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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第六十二話 再びブンドン


翌日は午前中にブンドンの村に到着した。

やはり馬車より速い


俺達の魔車を発見した時の

見張りの顔は傑作だった。


「・・・な、なんか来たぞーっ!」


これでは言われた方はどう対処して良いのか

分かる訳が無い。


「何かって何だー!」


当然の反応である。

しかし人間、知らない物、見た事が無い物を

的確に表現出来る者は少ないのだ。


「う・・馬の居ない馬車だーっ」


それはもう馬車じゃないだろ

ボーシスさんが気を利かせて

車窓から乗り出し

大声で見張りを呼んだ。

お陰で迎撃される事無く

ブンドンに入る事が出来た。


「どうして普通に入ってこれないんだ」


わざわざ出迎えに出てきてくれた

支部長は開口一番説教だったが

表情は言葉と違い

文句を言っている様では無かった。

単純に魔車に度肝を抜かれている。


「どうやって動いてるんだ・・・。」


細かい説明は面倒くさいので

俺は魔法で動いていると言って置いた。


「着いて早々申し訳ないが

話をさせてくれ」


支部長の申し出を快諾すると

出発前でも話し合った

支部長部屋まで移動する

魔車は馬車置き場に並べる

アルコには念のため

魔車番で残ってもらった。

イタズラをされてはかなわんからな。


支部長部屋にはクロードが待っていた。


「坊主の助言で本部に掛け合ったんだがな」


俺達がエルフの里に滞在中に

ボーシスはブンドンと里を

行き来して連絡を入れてもらっていたのだ。


「こっちに回せる程、魔法使いの

数がいねぇそうだぜよ」


具体的な人数は分からんが

まぁそうだろうな

出るか出ないかレベルのブンドンより

今なお大量に居るドルワルドの

対応に、むしろネルドに追加したい

ぐらいだろう。


「それならエルフを頼れ」


俺はエルフの里に魔法部隊が新設された

旨を伝えた。


「指導しているとは聞いていたが

もう、そんな実戦レベルなのかね」


支部長は半信半疑だ。

確かに短期間過ぎるだろう。


「エルフの里は元々、軍隊としても

兵のレベルは高い。弓の役割を

魔法で代用するだけだ。唱えられる様に

なればすぐに実戦投入できるさ」


支部長も成程と言った感想だ。


「それに、こっちには既にバングとの

実戦で二度も勝利を経験している。

ブンドンの女王!ボーシスさんがいる」


「やめて!」


女王呼ばわりはお気に召さないらしい

だが駄目だ。

呼び名とは本人が

どう呼ばれたいかでは無く

まわりが

どう呼びたいかなのだ。

もう女王なのだ。


ふと横をみればナリ君がうっとりとしている。

あの甘いひと時を思い出しているのだろう。


「頼りにしてるぜよ」

「そうだな彼女を中心に部隊を編成しよう」


この大人達はボーシスさんを

担ぎあげる気満々だ。


話はナリ君の話題に移った。


「もしかして森の中で何度か

感じた気配はヌシじゃないかぜよ」


「確かに何度か、やり過ごさせて貰っている」


すごいな、人でありながらクロードは

気配とかオーラで個人が特定出来るのか

ナリ君は隠れて見ていた方だから

ハッキリと分かるのだろう。


「しかし魔族とは珍しい」


ボーシスさんの様な若者と

支部長などの年配では反応が異なる。

人格形成期に経験したことが常識になるので

その頃に身近にいると「普通」になり

その頃に居なかったモノは「珍しい」となるのだろう


俺はナリ君を保護地区に

移送したい事を相談した。


「その方が良いだろう。どれだけ効果が

あるか保証出来ないが私の名で紹介状を出そう」


それは助かる。

今の俺達は身分の無いチンチクリンだ。

それが妙な車に乗って魔法を使うのだ。

行く先々でどんな対応されるか

分かったモンじゃない。


地位の保証された人物の

後ろ盾は強力だ。


「ありがとうございます。

本当に助かります。」


支部長は更に詳しい事を教えてくれた。


ドーマ

魔族の保護を目的に新設された町。

ベレンから南に川を渡って隣接した立地で

出入りには検問がある。

これは魔族に恨みを持つ者のテロを

警戒しての事で

冒険者レベルを超えた武器

木箱一杯の弾薬が何箱とかでない限りは

普通に誰でも入る事は可能だそうだ。

定住には魔族である事

そうでない者でも商売やインフラその他の

職人・商人など必要な人材は異種でも

可能だそうだ。


俺達は住むつもりじゃなく

ナリ君を送り届けるだけだ

問題は無いだろう。


「ドーマには魔族以外に

もう一つ大きな特徴がある」


支部長は続けて教えてくれた。


魔導院

学園から派生した

より高度な魔法研究の為の

建物及び在籍する魔法使いの総称。

まぁ魔法大学みたいな認識でOKだ。

教会とは何かと反目する事が多い

魔法使い、さりとて目の届かない所に

潜伏されるのは最悪なので

ドーマに設立された。


悪い言い方をすると

魔族の保護ついでに

厄介払いでまとめた感じだ。


「そこの創始者、現魔導院院長が

伝説の冒険者ゼータ・アモンの実妹

ストレガ・アモンだぜよ」


本当は実の妹じゃありません。


「ちなみに俺は何度か会ってるつか

初期の頃は色々面倒見てやったもんだぜよ」


クロードちょっと自慢気だ。

「わしが育てた」とでも言いたいのか

金田かお前は


「あー!!美少女の皮を被せたいも」


俺は咄嗟にミカリンの口を手で塞ぐ

止めろ。

多分、国家機密級だぞ。

この状況だと


「ん?あー確かに美人だぜよ」


「うむ、私も式典などで、お見掛けしたが

確かにこの世の者とは思えん美貌だった」


クロードも支部長も絶賛だ。


はい

どっちかっていうと

あの世の亡者です。


それにしても出世したなぁストレガちゃん。

マジキチなのに大したモンだ。

お兄ちゃん嬉しいよ。


それにしても魔導院とか

あいつの中二も直る気配が無いな

いや

直るとかおかしいか

目覚めるモノなのだからな中二は


「魔導院・・・美少女。」


ほらほら

ナリ君の琴線にも触れたよ。

やはり

中二は中二を呼ぶ宿命なのだな。


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