表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
71/524

第七十一話 摂政ルークス

入って来たルークスは

先程とは違う服装

と言っても豪華なローブを

脱いだだけっぽい。


全体的に黒を基調として

赤のラインのデザインだ。

どことなく悪魔を連想させる。

そのファッションが偏見を

助長させている気がするが

まぁ文化はそれぞれだ。

言うまい。


フードも無いので

顔が良く見える。

結構なお年よりに見える

刻まれた深い皺に

これまでの苦労が見えた。


「お疲れの所申し訳ありませんな」


口調も先程までと

打って変わって柔和な印象を受けた。

こっちが地なのか。


僅かながら瞳の奥が青く輝いている。

ナリ君の言う「魔眼」だ。

警戒して完全人化だったが

一度、ナリ君のを見ているので分かった。

そうでなければ気が付かない位

淡い光だ。

魔眼に関してはナリ君より

熟達しているようだ。


「いえいえ、何かお話ですか」


俺は魔眼にも気が付いて無い風を

装いつつ出来るだけ自然に対応した。


何をしに来たんだ。


「何度もしつこいかと思われるかもしれませんが

先程までは魔族の摂政として、今は

一個人として改めて深い感謝を・・・。」


深く頭を下げるルークス。

やはりあの豪華なローブは

仕事着でそれを脱いだルークスは

今は仕事外という気持ちの

表れのようだ。


赤い外套を纏った弓兵かお前は

何かうまいメシ作ってくれ


「座りましょうか」


ルークスは立ったまま

俺はベッドで大の字だ。

居心地が悪い。

俺は慌てて部屋のテーブルに

移動し、ルークスを対面で

腰を下ろした。


その時またドアがノックされ

茶と菓子を乗せたワゴンを

侍女が押して入って来る。

ルークスがこのタイミングで

来る様に既に言って置いたと

思われる。


お互い普通に茶を始める。


「ふぅ・・・摂政などを

やっておりますが実はワシ

回りくどいのは苦手でしてな」


「分かります。俺もだ」


助かる。

話が速そうだ。


「あなた様は何者ですかな」


「今ご覧になられた通り

只の人族の子供ですが・・・。

多少、魔法が使えるくらいですよ」


深く頷くルークス。


「なので解せませぬ。只の子供に

その覇気は纏えませぬ」


何か纏ってんの俺?


「肉体は間違いなく子供ですが

その覇気は歴戦の強者が纏う

それに酷似しております故

おかしいのです。

その未熟な肉体ではあり得ない事です」


「て、言われてもなぁ」


覇気自体が自覚が無い

どうにも言いようが無い。


「それに色仕掛けも通用なさらないようだ」


何!

さっきの案内してくれた娘

やたら色っぽいと思ったが

ハニートラップだったのか

言ってくれよぅ


おいルークス

呼び戻せ


そう言おうと思った俺に

構わずルークスは話を続けた。


「んー回りくどいのが苦手と

言って置きながら自ら余計に

回りくどいやり方になってしまいましたな

申し訳ない。やはり必要な信頼を

ひとつひとつ構築していく他は無いですな。」


「ですね。少なくとも俺は

魔族の害にはなり得ませんよ。

ナリ・・・王と出会ったのも

偶然だし、彼は自分が王族の自覚も

無かった。まぁそのせいで失礼な扱いが

多々あった事は仕方ないですが」


「やはり、それですな。なまじ肩書が

ありますと、それに伴う責任が

本人の色を変えてしまう。

王などという肩書が無かった事が

あなた様と王の信頼を築く助けとなった」


向こうはともかく

俺、ナリ君信じてるのかなぁ


「ともかくこっちには魔族を

どうこうする気は無いので

そこは大丈夫ですから」


「ええ、先ほど聞かせて頂きました。

とても良い提案だと思います。

まず我々自身が王の信頼を勝ち取らねば

あなたがも含めてですな」


「探しまくっても見つからなかった

王と宝剣がひょっこり現れたんです。

警戒するなと言う方がまぁ無理ですよね」


その後は雑談になった。

お互いの当初の警戒は次第に薄れていった。

いや

薄れていったどころか

盛り上がっていった。

なんか俺と苦労が似ている気がした

まぁ規模が違うが

向こうも同じように感じてくれたのか

旧来の友みたいな変な感じになっていった。


「酒が飲みたくなってきましたぞ」


「気にせずどうぞ。

俺はこの体だと合わない。

もう少し年とってからという事で」


「まるで大人の体から転生したような

言いぐさですなぁ」


「まぁそうなんだけど。面倒だから

細かい説明は無しでいいかな」


その後、ルークスは

本当に酒を持ってこさせ

飲み始めた。

俺も少しだけ分けてもらう

これはワインだ。

ブドウが元だ。

俺の芋焼酎よりはるかに洗練された味だ。

ただやはりこの体には苦いなぁ


すっかり気分が良くなった

ルークスは申し出て来た。


「何かこちらでお力になれる事は

ございませんかな」


何かひとつでも恩を返さないと

魔族も流石に居心地が悪いようだ。


「いっぱいありますよ」


「おぉ是非お聞かせくだされ」


まず情報だ。

俺は早速聞いた。


「魔導院って魔族と関わりあるんですか」


聞いた話では

俺達の今いる建物よりはるかにでかい

都市の中央にそびえたつ塔が

その魔導院だ。


「特別ありませんな。

なぜこの土地に建設されたのかは」


魔族と同様、一緒には居られなく

監視はしたいが

あまり遠くでは困る

そんな似た条件から

同じ場所にまとめられたのでは

とルークスは想像していた。


「ベレンの学園卒業者にも魔族が

いましてな、魔導院に入った者も

それなりおります。彼等の話を

聞いて見た事があるのですが・・・。」


純粋に魔法の研究開発をしているそうだが

創始者ストレガ・アモンとそれに関わる

面子には何か隠している事がありそうだとの事だ。


「まぁ、TOPの内情を下に

全部話はしないですよね」


一研究生に関係無い事まで全てを

説明はしないだろう。

普通の範囲じゃないかな


「ですな。不穏な動きはありませぬ」


ルークスも同様のようだ。


「見学って出来ないかな」


「うーん、部外者は入れませんが

王の視察を申し出てみましょう。

それに同行する形でなら

なんとかなるやもしれませぬぞ」


部外者立ち入り禁止

まぁ国家主導の研究施設だ。

普通そうだわな。


「それでお願いします。

後は・・・きょうかいかな」


「教会ですかな」


教会と冒険者協会だ。

この二つのを始め

このドーマ内に魔族主導でない

組織がどのくらいあるのか

纏めて聞いた。


冒険者協会は無いが

教会はあった。


魔族用というよりは

ドーマ在住の別種族用で

ベレンのでっかい教会までは

距離があるので要望により

簡易的に設置されたそうだ。


後は特に変わった施設は無い。

懸念していた騎士団も

ドーマには居なく

完全に自治が出来ている。


ここまで聞いて

逆にバルバリスが心配になってきた。

魔導院占拠して反旗でも翻すか


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