセルを背負って私の隣に座った。

私が、その女の子を見ると、、、?

よしこちゃんに横顔が似ている。

私は思わず、女の子にこう言ってしまった。



『・・・えぇ!? よしこちゃん?』

『・・・・・・』


女の子は、何も言わず真っ直ぐ向いたままだ。

もう一度、私が女の子に言った。


『・・・よ、よしこちゃんだよね?』


女の子は、私の方へ振り向きこう言う。


『迎えに来たよ。かずちゃん。』

『・・・えぇ!?』




・・・バスが止まった。

いつものバスより少し古びたバスのように私には見えた。


『さあ~! 乗ろうよ、かずちゃん。』


よしこちゃんがそう言うと、、、?

バスの中から、黒い大きな影のような人間の形をした者が

何体も出て行きて、強引に私を捕まえてバスに乗せた。

バスは、私を乗せると走り出した。



私を捕まえていた大きな影は、私がバスの中に入ると、、、?

あっという間に煙のように消えていった。

バスに残されたのは? 子供の頃のよしこちゃんと私だけ。

私は、子供のままのよしこちゃんに聞く。



『・・・私を何処に連れて行くの?』

『地獄よ。』

『・・・えぇ!?』




このバスの終点は、【地獄行き】。

もう後戻りはできないのよ、とよしこちゃんが私に言った。



『・・・どうして、私を地獄に連れて行くの?』

『ワタシが子供の時に連れ去られたのは? “死神”だった。

次は、ワタシの親友のかずちゃんの番よ!』

『・・・・・・えぇ!?』




・・・終点についたバスは、【地獄】に着いた。

バスのドアが開くと? 外から鬼達が私の首を掴んで針の山に投げ込んだ!



【ギャー―――――――――――!!!】


私の悲鳴がこだまする。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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