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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第六十四話 チャッキーと少年

ボヤを消し終えて

まだ倒れているナリ君の元に走る。


スキルの雷撃では味方も被害が

出ていた。

魔法の雷撃だとどうなるかと

思ったが今のが引火した辺り

多分同じだろう。


ヒートアロー程では無いが

使用には引火の危険性が伴うな。


「お待たせー」


気を失っているので返事は無いが

俺はそう言ってMP譲渡をした。


「アリストテレス!」


毎回何を見てるのだろう。


「大丈夫か」


「・・・くぅ失敗か?」


「いや、雷撃自体は出た

あの有様だぞ。すげぇ威力だ」


俺は割れた岩を指さす。


「しかし、使う度に気を失っては・・・。」


「もちろん呪文自体に改良の必要はある」


新呪文の実験

発動しない失敗の方が遥かに多いのだ。

俺はその説明をした。

今回のは失敗とは呼べない

完成間近と言うべきなのだ。


喜ぶナリ君

連携時の封印は続くけどね。


ここで脳内アラームだ。


どこだ?

咄嗟に

不完全膝カックン耐性と

廉価デビルアイで周囲を

調べる俺。


雄たけびが聞こえた。


「ぃいやっほうー!」


まさかな


「ぃいやっほうー!」


チャッキー君より声が子供だ。


「居ました悪魔です!!」


何?

