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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第七十七話 ドーマの教会

言うなれば

ドーマ人間街とでも言うか

魔族が少ない地域

教会もそこにあった。


ベレンとの行き来が

しやすいように配慮されたのか

ベレンに繋がる橋から入って

直ぐの場所だ。


問題の雑貨屋の店主は

人族の中年オヤジだった。


「どうする?」


そう尋ねて来たミカリンに

俺は返事をした。


「こいつは特に重要じゃないな

ここは本丸を攻めようじゃないか」


道を挟んで正面に問題の教会だ。

小ぢんまりとした建物で

屋根に紋章が無ければ

一戸建ての個人宅と間違えそうだ。


いや

えてそうしているのであろう

怨敵なのだ。

ベレンの教会のように

ド派手で巨大なのは喧嘩売ってる様に

なってしまう。


丁度良い事に

礼拝の日では無いので

信者は誰も来ていなかった。


俺はアルコに門番を頼み

人が来たら工事中だと言って

追い返すよう頼み

ミカリンと中に入った。


周囲を見回して俺は肌で直感した。

ここでは半魔化もマズいな


前回、ヨハンに化けた下級悪魔は

玄関は愚か敷地に入っただけで灰になった。


規模が小さいとはいえ教会だ。

前回に習って完全人化で通そう。


「んーふぁあああ」


緊張する俺と対照的にミカリンは

伸びと欠伸をした。

気持ちよさそうだな。


聞いて見れば案の定だった。


「なんかドーマはどこも居心地が

良く無いっていうか・・・・。

ここは生き返るね。」


天使であるミカリンは

俺とは逆なのだろう。


念のため、ドーマ市内では

天使化しないように言って置く

ダメージが入る可能性が大だ。


それを聞いたミカリンは

くるっと一回転して天使化した。


「教会内なら平気だね」


止めなさい

騒ぎになるでしょ。


でも、コレは使えるな

俺は作戦をミカリンに

耳打ちしてから

礼拝堂の横、やたらでっかい食器棚

みたいな懺悔室に入った。


ドアを開けるとベルの音がした。

見れば、ドアの内側に小さなベルが付いていた。


喫茶店かよ。


椅子に座って、しばらく待つと

対面の透かし窓の向こうに

バタバタと慌ただしく人が入って来る

様子が手に取る様に分かった。


人がいないのか


ベルも人員削減の為なのだろう

そう言えば

入り口にも誰も居なかった。


「おお待たせしました。」


息も途切れ途切れに若い女性の声だ。

ゲッペ神父じゃないのか

なら帰るかとも思ったが

いつなら居るのかも探るか

何度も足を運ぶのも億劫だ。

んー

取り合えずやるか


「懺悔を・・・お願いしたくて」


俺は酷く怯えた演技でスタートした。


「はい。秘密は厳守いたします」


さしすせそ。

さ行のノイズの少ない綺麗な声質だ。

場所も場所だし

どこぞの水の女神を連想してしまう。


「ゲッペ神父にお取次ぎ願えませんか」


シスターのお前じゃ話にならんのだ。

居るなら呼んで来い。


「・・・こちら側が誰であるのか

意識なさらないで下さい。

信じてお話しください。

ゲッペにも必ず伝わりますので

ご安心を」


秘密厳守じゃないのかよ。

まぁいいや

必ず伝えろよ。


俺は意を決して

切羽詰まった感全開で話し始めた。


「グレアが魔族の王の暗殺に失敗して

捕まりました。今夜辺りに処刑されそうです。

私はどうしたらよいでしょうか?!」


「・・・・。」


おーい

反応しろ


「申し訳ありません・・・・その

良く聞き取れなかったので

あの、もう一度お願いします。」


えーもう一回やんのかよ

恥ずかしいじゃねぇか

くそ

分かったよ。


俺は意を決して再び

切羽詰まった感全開上乗せで話し始めた。


「グレアが魔族の王の暗殺に失敗して

捕まりました。今夜辺りに処刑されそうです。

私はどうしたらよいでしょうか?!」


ドッシャーン


椅子ごとひっくり返った様な

激しい音が透かし窓の向こうから聞こえた。

なんか「はわわわわ」って言ってるぞ。


立ち上がり数歩移動する。

発生した音から察するに

そんな感じだ。

その後で透かし窓横の壁が

ガタガタと音を立てた。


何だ?


そう思うと同時位に壁は回転して

人が飛び出して来た。

シスターの服に身を包んだ

その女性は金髪丸出しだ。

頭隠すやつはつけていなかった。

若い。

20歳前後じゃないのか。


それにしても

何そのギミック。

ここ教会だよね。

忍者屋敷じゃないよね。


「なななな何ですってー?!」


飛び出して来たシスターは

悲鳴にも似た叫びでそう言った。


何回言わせんだ。

もう言わないぞ。


この「何?」は内容が聞こえなかった「何?」

ではなく

理解した内容が信じられなかった「何?」だ。

聞こえている。

繰り返す必要は無いな。


「だーからゲッペ呼んで来いって」


「わ、私がゲッペです。あなたは誰ですか

グレアさんのお知り合いなんですか!?」


あれ神父って言ってたけどな。


「グレアは神父って言ってたんだけど・・・。」


「説明はしたのですが、分かってもらえなくて

教会側の人間=シンプと思っていたようです。

私もそこまで細かい事はいいかなーって

そのままで・・・。」


おいおい

そこ大事だろ

・・・でも無いのか

この教会を見る限り

ドーマで布教する気は無いようだ。

本当にドーマ在住の教徒の為

だけの施設だ。


「それより、どういう事なのです。

あ、暗殺なんて・・。」


「ハァ?とぼけんな

お前が指示したんだろう」


違うと予想してますけど

ここはそうだと予想した想定で

追い詰めてみようか。


「ち違います!私はそんな事

彼女に頼んでなんかいません!!」


速っ

しらを切ればいいモノを

関係認めちゃったよ。


あらら流石は聖職者、嘘つけないのか

これは楽勝ムードだ。


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