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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第九十三話 蕎麦煮てくれる


俺はデビルアイで4人の容態を

改めて確認して優先順位を

決めてから人化した。


ストレージから僧侶用の短杖を

取り出しマリーの傷を治す。


もう影響は無いハズだが

マリーはまだワナワナと震えていた。

何か言おうとしているようだが

言葉になっていない。


マリーの次はモナだ。

意識不明なのに立っている所から

三半規管と小脳の運動部神経は

マナに関係無く機能している事を

伺わせた。


モナには単純にMP譲渡で良いだろう

バゼルが中々の魔力量と評価していた。

ほぼ0の状態から満タンで

俺がどの程度減るか見たかったので

ステータス画面を開いてから

行った。


「アフっ・・・はぁ」


魔力が回復すると意識も即戻った。

すると今度はよろけて

転ぶ前に座り込む回避で

転倒を免れるモナ。


「こ・・・これは」


座り込みながら自分の両手の平を

眺めるような仕草で

モナは自身に今起きている事に

驚いていた。


「俺のMPを譲渡している。

満タンになったら言え」


「へっ・・・・ひあ

はい、ああもう大丈夫です」


「遠慮するな、これも実験だ。

満タンまで入れないと意味が無いんだ」


「ほ本当にもう多分一杯ですぅ」


確かに魔力の流れに抵抗を感じる様になった。

パーティメンバーでないので

相手のゲージが見えない。

本人も開けないので

感覚でしか魔力量を把握出来ないのだろう

恐らく満タンになっている。


うーん。

これで大した魔力量ねぇ


俺のゲージはちっとも減っていない

壊れてんのかな

少しは減っても良さそうなモノだが


これは怖い

ガソリンメーターの針が

壊れて全く動かない車。

後、どのぐらい走れるのか

いつ給油すればいいのか

予想不可能だ。

北海道の人なら耐えられない恐怖だ。


「ゲフぅ本当にもうやめて」


「おっと、済まない」


苦しそうになり始めたモナに

気が付き俺は譲渡を停止した。


「具合の方はどうだ」


「気分がすぐれません」


一瞬で悪魔に魔力を

全部もっていかれたと思ったら

今度は短時間で他人から魔力を

過剰供給だ。

出血・輸血で考えたら

無事な方がおかしいだろう。


念のためデビルアイで

再走査してみたが

問題は無かった。


「ショックによる一時的な症状だ。

後遺症などの心配は無い

安静にしていれば落ち着いて来る」


「・・・はい」


さて、後の二人か

そう思って踵を返す俺に

後ろからモナが声を掛けてきた。


「あのっありがとうございます」


俺は振り向かず手を上げて

返事代わりにした。


この二人は気絶しているだけだ。

もう起こしていいだろう。


「セッセッ」


指揮者の様に腕を振り

静電気セーターを放った。

電導率が高く一番近いモノを標的に

するはずなので

これで当たると思ったのだ。


「びゃっ!!」

「ヒィ!」


見事二人に命中し

二人は跳ね起きた。


「ヒドイっす」

「痛いじゃないか」


黙れ役立たず共が


二人は文句を言って来たが

俺は取り合わわず

「世話になった」とだけ言って

去ろうとした。


何が起きたのか説明を求められたが

面倒なのでマリーに聞けと言って

そのまま魔導院の建物から

出て行った。


「なんか来なきゃ良かったな」


でも収穫も多い

ここ十数年の様々な研究成果は

役に立つ事間違いなしだ。

それが目的だったのだし

それでイイだろう。


仲良しごっこをしに来たのではない。


もう日は大分傾いて来た。

バゼル騒動より

資料を読み漁った時間が大きい

夢中で読んでいたので

時間の感覚がズレた。


「そう言えば昼メシ食ってないな」


車まで戻ると

そこにはミカリンが佇んでいた。


「おかえり」


「パレード終わったのか」


「うん」


「アルコは」


「まだ食べてる。

屋台全種食べるって言ってたよ」


その言い方だと屋台そのものを

食いそうだな。


「そっちはどうだった魔導院」


俺は後頭部を掻きながら

どう言ったモノか迷った。


「んー。大惨事を引き起こした」


「えーっ」


「やっぱりさぁ、俺

お前が傍にいてくれないと

ダメかもしれんな」


思えばミカリンは

いつも良いタイミングで

俺を制していた。

それに甘えた・・・というか

無自覚だった。


返事が無い。

ミカリンを見てみると

なんか、変な表情で固まっていた。


何か言えよ。


ミカリンは再起動し

やっと返事をした。


「分かった。ゴメンね

傍にいなくて。今度からは

ちゃんとついて行くね」


「いや、謝る事じゃない

行けって言ったのも俺だし」


「うん、でもゴメンね」


そこに両手一杯、ファストフードを

抱えたアルコが現れた。


「遅くなりました。」


漂う匂いに俺の腹が鳴る。


「なんか分けてくれ

お昼、食べて無いの

お茶すら出なかったの」


俺がそう懇願すると

アルコはちょっとだけビックリした顔になり

その後すぐ笑顔になって答えた。


「どうぞ、お好きなものを」


かわいそうにと

俺はアルコから恵んでもらい

食い物にかぶりついた

味は濃かったが空腹という

最強の調味料はそんな事を

些細な事に変えてしまう。

夢中で俺は食った。


満腹になった後は

迎賓館にアモンキャリアを走らせる。


迎賓館はひっそりとしていた。

留守番の職員から

今日は夕飯が出ない事を伝えられた。


広場でそのまま大宴会だそうで

王族・政府関係者と一般国民が

入り混じって飲んで食って騒ぐそうだ。


なのでココも人気が無い

留守番しか残っていなかった。

みんな出払っているのだ。


そんな時に留守番なんて

可哀想に

もし俺達が原因なら

今日は外泊すると申し出たが


「いえ、それがですね」


留守番の人は賑やかなのが苦手な人だそうで

むしろ喜んで留守番しているとの事だった。


国民性は確かにあるが

全てが該当するワケでは無い。

この人もそうなのだ。


お礼を兼ねたヒマつぶし用にと

俺は昼間、書店で入手した本

その中から、読んだ事ない物を

聞き出し、該当した本を手渡す。


最初は偉く恐縮し断ってきたが

貸すだけ、読み終わったら

感想付きで返してくれ

これも調査なんだと言い包めると

やっと受け取った。


損な役回りを引き受けたのだ。

そのお陰で得した。

そんな何か特別良い事が

起きたっていい。


夕飯は俺も含め

皆、屋台のものを食ったばかりだ


「ストレージの肉が尽きているし

夜、郊外で例のテストついでに

何か狩るか」


俺は何気なくの提案だったが

二人ともやる気満々だ。

状態変化を試したくて

仕方が無かったそうだ。


俺と違って見た目の変化を

止める事が出来ないため

うっかり変身すると騒ぎになってしまう。

念のため二人とも未許可にしていた。


俺達は留守番に郊外で

夜戦の訓練をしてくる旨を告げ

ガレージに回り

久々にアモン2000を連結した。


「ようし、行こうか。」


「はい、マイケル」


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