第九十七話 ブリ参戦
焼けた肉を頬張りながら
懇願するブリッペ。
もう食いながらって時点で
大分ふざけているな。
「おながいしまふ
ブリッペもふれってって」
「らめ、自分でなんとかして
かへって」
ミカリン
お前も食いながら喋るなよ。
同類だぞ!
・・・・。
同類か。
いいのか
「ウルかラハがその内来るだろ
その時に引き取ってもらえ」
自分でゲートを開けられない。
開けられる人が来るのを
待つしかないのだ。
「帰るにしてもブリッペのところには
ウルポンもラハッチも来てくんない
気がするの。ミカリンのトコロ
必ず来てくれるじゃない」
分かってるじゃないか。
つか、受肉で行けと言った時点で
完全に見捨てているワケだ。
きっと、ブリッペの所には来ない。
「だから、それまで置いて
役に立つからぁ」
性奴隷としてなら
まぁ
うん
そうだな
大いに
大いに
「ありがとう。変わるね
あなたも食べて」
ブリッペはそう言うと
焼きを担当しているアルコの
元まで行ってそう言った。
「えっ・・と」
どうしたものか
判断に迷ったアルコは俺を見る。
俺は頷いてアルコも食べなさいと
促した。
こいつの事だ。
どうせ焼き過ぎて肉とは
呼べないダークマターを作成するか
薪を足しすぎて火柱を上げ
前髪を焦がし悲鳴を上げるだろう。
俺はウォーターシュートの準備をして
直ぐに消火出来るように様子を伺った。
そして
それは杞憂に終わった。
ブリッペ
こいつ料理上手い。
準備した肉
切れ目を入れ損ねた筋
スパイスのまぶし足りない場所
逆に多くダマになった場所
これらの下準備不足を
キチンと処理してから
火に掛けている。
焼き具合も部位によって
時間を分けていた。
なにより、その動作に
不慣れなおぼつかなさが
一切見受けられないのだ。
一連の動作が流れるようだ。
「ブリッペ・・・お前、
もしかして料理上手なのか」
水と愛を司どる天使だったはずだが
・・・。
ああ
もしかして
料理は
「愛情に関する事はね
なんでも上手だよー」
「採用。」
こいつは使い道がある。
「やったぁ」
「ええーーっ!!」
俺の判断に断固抗議してくるミカリン。
「じゃあ、こいつが不要だと言える程
料理を替わりにしてくれるんだな」
「ぐぅ」
この食うだけ天使め
思えば、これまで身近な女性は
皆、ずぼらで食うばっかり
一人前なやつばっかりだった。
ヴィータも
プリプラも
ババァルも
ゲカイちゃんも
ミカリンも
どいつもこいつも
男が台所に立っているのに
何も感じていない。
九州に生まれていたら人権ないぞ。
ハンスやヨハンなんかは
良く手伝ってくれたなぁ
なのにこいつらと来たら
フォークとナイフを持って
両手を小刻みに
上下させているだけだった。
クズめ
女のクズめぇ
その点、アルコは偉い
最初は出来なかったが
頑張って覚えた。
乙女なら大好きな男子に
ついて行くためなら
泥棒だって覚えるモノ
ですよね
宮崎さん
『・・・ゴメンあそばせ』
ああ
幻聴ババァルも恐縮してしまった。
いかん
そんな怒ってるんではないのですよ。
料理好きだし
ただ
やっと
もしかして初か
料理上手な女子
貴重だ。
逃してなるものか
「・・・ぬぬぬ」
まだ納得いっていない様子のミカリン。
つか、お前こいつ同僚だろ
なんで今更一緒を嫌がるんだ。
「ラハかウルに引き取って
もらうまでは仕方ないだろ」
「・・・分かった」
分かってない様子でそう言うミカリン。
アルコは早速ブリッペの焼いた肉に
かぶりついて驚いていた。
「焼き方ひとつで、こうも変わるのですね」
これだ。
この娘の学習能力を見習えミカリン。
「ふふ、それにねー直属の神様がね」
焼き上がりを追加しながら
ブリッペは機嫌良さそうに言った。
「台所の神様なんだよ。
その恩恵が大きいね」
12柱の一番下の神様か
そのすぐ上がヴィータだったな。
「なんて名前の神様なんだ」
プリプラから
すっごい最初の方に聞いた気がするが
多すぎて覚えていないのだ。
「レイノヒモ様。親しい人は
みんなレイちゃんって呼んでるよ」
皆が満腹になったようなので
残りの肉を焼け次第ストレージに
しまい込む作業に移った。
食後のお茶を楽しみながら
ブリッペには早速パーティに
入ってもらい
恒例のアモンチェックだ。
Lv:1
名前:ブリ
種族:人間
状態:バカ
バカって・・・・。
俺はフリックしてみたが
チェンジする気配は無い
レベルアップでなんか開放されるのを
待つしかないか。
魔法の欄を見てみると
この前教えたウォーターシュートは
もちろん初期の僧侶系呪文が揃っていた。
俺と被るな・・・。
でも、助かるか
回復おれだけだったもんな
俺が麻痺ったりした日には
一気に全滅コースだった。
それがひとまず回避された。
これは大きいが
うーん
体はともかく
脳みそがな
頼りにしていいものかどうか。




