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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第九十四話 変身!三半機関

主天使ドミニオン

二対四枚の翼を持ち

対悪魔の戦闘における主戦力。

天使軍の一般兵だ。

元の世界では能天使にあたる

役割と能力だ。


「こんなもんかな↑」


軽く性能を確かめたミカリンは

あっさりと言った。


ドーマから南に1時間ほど車を

走らせ、街道から外れた草原で

俺達はテストを行った。


ミカリンのテストに

俺は悪魔騎士デモナイトで相手した。


悪魔騎士デモナイト

外見は前回のアモンを

ちょっと細マッチョにした感じで

酷似しているが、能力は程遠い

降臨の岩山でフィーバーしてた

観衆がコレだ。

役目は悪魔側の主戦力。

悪魔軍の一般兵だ。


レベルも状態も互角での手合わせだったが

一方的にボコられた。

戦闘経験の差が出る。

実戦で剣を振るって来た回数がケタ違いだ

付け焼き場の魔王剣術では

ミカリン相手には

直ぐにメッキが剥がれた。


同じマシンで同じ教育を受けても

相手がベテランレーシングドライバーだ。

同じタイムで走れるモノでは無い。


「こんなもんかな↓」


俺は諦め口調であっさりと言った。


俺は疲れたから休むと言って

アモンキャリアに潜り込んだ。

簡易ベッド広げ横になる。

人化すると、アチコチ痛い。

悪魔状態でのダメージも

人化に合わせて人のダメージになる

悪魔の痛覚と違って人のは堪える。

俺はストレージから僧侶用の短杖を

取り出すと、すぐさま回復を行った。


静かな場所だ。

外の話声が聞こえる。


「お見事です。流石はミカリン

あのマスターを手玉に取るとは」


アルコは敬服しながらそう言った。

しかしミカリンは面白く無さそうに答えた。


「うーん、アモンの強さって

こういう勝負じゃ生かせないんだよね

ここでいくら優位でも実際に戦うとなると

今の戦闘・・・何の役ににも立たないよ」


なんだよ勝ったクセに不満そうだな。

俺TUEEEEって喜べよ。


「以前、言っていた企み・・・ですか」


「うん、訓練は勝利したら負け」


「文としておかしいです。」


最近のアルコは色々勉強している。


「あはっ細かく言うと

負けた方は未熟な部分

改善すべき場所を特定出来て

次に勝つ為にどうしたらいいのか

鍛える方向性が見えて来る。

勝った方には、それが見えない。

訓練は強い相手から学ぶのがお得

負けた方が得るモノが多いんだ

これって勝ちだよね」


「なるほど・・・。」


そうなのか

悔しく惨めなだけだったんだが・・・・。


「それに、実戦になれば

アモン相手に

こう、うまくはいかないよ。

つか、させてくれないでしょ。

まず相手の有利な状況にさせない

僕が相手の場合なら剣を抜けない

空を飛べない状況に持ち込むよ

その上で魔法の壁の向こうから

突然の夕立の様な魔法の波状攻撃が・・・。」


「想像したくないですね。」


かわいいお前たちに

そんな事しません。

・・・・

怒った時以外は


これ以上ほっとくと

何を言われるか分からん

まだ痛みの残る体に鞭打ち

俺は外へ出た。


「お待たせーじゃアルコいってみようか」


アモンキャリアに積んであった

伸縮性の高いシャツとショートパンツを

アルコに手渡して俺は言った。


「マスターこれは・・・。」


「人化した時、ほら」


アルコは理解して

服の後ろ前をおぼつかない様子で

確認しながら着用方法を

聞いて来た。


「左右どちらの手から通すのですか

それとも頭を通してから手ですか」


服を着る習慣の無いベアーマン。

鎧と違って分解出来ない服の

着かたが分からないか。


俺は目の前で着たり脱いだりを

繰り返して見せた。

ここで気を使って俺は

脱ぐ時は首まわりから引っ張る

男性式ではなく

