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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第八十四話 レベル50到達

「嘘だと思っていたワケじゃあねぇんだが

目の前で見ても信じられないぜ」


アモンキャリアまで戻ると

あんぐり口を開けたゲアが

俺を見てそう言った。


ちょっと何言ってるのか分からない。


「・・・魔導院創設の理由が

コレだと思っていたんだが」


1人でも多くの強力な魔法使いが

バングとの戦いには不可欠だ。


「・・・そいつに関してはな」


帰りの運転の最中に

ゲアは魔導院設立の経緯を

話してくれた。


ストレガの登場で魔法を目の当たりにした

教会は魔法を軍事バランスを壊す

危険なモノとして拡散を警戒

教会内に秘術として秘匿する動きにでた。

しかし、当のストレガは魔法の

発展と普及を熱望していた。

敵対する事を避け

尚且つ管理下に置く為に

魔導院が創設され

本人の要望に答えつつ

ストレガの鎖になる恰好にした。


「大体、設立が決まったのは

バングが問題になる前だったからなぁ」


「そうだったのか、でも良かった。

ストレガの抹殺・魔法封印

そんな決断だったら世界終わってたぞ」


俺がストレガの仇討ちに狂うよ。

バングと共同して滅ぼしたるわ。


「うめぇ方向に転がるぜ

神に感謝しねぇとなぁ」


それはちょっと違うんだが

言うべき事じゃないか。


「ゴメンね。何にもしなくて」


ミカリンが殊勝にも

謝罪してきた。


「仕方ないさ。あんなに面白い

ナリ君が悪いんだ。」


そう言ってミカリンを一瞥した

俺はすかさず二度見をしてしまう。


「おい、痒くないのか」


ミカリンの顔に蕁麻疹がすごい

ああ

これは久々の初めて食ったモンに

耐性が無い時のアレですわ。


「あ・・・出てる?やだな」


今日の魔族料理のどれかが

犯人だろう。

珍しい食材も多かった。


俺は車を停め

解毒の魔法を掛けてやる。

絶大な効果は無いが

掛けないよりはマシなのだ。


「むしろ、戦わなくて良かったじゃないか

こんな状態で魔法を使用したら

それこそ、どうなっていたか・・・。」


多分、関係無いが

ミカリンの気持ちが少しでも

和らぐ様に気を利かせた。


なんかアルコの視線が気になるが

基本、俺は怪我人・病人は

平等に特別扱いだぞ。


戻ると

なんと祝賀会は戦勝会に

名を変え続行だそうだ。


冗談じゃ無い

俺はミカリンの体調を理由に

そうそうに部屋に引っ込んだ。


なんかナリ君が

後ろ髪引かせる様な

声を上げていたが

聞こえない振りをして

脱出した。


そのまま女子部屋に入ると

俺は二人に許可を申し出た。


「しばらく居てもいいか」


「うん」

「はい」


二人とも不思議な顔をしていた。

なんでそんな事を聞くのか

うーん、普通の女子とは違うか

この娘達は


俺は椅子に座り込むと

メニューを開く


「あー。そうだレベル」

「はい。何か確実に変化しています」


アルコはファンファーレが聞こえない派だ。

しかし、体の変化を感じ取っているようだ。


「順番に確認する。まず俺だ」


なんとレベル50だ。

使える魔法も増えている。

鋼鉄処女アイアンメイデンという新呪文に

目が行くが、なんとなく想像がついた。

これは封印しよう


そして状態。

来た、昇級だ。

もう下等レッサーじゃないぞ。

悪魔騎士デモナイトだ。

すごいねー

いやーそう で も な い と

・・・・。

このギャグも封印だな。


なってみたい

うーん、ここじゃマズイな

人気の無い場所まで行かないと

何が起こるか分からないしな。


・・・・半魔化ならいいか。


俺は早速、半魔化した。

ミカリンがビクっと反応した。


人間状態でも悪魔に対する感知能力が

優れているミカリンは

半魔化でも確実に捉えるようだ。


「ん。なんか前より危険だよ」


「分かるか。」


頷くミカリンは真面目な表情だ。

反対に俺はガッカリだ。

確実に性能は上がっているが

かつての状態には、まだ程遠い

はぁーどんだけレベル上げれば

前回に並ぶのやら。


俺は完全人化に戻ると

仲間のステータスを並べて表示した。


「お待たせ。次はミカリン」


「わくわく」


レベルは俺と同じ50で

ミカリンの方は主天使ドミニオンが開放されていた。

お互い上位の一歩手前って感じだ。


魔法は相変わらず火系オンリーだ。

威力の上昇はもちろん

新呪文もいくつかあった。


試すのは人気の無い場所まで禁止

それも厳重に禁止。


コレを念押ししておく


「はーい。」


軽い返事だ。

本当に分かっているのかな。


「そして、アルコな」


「はい」


アルコも並んだ。

レベル50だ。

おお兄を超えたな

一回里帰りして兄を倒すか


アルコは

緊張した面持ちで俺の言葉を待っていた。

こう言っては悪いが

アルコのレベルアップはつまらない。

魔法も状態変化も無いので

単純に筋力その他の数値が上がるだけなのだ。


ただ、今回は槍や盾のスキルも

発生していたが

これは体感的に分かっている事なので

言ったトコロで「はい。出来ますよ」と

返事されるだけなのだ。


俺は各上昇値をざっくり説明した。


アルコは頷きながらメモを取っていた。

どうも成長記録を付けているらしい

お前は夏休みのヒマワリか。


「・・・マスター?」


俺の言葉が止まった事に不審を

抱いたアルコが心配そうに

話しかけて来た。


「あ・・・あぁ、それがな」


俺はアルコのステータス画面に

見覚えのある点滅表示が発生していた事に

今更ながら気が付いた。


例の「許可しますか」だ。


「・・・アルコや」


「はい。マスター」


「どうやらアルコも俺やミカリンと

同様に変身を獲得したようだぞ」


「!?」


この娘の場合はまだ許可しない方が

良いだろう。

俺やミカリンなどと違って

今の肉体と精神の結びつきが強い。


俺やミカリンは変身を理解している。

肉体の状態変化を普通に受け止めているが

通常の生き物には無い感触だ。

突然の変化が精神にどんな影響を出すか

アルコの場合未知数だ。

最悪は発狂なんて事も有り得る。


俺はそう説明した。


「わ私はナニに変身してしまうのですか」


だよね。

そこが気になるよね。


「ちょっと見てみるからね」


状態変化は前後に一段ずつだった。

今の状態が獣人で


人←獣人→ベアーマン


「どっちも対応できそうですね。」


「だな、二つとも良く知ってるもんな」


なんか、普通にあり得そうな変身で良かった。


「人アルコ見たーい」


ミカリンがウキウキだ。


「やってみるか?」


心の準備が必要だろう

俺はアルコに聞いて見た。


アルコは深呼吸して

落ち着かせてから言った。


「はい。お願いします」


「よし・・・いくぞ」


俺はアルコの状態をフリックして

人状態にした。


普通にアルコだった。

尻尾が消え

獣耳は普通の耳になり

手は普通の女性の細指になった。

顔その他はそのままだ。


成熟した全裸女性だった。


ああ

ビキニとブーツは地毛だったんだっけ

俺は鼻血を噴いて

椅子から転げ落ちた。


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