勇者に婚約者令嬢が寝取られたので婚約破棄の際にメリケンサックを着けて勇者の顔をぶん殴る話。
完全な思いつきです。
召喚勇者に恋人寝取られたけど修行先で可愛い師匠見つけてざまあだぜ...。
的な物です。そんなにというか全くイチャイチャ要素とかはないです。あしからず。
私の名前はアーサー・クロウガン。
このクロウガン帝国の第一皇子だ。
所謂皇太子である。
今魔王討伐記念のパーティーの最中だ。
そして勇者の隣には....
私には愛すべき婚約者がいた。
名をルシエ・カイルという。
1年前...。
あの出来事がなければ僕たちは夫婦になるはずだった。
1年前の異世界勇者召喚という出来事がなければ....。
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1年前
蒼い満月がとてもきれいな夜だった。
ちょうど150年に一度のとても珍しい日だった。
国民全員が祭りや宴で楽しんでいた一方、秘密裏にある計画が、
進んでいた。
その名は勇者計画。
聖国キルルスに居る聖女から事前に各国のトップ達に7体の魔王の出現が発表された。
各国の議会は大きく揺れた。
おとぎ話等でしか歴史上出たことがない魔王の出現だからだ。
しかし魔王の出現と同時に聖女はあることも通達していた。
各国の勇者召喚である。
この大陸にはちょうど7つの国がある。
クロウガン帝国
アサルス王国
サウルス王国
シャワール王国
ケロウン連邦
イスカラン合衆国
そして、
聖国キルルスの7つだ。
都合のいいことに魔王は各国に1体ずつ出現するらしい。
そしてそれに伴って勇者1人に対し、各国3人ずつ従者を出すらしい。
一人目は、この僕アーサー・クロウガン:格闘家
そして二人目は、アニル・ラルン:魔法使い
最後の一人はなんと...僕の婚約者ルシエ・カイルだった。
回復師らしい...
この3人は勇者の旅に同行し、予定や、最初の内は戦闘指導等も
するらしい。
そしてあろうことか、
あのクソハゲ狸...。(ハゲてて威張り散してて太ってるとか誰得だよ...)もとい現帝王デリス・クロウガンが魔王討伐の暁には勇者を帝王にするとか言い出したのだ!
僕は必死で抵抗したが結局覆されないまま当日になってしまった。
宮廷魔法使いが勇者を呼び出したその時...
凄まじい光が溢れ中から勇者が現れた。
勇者は最初困惑していたが、説明を受けているうちに状況がわかってきたのか、
少しずつ態度が横暴になってきた。
更に帝王になれるということを聞くとまるでもう帝王になったようだった。
そして従者として僕たちが呼ばれたとき、唯一男である僕が目障りの様だった。
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勇者が召喚されてから1ヶ月。
ついにこの国にも魔王が出現した。
そしてここから後に地獄になる魔王討伐の旅が始まった。
はじめの2ヶ月は僕的にも順調だった。
時に道行く人々を助け、時に村を困らせる強力な魔物を倒していった。
そんなある日...
旅の途中で寄った村が、魔王軍四天王に搾取されていることが
分かった。
魔王軍四天王ファイラールとの戦いは熾烈を極めた。
ファイラールが1000度の炎を放ちその度にルシエが回復し、
アニルが究極氷結魔法を放ち、勇者が聖剣で斬り、そして、
僕が鍛え上げた格闘技でファイラールをくるしめた。
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ここで僕の容姿について説明しよう。
母譲りのある程度整った顔。
母が父と子を成していなければ、もっときれいだったに違いない。
そして、鍛え上げた体。
とはいっても筋肉だるまのようでは無い。
格闘家の秘術によって緊密になった筋肉は周りから見ればただ、少し筋肉がありがっしりしている程度の人だろう。
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閑話休題
そんなわけでなんとか四天王ファイラールを倒した僕たちは村の宴に参加していた。
そして皆が寝静まった頃、何やら物音を聞いた僕は外に出た。
するとどうだろう、
ちょうどルシエと勇者が不倫の真っ最中だったのだ。
その時から僕...いや私は鍛錬の旅に出ることを決めた。
翌日、勇者達と別れた私は修行の度に出た。
私は強くなるために何でもした。
西に格闘の達人がいると聞けば、とんで行き、掃除・洗濯、料理、肩叩きまでなんでもした。
そんな生活をしていたある日、ある師に出会った。
師は言った。メリケンサックこそが格闘家にとっての最高の武器であると。
その時から私は変わった。
..
そして勇者が魔王の元まであと少しの所で私はほぼ最強になっていた。
ほぼというのは師がいるからだ。
そして勇者が魔王の元にたどり着いた時、魔王はもうすでに私が倒していた。
それを見た勇者はもう用済みだと言わんばかりに転移魔法で帰っていった。
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そして1ヶ月経ち魔王討伐記念パーティーで勇者とルシエが言った。
「私、ルシエ・カイルは第一皇子アーサー・クロウガンとの婚約を破棄する!」
「「そして、勇者只野勇希とルシエ・カイルの婚約を宣言する!」」
と。
その時、私の心に怒りが湧いてきた。
愛は失せたがやられたままではいられない、と。
気づけば私は、メリケンサックをはめ、魔王さえ屠った一撃を
放っていた。
「シュプリームメリケンサック!」
その一撃は勇者の顔に突き刺さり、きりもみしながら飛んでいった。
それを唖然として見る帝王とルシエを見て笑いながら急いで師の元に戻るとプロポーズをした。
師はエルフの女性で顔も性格もとてもタイプだった。
その後、二人は二人の男の子と一人の女の子が生まれた。
人とエルフは子供ができにくいというのに愛の力は偉大である。
私は十人の孫に囲まれて穏やかに暮らした。
今でもあの時に使ったメリケンサックを見ると遠い記憶を思い出す。そして今ではこう思う。
ああ、あれは私の人生に必要なことだったのだ、と。
汝隣人を愛せよってことです。




