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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第六十話 魔族狩り


蒼白だった顔も不思議な力で

血色が良くなってきた。

仕切り直して尋問を始める。


「魔族と知られたら生かしておけない

と言っていたが、何で?」


態度が急変したのは

頭部を隠していたターバンが落ちてからだ。

俺は男の頭部の角を眺めながらそう言った。


「愚問だな。見逃せば仲間を呼ばれる。

殺される前に殺るしかなかろう」


男は吐き捨てる様にそう言った。


そうなのか


「そうなの?」


俺は興奮冷めやらぬボーシスに聞いた。

時間跳躍で過去14年の出来事を

俺とミカリンは知らない。

アルコは人間社会とは隔絶した

ベアーマン一族の中で育ってきた。

詳しく知っているとすれば

この中ではボーシスだけだ。


「魔族狩りって、それ随分前よ」


魔族

元々は大陸の東側に居た種族。

祖先を悪魔とする噂があり

主に角や尻尾、

珍しいところでは蝙蝠の翼など

先天的に悪魔の特徴を

体の一部として生まれ持っている。


俺も前回ババァルとのデートで

デスデバレイズに訪れた時に

魔族を目撃しているはずなのだが

全く印象に無い

人型なんて注目出来ない程

異様な外見の種族が大勢

しかも多品種に渡って網羅されていたのだ。

これだけ外見が人間っぽいと

タゲが外れるのだ。


前回の降臨で東側が大火で壊滅

遠征や諸事情などで難を逃れた

少数の魔族は帰る場所を失い

難民としてバルバリスに流れてきたが

大火と津波の原因である悪魔に

対するバルバリス国民の恐怖は

差別や迫害となって

難民に降りかかった。


「我の両親はこの剣を託し

我を逃がす為に追っ手を・・・」


この男も過去の魔族狩りの

被害者だった。

森の中で人目を忍んで生き延びていたのだ。


「今は教会が特別保護地区を設定してね」


植え付けられた恐怖・怒りは

そうそう変わるモノではない。

止めろと法で禁止しようが

一度裏に回れば違法が横行し

表においても合法の範囲で

嫌がらせなどは続く

教会はそれを懸念し

魔族だけの街をベレン近郊に

新たに作り、そこに魔族を

受け入れているそうだ。


素晴らしい対応だぞ教会

誰だ

パウルかやっぱり


俺は一人で感心してしまった。


「私が小さい頃は酷かったらしいけど

今は根絶したとは言えないけど

大分マシよ。学園の同期にも

魔族の友達がいるもの」


「・・・なん・・だと。本当なのか」


男にとっては衝撃の事実だ。

聞きづらいが確認しておくか。


「今までに誰か殺してるか?」


現状を知らなかったとは言え

一方的な暴力になってしまう。


「無い、ターバン取れたのが初めてだ。

妙な車に轢かれるなんて想定してなかった」


だろうな

そんな想定誰もせんわ


そう簡単には解けない

巻き方だったのだろう。


「じゃ解いても良いですよね」


「そうね・・・そうしましょう」


「解放して・・・くれるのか」


なんで残念そうなの二人とも

もう少しプレイしたかったのか


ボーシスと協力して

男の縛を解いた。


自由になると男は座り込み

頭を下げた。


「襲い掛かって、申し訳ない。

人殺しになるトコロだった」


なってもイイんじゃないか

両親は殺されたのだろう。


そう言おうとして寸前で止める。

この男はそんな者では無い。


殺されたくも

殺したくも無いのだ。


だから角を隠して

人里離れた森の中で

独りで生きていたのだ。


「マスターが強者で助かった。

お陰で殺される事も

殺す事も無く

こうして生きていられる。」


頭を下げたまま男は言った。


「いや、本当に強いのはあなただ

俺ならその雷で全てを破壊している」


そうだ

これだけの破壊の力を持ちながら

両親を殺されても復讐に走らなかった。

この男は闇に落ちなかった

本当に強者なのだ。


頭を下げた

このタイミングを逃してはいけない

俺は男にパーティに入る様にお願いした。

良く分かっていないようだが

快諾してくれた。


どれどれ


「そう言えばお名前は?」


「これは失礼した。

ルーンマーセナリーエクスと言う」


嘘をついている感じは無い。

両親に名付の資格が

無かったのだろうか

名前が空欄だぞ。


「もしかして勝手に名乗ってるだけか」


俺は名前の判定が無い事を説明した。


「なんと・・・名乗るだけではダメなのか」


俺は名付のカラクリを説明した。

その上で俺が付ける事が出来る事も言い

そうなる方向に促す。


「是非、お願いしたいマスター」


よっしゃ名付効果で

これで俺にも雷系魔法が使える様に

なるかもしれないフヒヒ


「えぇと、ルーン・・・なんだっけ」


男は先程の名前を復唱するが


「長いな。ナリ君でいいだろ」


「え!?」


「な・・・り・・っと」


「ちょまっ」


完了。


「なんだ?脳内でピロローンって」


これは聞こえる人と

聞こえない人がいるのかな

アルコやキャスタリアは無反応だった。


「よろしくな。ナリ君」


「ガーン」


ショックを受けている様子のナリ君だった。


「もしかして連れて行くの?」


ミカリンがそう聞いて来た。


「いつの間にかマスター呼ばわりして

いますが、ルーンマーセナリーエクスさんの

マスターになるおつもりですか」


アルコも食って掛かってくる。

あの長い名前一発で頭に入ったのか

習字も速いしアルコは賢い子だ。


「いや、そういうワケじゃないよ

ナリ君にだって予定は・・・」


無いよな。


「予定は全くありません。ただ」


その魔族の保護区には行きたいとの事だ。

どうせベレンまで行くのだ。

このまま同行で良いだろ。


雷系魔法覚えたいし・・・。


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