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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第八十六話 パレード前

午後はパレードを予定しており

魔族は皆、忙しそうだった。


その合間を縫ってルークスは

グレアを伴って現れた。


教会まで連れて行く約束なのだ。


パレードは遠慮したいと申し出たが

元々車に乗せる予定は無かったのか

あっさり快諾された。


心配していたネルドに関しては

陥落した様子はなく

昨日のバングはいわゆる

「はぐれ」との見解だ。


「よ・・よろしくお願いします」


アモンキャリア

その設備の説明はミカリンが

してくれた、初めて見る乗り物に

必要以上にグレアは警戒していた。


それをチャンスとばかりに

ルークスはそっと書状を

差し出し、俺に耳打ちしてきた。


「実はですな。戦利品の事なんですが・・・。」


戦利品

昨日、倒したバング。

それが残した三つの仮面部分の事だった。

一つはベレンに

一つはドーマに

残り一つは魔導院が持って行ったそうだ。


「それを貸しにと言っては何ですが」


視察

その為の面会が許可されたそうだ。

この書状がその許可証だ。


俺の希望を覚えていてくれた事が

純粋に嬉しく

俺は普通にルークスに礼を言った。


「しかし、面接って・・・。」


仲間にしろと言ってるのでは無い

建物の中を見せてもらうだけなんだが


「ふむ、どうやらですな」


ルークスの話によると

魔導院の中は教会の様に

特殊な結界が張られた場所で

人によっては害を成したり

また、その逆に魔導院にダメージが

入ったりしかねないらしい。


本当にそうなのか

警備の為の方便なのか

それは分からない


まぁ行ってみれば分かるだろ。


「ともかく感謝する」


俺達はルークスに見送られながら

アモンキャリアを出発させた。


主要な道路は既に大勢の兵が

ロープを張ったり

通行止めの箇所を設定していたり

混雑していた。


勤務によっては

初目撃なのかアモンキャリアに

悲鳴を上げる者がたまにいて

楽しい。

俺は笑顔で挨拶しながら

人を轢かない様にゆっくりと

教会へ向かった。


人間街にくると

流石にここは行進しないのか

コースでは無い様で

道路は普通の状況になった。


教会に着いたので

車を停めると

客車からミカリン、アルコ

そしてグレアが下りて来るが


「んん?」


グレアは既に大泣き状態だ。

事前に事情は説明されていたのだ。


「ゴメーンなだめたんだけど・・・。」


ミカリンが困った笑顔で

俺に言った。


元々人殺しなんて

出来る性格じゃないのだろう。

裏を返せば

妹が大事なのはもちろん

そう言う人にそこまで覚悟させてしまう

デリケートな問題と言えた。


俺は扉をノックした。

直ぐに開いた。

扉の向こうで今か今かと

ずっと待っていたのだろう。


出て来たゲッペも

同じだった。


もう既に泣いている。


ルークスの采配で

こちらにも事前に同じ内容が

伝えられていたのだ。


問題は解決していて

事務的な事はもう無いのだが

気持ちの問題がある。

それをしてこれなかったのが

今回の事件の原因でもある。

思えば

ゲアがあんな感情的に嘆くのは

珍しい事なのだろう。


「どうしてうまくいかない」


互いに歩み寄る二人は

お互い言葉にならない謝罪を

口にして、抱き合って泣き始めた。


殺したい程憎い相手

死ねばいいと蔑む相手

これらを抱えて生きている人間

居なくは無いが

そんなには居ないハズだと

俺は思っていた。


眺めるのも悪い気がして

俺は車の辺りまで少し下がった。

ミカリンも同じようについてきて


とんでもない事をいいやがった。


「ね。で、どっちをハーレムに

入れるの?もしかして両方?」


「グ・・・いや、そんな事思ってないぞ

不謹慎すぎないか」


目が輝くミカリン。


「今今今グレアって言いかけたよね。」


「言ってません。」


ただ

あの白い頂きにはロマンを感じる

事を禁じ得ない。


登りたい

あの

頂きに


二人が落ち着いた所で

皆、中に入り

俺は二人に念を押しておいた。


「いいですか。

暗殺未遂事件なんて無かった。

これは重要ですよ。」


二人とも頭を下げて礼を言いった。

特にゲッペはすんごい祈りだ。

俺達をウルの使いだと

本気で信じているからだろう。


ダメージが入らないハズの

完全人化なのに鳥肌が立つ

悪魔状態でコレを食らえば

間違い無く消滅してしまう。

その位すんごい祈ってる。


ハーレムじゃなくて

僧侶として

戦闘用員として

パーティに入れたいぐらいだ。


しばらくゲッペと話しがしたいと

グレアが言って来た。

歩いても帰れる距離だし

様子も問題なさそうだったので

俺達はグレアを残し教会を後にした。


「ね。レベルアップの色々

外出て試さない?」


三半機関だけになったトコロで

早速ミカリンがそう言ってきた。


「ですね。やってみたいです」


アルコも乗り気だが

俺は制した。


「昼は人通りが多い

郊外でも目撃される危険が

段違いに高い、夜にしよう」


「んーそれもそうかー」


聞き訳の良いミカリン。


「では、パレード見学ですか」


代わりに何をするのか気になったアルコ。


「そうだな、自由でいいだろ。

俺は魔導院に行ってみる。」


「あーなんか書状をルークスから

貰ってたもんね。それかー」


ミカリン。

気付いていたのか

恐ろしい子。


取り合えず近くまで行って見る事になった。

建物の大きさとして

この都市で一番規模が大きい

これよりデカいのは

ベレンの教会ぐらいだろう。

ローベルトの屋敷や

俺達の宿泊している迎賓館よりも

大きく、また特殊な建物だ。


野次馬根性に火が付く珍しさだ。


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