第八十五話 男子の朝
鼻血が止まってから
自室に戻り、
ナリ君のステータスチェックをして寝た。
ナリ君もレベル50だ。
もしかしたら、ここからは
何かしらの条件をクリアしないと
上がらないとかじゃないだろうな。
考えようとしたが
眠気に負けて
横になったら落ちる様に睡眠した。
尿意で目を覚ました。
窓から入る光は薄暗い
早朝のようだ。
トイレに行ってまた寝よう。
起き上がると筋肉痛に驚く
槍の稽古のせいだ。
次の日すぐとか
やはりこの肉体は若い。
半分開けた目でトイレの場所を
思い出しながら移動し
用を足そうとして
困った。
宝具がフルチャージだ。
やはりこの体は若い。
尿意も限界だ。
しかし、
この角度でぶっ放すわけにはいかない
最悪、セルフ顔射だ。
なんとか便器に向かう用に
色々体勢を変えて
最終的にガウォークみたいな
状態になってやっと便器に
銃口を向ける事に成功した。
勢い良く
そしていつまでも出てる。
「ふぃいいいいい」
年食うと若い肉体を切望するが
これはこれで大変だったなぁ。
酒が美味しく味わえる大人の
体になりたい。
片手は銃口を目一杯下に
舵を取っている為
超前傾姿勢を
残りの片手で支えなければならない
結構負担だ。
プルプルしてきた。
急ぐあまりキチンと中心部を掴めず
ジリジリと傾いていく
いかん!
このままでは
「くそっまだか!長くはもたんぞ」
「もう少しだ。ガンバレ」
右手と左手のアフレコして遊ぶ
脳と口はヒマなのだ。
膀胱の膨張が収まって来るに連れ
俺の宝具のチャージも納まってきた。
「遅すぎだ!今更、何だって言うのさ」
左手のアフレコである。
「いや、助かったコレで
前傾を解除出来るぞ。
船体起こせー!ヨーソロー」
右手のアフレコである。
アレかね。
膀胱の圧迫がスイッチでも押してるのかね。
だから収縮と連動するのかもな。
・・・・。
「膀胱に暴行されると言うのか
ハイこれも封印」
ふーっ
スッーっとした。
最悪の事故を無事回避できた。
俺の体チームの連携の賜物だ。
「よし任務終了。布団に帰還する」
そう言って。
さわやかな気持ちで振り返ると
閉め忘れた扉
というか一人なので閉める気が無かった。
その開いた扉の向こうで
ミカリンが顔面蒼白になって
俺を見ている。
「・・・何・・・してるの」
「男子の朝の儀式だ。」
もっと詳しく教えてやろうか。
俺はミカリンを素通りすると
ベッドにダイブした。
まだ寝るんだ。
絶対にだ。
「あぁちょっとーぉ」
「うるさい俺は寝るんだ」
ベッドの揺れから
ミカリンが腰掛けたのを察する。
「なんだ」
「鼻血で話が途中だったじゃない」
そうか
続きなんて無いだろ。
「後・・・思い出しちゃってさ」
何をだ。
「蕁麻疹の治療。湖の丸太小屋に
居た頃は良くしてもらってたっけ」
・・・偉いよな俺。
まだミカリンは何か言っていたが
空返事だけして
その辺で俺は再び眠りに落ちた。
メイドに起こされた。
メイドは緊張した様子だ。
なんか絡みついて自由に動けない。
見てみれば
いつの間にか人の布団に
潜り込んで一緒に寝ているミカリンが
朝顔の様に俺に絡まっていた。
「も・・申し訳ございません」
ああ
違うんですよ。
「いえいえ。」
起きるか。
えーと
この腕が上だから
これを退けて
えーと
メイドは
朝食を運んで来てくれたのだ。
なぜ今日に限っていつもの
ビュッフェ形式では無いのか
俺は不審に思い
メイドに聞いて見ると。
いつもの大広間は
まだ戦勝会の惨劇処理が終わっておらず
酔いつぶれ倒れた者が
そこいら中に転がっている状態だそうだ。
「死屍累々なのか」
まぁそれほど目出度い事だったのだろう。
俺は笑ってメイドにそう返し
朝食にあり付こうとしたら
既に俺の朝食をいただきますして
食っているミカリンと目が合う。
「ほはよう」
パン食いながら話すな。
メイドは慌てて
ミカリンの分の別室に運んでいる
朝食をこっちに持って来ると
言って飛び出して行った。
「すいませんね」
「良かったね」
返事の変わりに
俺はミカリンの食っているモノを
片っ端から取り上げ
自分の口に放り込んでいった。
「あーーキタナイずるい」
その口で言うか。
俺は返事をせず
全速力で平らげていく。
争いながら食っていると
メイドが3人、キャスターが二つ
アルコまでこっちに来たのだ。
「私一人のけ者なんてヒドイです」
珍しくお冠だ。
のけ者と言うより
野の獣なんだが
ここは攻撃してはいけない。
見た目はこうだが
10歳の子供なのだ。
「いや、ミカリンが侵略してきてだな」
その隙にも食い続けるミカリン。
おい
お前、汚すぎるぞ。
それでも天使か
残酷な天使のヘーベルハウスかよ。
「だから、俺のを食うなよ」
そういえば久々に
三人で賑やかなな朝食になった。
ちょっと後ろめたいのは
勘違いしたメイドはお替りを
取りに行ってしまった事だ。