俺が見つけて無いのに

向こうは俺を補足したって事か


俺は本能的反射で

半魔化を解除し完全人化する。


「先に行きまーす!!」


その雄たけびと同時に

森の奥側から人影が降り立ち

もの凄い速度で接近してくる。


瞳は銀色に輝き

まるで小さな二つの流れ星の様だ。


「アンドリュー正義を成す

悪魔よ!!覚悟しろ!!」


やべ速い

壁も間に合わないぞコレ


「フン!!」


ナリ君が長剣をカッコ良く回すと

彼の周囲に雷撃が

辺り構わずほとばしる。


「痛ってぇ!!」


俺にも当たった。


「がぁ!?」


ナリ君を中心に360度

無作為にほとばしる雷撃の内

一本は接近してきた少年を捉えた。

全速力中に体の自由を奪われた少年は

そのまま転倒し

勢いそのまま転がった。


「我に速さは無意味だ」


少年は地面に転がったまま

もがいていた。


もがけるだけ

大したモノだ。

雷耐性の高い土属性の俺ですら

感覚が戻ってないのだ。


今度は巻き戻す様に

剣を逆回転させ

つかつかと歩き出す。


カッコ良いのは分かるけど

普通に歩いても同じだよね。


まだ立ち上がれない少年の

喉元に向け剣を突き出すと

ナリ君は言った。


「殺す前に言っておくが

我は悪魔では無い。

魔族ではあるがな」


ゴメン

その少年は俺を発見して

そう言ったんだと思うよ。


「うっ・・・く」


何かを言おうとしている様だが

横隔膜も痙攣してるのか

声になっていない少年。


殺すのはマズい

止めようと思った所に

また雄たけびが

少年が現れた同じ方向から

聞こえて来る。


「ぃいやっほうー!」


この声は本家だ。

そういえば少年は先に行くと

言っていた

他に仲間がいるのだ。


「何人来ようが同じ事だ!」


少年から剣を引き

再びカッコよく剣を回すと

叫ぶナリ君。


私はここですって

教える事ないよね。


「待った、ナリ君。彼等は敵じゃない」


「マスター。襲われたんですよ?」


「絶対間違いだ。今から現れる

カッ飛んだ男に攻撃しないでくれ」


「・・・・お知り合いですか?」


構えた剣を降ろすナリ君。


「ぃいやっほうー!」


速く来い。


「そうだが、今は違う。

とにかく無抵抗の者をいきなり

攻撃はしない、納刀してくれ」


「御意マスター」


枝葉が揺れる音が聞こえた。

その場所から上空に跳躍した人影は

なんと何も無い空間を蹴って

空中をジグザクに移動した。


すげぇなそんな技

身に着けていたのか。


これは予想外だ。

こちらが弓を引いて待っていたとしても

これは狙えなかっただろう。


上空で俺達を確認すると

器用に回転し倒れた少年の近くに着地した。

顔を上げこちらを見る。


おお

チャッキー君だ。

前回はチャラい若者だったが

すっかり大人だ。

衣装は相変わらずの皮のジャケット

鉄鋲付きだ。


俺達に敵意が無い事を理解したのか

チャッキー君は

なんと少年にゲンコツを入れた。


「一人で先走るなと、いつも言っているだろ」


おお

チャッキー君が

まともな事を言って説教している。

俺は何故だか涙が零れそうになった。


「・・・本当に派手だ。」


相手には聞こえない程度の声で

ナリ君はボソッと呟く

納刀はしたものの

油断はしていない。


間合いをキッチリ空けている。


・・・俺は雷の範囲から

逃げた方がいいのか

アルコが無理だって言うのも納得だ。

電気の痛みはガマンとか関係無い種類の痛みだ。


人間を含めた筋肉で動いている生き物は

電気信号で筋肉に命令を出して

その動作を制御している。

感電は本人の意思とは関係無く

筋肉を動かしてしまう

勝手に動いてしまうのだ。


体術を頼りにしている者程

これは嫌だ。


「で、アンドリュー・・・

どの人が悪魔なんだ。

俺には悪魔なんて居ない様に見えるぜ」


少年は明らかに俺を見ていた。

その瞳は再び銀色に輝き出す。


途端に少年は狼狽え出した。


「え?あれぇ・・・そんな」


ここでチャッキー君のゲンコツが

再び少年に落ちる。


ゴチンて音が聞こえた。

痛そうだ。


「間違えましたで済むか!

お前攻撃する気だっただろ」


頭を両手で押さえ

悶絶している。


俺はふとナリ君を見たが

羨ましそうな顔はしていない。


相手を選ぶのだな。


「襲い掛かって来たので反撃した

こちらにはそちらを襲う理由は無い」


ナリ君はそう説明した。


「申し訳ない!!」


潔く頭を下げるチャッキー君。

それを見た少年。

アンドリューも慌ててそれに習った。


「まぁこの角だ。間違うのも

無理からぬ事よ」


ナリ君は自分が悪魔と間違われたと

思っているようだ。


「いや、黒い人の方じゃなくて・・・」


アンドリューがチャッキー君に

説明し始めた。

話を聞いたチャッキー君は

俺をしげしげと観察しだす。


子供Verだけど

今の俺、顔がアモンだな。


これはバレるか

それとも常識フィルター

「年齢が違うから別人に違いない」思考で

別人判定してくれるかな。


俺はすまし顔で反応を待つ。


「僕の勘違いです。ごめんなさい」


チャッキー君が何か言い出す前に

アンドリューが立ち上がって

再び頭を下げた。


アンドリューは今の俺と同じか

ちょい下ぐらいの年頃だ。


「間違いは済まなかったが

怪しいぜ。こんな時間に

こんな所で何をしてたんだ」


それはそっちも同じだと思うが


「魔法の練習です。昼間だと

見えにくい魔法なので」


俺は答えながらやってみせた。

杖の先からほとばしる雷撃が

割れた岩に命中する。


半魔化していた時より

効果が上がっている。

魔法をメインでいくなら

人型の方が有利なようだ。

まぁ今後、悪魔のレベルが上がれば

また違ってくるかもしれない。


「わぁ!」

「うぉあ!」


二人ともすごくビックリしている。

やはりまだまだ魔法は珍しいようだ。


「じゃさっきのでっかい雷も

そうなのか?こんな天気なのに

おかしいと思ってたぜ」


「それは我の方だ」


はいはい

ナリ君の方が強いです。


「アレェ?怪しいって言えばおじさん達は?

こんな時間にこんな場所で何してるの」


俺はコナン君の演技を参考に言ってみた。


「・・・警備だ。奥に村があってな」


チャッキー君の故郷の村なのか

でも、確かここら辺にある村は

エッダちゃんの故郷だったはずだが・・・。


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