腕をクロスさせて胴周りを掴む

女性式で実演して見せる。

なんでだか知らないが

男と女でTシャツの脱ぎ方が

異なるのだ。

出来るだけセクシーに見える様に

クネクネしながらやった。


「出来ました。」


最初はぎこちなかったが

数回繰り返すとアルコは

着方と脱ぎ方をマスターした

俺がクネクネしても気持ち悪いだけだが

アルコの成熟ボディだと

破壊力がある。

こういうアメリカ女性いるよね。


これで人化の際も俺は

鼻血を出さずに済むだろう


キチンと失敗から学んでいるぞー


獣人←→人


これは問題無く出来た。

ただアルコは神妙な面持ちで

言って来た。


「人とはこのような脆弱な体なのですね

マスターもミカリンもこの体で

バングに立ち向かっていたとは・・・。

頑丈な体に恵まれていたにも関わらず

怯えマスターに保護してもらっていたなど

自分が恥ずかしいです。」


分かっている。

思い知る

全く違うのだ。


「人化にはメリットが無いですね」


五感の鋭さ・筋力・爪や皮膚の丈夫さ

これらが劣る人状態は

いたずらにアルコを不安にさせるだけだった。


ただそれは戦闘においての事だ。


「ちょっと字書いてごらん」


俺は人化状態のアルコに

例の記録帳を渡してそう言った。


「あっ書きやすいです」


「ちょっと紐結んでごらん」


「あっ簡単に出来た。」


薄い皮膚、細い指、柔らかい爪

これらは戦闘には心細いだろうが

それ以外の生活、文化において

比類無き便利さを発揮する。


薄い皮膚は微妙な段差を感じ取り

細い指と適度な硬さ厚さの爪は

鍛えれば米粒にだって字を書く程

繊細な動作を可能にするのだ。


「人間、ずるいです」


「向き不向きの問題だ。

今のアルコはもっとズルいんだよ」


戦闘時は獣人

文化活動時は人


「はい。ズルいですね」


すごく喜んだ顔だ。

アルコはエルフの里からずっと

分厚く鋭い爪をなんとかしながら

字を書いて頑張っていた

それでも限界はある。

元々器用なエルフと比べて

劣等感がきっとすごかったに違いない。


「良かったな」


「はい。嬉しいです」


「よし、それじゃベアーマンいってみるか」


獣人→ベアーマン


これは初だ。

獣人状態にしてから

俺は念のため服を脱ぐ様に言う。

もし、通常のベアーマンサイズに

なってしまうのなら。


「あっ破けますね。絶対」


アルコも気が付いたようだ。


「でも、破けながら変身の方が

カッコ良くない?」


ミカリンが提案してきたが

俺は制した。


「その意見には賛成だが

経済的な問題があってだな」


どっかの世紀末救世主格闘家は

毎回、革ジャンをダメにしていたが

次の週では普通に着ていた。

どうやって補充していたのだろうか。

一説によると、取り巻きの小僧の

背負っているやたらデカい袋の

中身が全て予備の革ジャンだと言う。


「・・・お願いします。」


気持ちを落ち着かせたアルコが言った。


「ようし、行くぞ」


俺はメニューをフリックした。

CGのモーフィングの様に

アルコは毛が生え、強大化し

1秒程度でツァツァ言いそうな

例の生き物に変身した。


予想通り、大きさも普通のベアーマンだ。

俺はきっと見たがるだろうと予想し

持って来ておいた鏡を手渡してやる。


変化した自分の腕や足をキョロキョロと

確認していたアルコは

俺の差し出した鏡を受け取り

意を決して顔を写し見た。


「あ・・・ああ」


泣き始めるアルコ。


こう生まれていれば

味わわずに済んだ過去の

様々な出来事。

きっと何度もこれは夢で

醒めれば普通のベアーマンの自分に

なっていると思い

起きる度にガッカリした日々があるのだろう。


「良かったね」


ミカリンも、もらい泣きしている。


「そうだな」


アルコの肩を抱いてやりたいが

うーん

届きません。


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