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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第八十八話 俺の名は

「これは・・・雷撃系?!」


他の何だって言うんだ。

やたらとマリーは驚愕していた。


「驚く事か?」


狼狽えっぷりがハンパないマリーに

聞く事を諦めた俺は

眼鏡っ娘の方に聞いた。


「使い手が極端に少ないっす

戦闘でも使用出来るレベルになると

ストレガ様だけっすよ。

まぁその魔族の王様とやらで

二人目ですが、確認していないので

本当に魔法なのかどうなのか

なんともなんすけど」


ここでマリーが復活した。


「フッそうよね。この程度の

雷撃なら驚く事じゃないわね」


いちいちカチンと来る県(石橋県)

な奴だなぁ

頭に来てる俺は分別無いぞ。


部屋の中に吊り下げられている

バングの仮面を標的設定して

雷撃ボルトをぶっぱなす

圧縮言語を用いた高速仕様なので

威力は落ちるが、この場合の脅しには

これで十分だ。

詠唱を邪魔される方がカッコ悪いと思った。


凄まじい音と光だった。

自分でもビックリした


瞬間的に表れる紫電の輝く大蛇は

仮面に襲い掛かり弾け散る。

例によって仮面に魔法が通らない

仮面は破壊される事無く

激しく揺れ、吊り下げている

一部の鎖が千切れ暴れた。


「この程度だとどうだ?

杖有りならもっとイケるぜ」


耳がツーンってなって

自分の声も良く聞き取れないが

努めて平静を装い俺は言った。

唱えた本人がビビッていたら

恰好が付かない。


匂いも凄い

屋外と違って篭るので

独特の匂い

オゾン臭っていうの

それが鼻孔を刺激した。


目もチカチカしてるので

良く見えないが

直ぐに視界は回復して

惨状を認識する事が出来た。


大惨事だ。俺は

二度と屋内では使用しないと誓った。


「ふ副長ーーー?!」


マリーは倒れていた。

いや、マリーだけでは無い

部屋の中にも数人いたが

みんな倒れ伏している。


魔法の炎

火球ファイアボールは標的以外に

引火しないが

魔法の雷は標的に当たるまでは

感電しないが命中した後は別の様だ。

命中後の放電が指定外になるのか

魔法の雷が自然現象の電気を呼び込むのか

要検証だが

どちらにしろ、近くに味方がいると

使いにくい魔法だ。


火系の特徴を鵜呑みにして

初めの頃はナリ君の精度を

疑ったが、これは俺でも同じだ。


いかん

部屋のアチコチで火の手が上がり始めた。

俺は急いで消火活動に入った。


一通りウォーターシュートで

消化し終えると、次は救護だ。


倒れている者に手あたり次第

中級デビルアイで診ていくが

ダメージを負った者はおらず

皆、ショックによる気絶だった。


ストレージから馬車用の幌を

取り出すと床に広げ

そこに並べていく

万が一の嘔吐で窒息しない様に

皆、横向きで並べた。


この作業は眼鏡っ娘も手伝ってくれた。


人って重たい

特に力の抜けた状態だと

何処持っても負荷がすごいので

結構、腰に来る。


朝、筋肉痛の治癒をしたのに

また痛みが復活した。


煙と匂いを出す為

眼鏡っ娘は高い位置にある

換気窓を開ける為に

繋がった鎖をヨットマンの様に

ジャラジャラと回した。


直ぐに外の空気が入って来て

とても気持ち良い。

シャバの空気はうまい。


一仕事終えた俺は

幌の端っこに座り込み

ストレージから飲み物を

二つ取り出し休憩だ。


窓を開け終わった眼鏡っ娘も

俺のトコロまでやって来た。


「ご苦労。」


そう言って飲み物を眼鏡っ娘に

投げて渡すが

運動神経に優れない人の様だ

受け止め損ね、転がしてしまう。


中身が出なくて良かった。


慌てて拾うと、怪しげに

竹で出来た容器を眺める。


俺は安全を証明するのと

開け方の見本になるように

眼鏡っ娘の目の前で開けて

飲み始める。


眼鏡っ娘も疲れたのか

俺の隣に座って喉を潤した。


「これとかシートとか

どこに隠し持ってたんすか」


つか

お茶すら出さないなココ

自前かよ

ちくしょう。


「そう言う魔法だ」


ストレージは魔法では無いが

説明が面倒くさいので

それで通そう。


「それにしても師匠、何者っすか

お名前伺っても良いすか」


「いいけど、お前は」


ここの連中はみんな

与えず、得るばっかりなのか

名乗れよ。


「あースンマセン失礼っすよね

自分はクフィール言います」


俺は素直に名前を言った。


「えーソレまずいっすよ。

その偽名は副長、激おこプンプン丸っすよ」


「て言われてもなぁ、本名だよ」


クフィールの話によると

もはやストレガ教といえる程

陶酔している者が多く

副長のマリーはその筆頭だそうだ。

血のにじむ様な努力で

技を魔法を磨き

その地位を勝ち取ったそうだ。


「あのお方の一番傍に居るのは私」


多分、マリーのものまねで

言っているのだろう。

変な調子でクフィールは言った。

俺は冷淡なマリーしか見ていないので

似ているのかどうか分かりかねた。


ストレガの登場は

産まれながら運悪く

魔力に恵まれた者達にとっては

正に救世主だった。


魔女狩りが当たり前だった世の中で

彼等彼女等はひっそりと生きていた。

その力を呪い、罪悪感に苛まれながら

ただひたすら影に隠れて生きていたのだ。


それがストレガの登場で

世界は一変した。

処刑を恐れず、日の当たる世界に

出られたのだ。


その神格化したストレガの

行方不明の兄の名を語る不敬者

許せるハズはない。


「偽物だと分かっていても

噂を聞けば居ても立っても居られず

確かめに行っては落ち込んで帰って来る

その繰り返しっす。」


その姿に信者達はみんな

心を痛め、役に立てない自分を

呪うばかりだそうだ。


「そこまで聞くと、俺が悪いな」


「だっしょー名を騙るの止めてくれるっすか」


「ゴメン。だから本名だって」


「分かんない子っすねー」


「こっちのセリフだ。バカヤロウ」


全世界のゼータ・アモンにイイ迷惑だ。


「ふふーん。暴く事だって出来るんすよ」


なんだそれ


「おう、やってくれ。

俺の潔白を証明してくれよ」


真名看破の魔法でもあるのか。

思えば戦闘系ばかりに注力して

生活系とか走査系とか

全く手をつけていないのだ。

手本があれば習得も遥かに楽だ。


俺は期待してクフィールの

いいなりになったが

途中で分かってガッカリする。

クフィールのやろうとしているのは

相手の心拍とか

体表の電気の通り具合で

汗をどの位かいているか

などを測る魔法。

要するにウソ発見器魔法版だ。


「全て、いいえでお答えくださいっす」


「いいえ」


引っかかるか。

元の世界でも基本だ。


「・・・やるっすね」


何がだ。


「いいえ」


ここからの流れも定番だ。

性別を二種類聞いて

正解時と嘘をついた時の

その変化を見て取り

本命の質問時に同様に

反応するのかどうかで判定するのだ。


そして測定が終わった。


「そんな・・・本当に

ゼータ・アモンって名前なんですね」


「いいえ」


驚くのもいいが

早く終了宣言しろ

嘘が苦手な俺には

結構きついぞ。


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