第五十九話 目覚め
今更ですが
本当に今更ですが
そこでび・オバ老後・ぞくでび3作品において
登場人物は架空であり実在の人物
またはモデルとなった人はいません。
一部を除いて
「・・・起きないな」
倒れた男はピクリともしない
こちらからは何もしていないので
ダメージは無いはずだが
術が発動しないショックで
倒れ伏したと思ったが
どうも様子が変だ。
恐る恐る近づいて見ると
顔面蒼白で気絶している。
「おーい。手伝ってくれ」
俺は3人娘に声を掛け
魔車の客車に男を運び込んだ。
埃を良く落とし
ついでに武装を解除し
手足は縛り上げた。
また襲われてはかなわんからな。
気絶しているので
パーティには入れられないので
細かな詳細は分からないが
大雑把な事は表示され
分かった。
レベルは何と40でアルコの兄
ベアーマンリーダーと同等か
凄いな
目にする事は出来なかったが
雷系はやはり強いのだ。
攻撃魔法として火系と双璧を成す
火は人族には馴染みが深く
イメージがしやすい
火『hi』という音に意味があるのではなく
字でも言葉でも誰しも脳内に
火のイメージを構築出来るだろう
暖かいが近づけば近づくほど危険な熱さ
炎の揺らめきや
周囲の膨張した空気
立ち上る煙
これが
このイメージが魔法への入り口だ。
雷はそこへいくと
火よりイメージがしにくい
光は一瞬だし
肉体的には痛みしか感じられない
火より敷居が高くなるのだ。
使用される魔力も
恐らく火より多い
コストパフォーマンスは悪くなるが
その替わり火よりも防ぎにくい。
ファイアーボールなどは
盾で弾く事も可能だが
光速で飛んでくる雷は視認出来ない。
見えた時には命中しているのだ。
更に金属の鎧などは易々と電気を通し
肉体にダメージが入ってしまう。
防御無視の効果が見込める。
一般的にゴムに代表される
電気を通さない素材が有効かとも
思えるが、電圧さえかければ
どんな物体でも電気は通る。
抵抗が多いか少ないかの差だ。
空気だって通常は電気を通さない
でも雷はそれを貫通して落ちる(上る)のだ。
一部のゴーレムなど非生物には効果が無いが
ほとんど全てのエネミーに有効な呪文だ。
実体の無い霊系にまで効く
当然、天使系も悪魔系にも効く
是非、習得したいものだ。
何よりカッコイイしな。
そんな事より
何で気絶してるかなんだが
HPは減ってないがMPが0になっている
多分このせいだな
マインドダウンて言うんだっけ
普通のゲームと違い精神力扱いなのか
0だと意識を保てない
逆に言うと意識もMP依存という事だ。
エルフのポロンに使った
MP譲渡を
縛り上げられ床に転がされた男に行う。
「モンテスキュー!!」
一発で男の意識は戻った。
こんなところもチャッキー君を
彷彿とさせる。
「・・・夢か」
マサルさんかお前は
男は周囲を見回し
縛り上げられた自らの状況を
理解すると失意に項垂れた。
「くっ・・・ころ・・・
いや、これは男子は言えん」
分かってるじゃないか
衣装といい
ポーズといい
セリフといい
完全に中二病を拗らせている。
もしかしてプレイヤーじゃないのか
俺はカマを掛けてみる事にした
「God or demon」
「いずれでもない。
そしてどちらも
俺の敵だ」
三人娘はポカーンとしている。
ゲームの名前で反応しない
プレイヤーでは無い
違うようだな。
「さて、どうしましょうかね」
ボーシスがおっかない顔で
男の前に仁王立ちした。
「車で轢いたのはこちらの落ち度
でも謝罪も治療もしたわ
こっちが殺される理由にはならないわ」
「ふっ」
なぜか薄ら笑いの男。
イカン対応だった。
ボーシスさんに火が付いた。
「何が可笑しいのよ」
「ぐあぁ」
鎧のブーツ。
金具付きで男の肩口を踏む
縛り上げられ車内の床に転がされている男は
抵抗出来るワケも無く踏まれる。
「ボーシスさん。暴力は」
男の悲鳴にビックリした
アルコは思わず止めに入る。
「えっ・・・そんな強く踏んでないわよ」
顔を赤くして慌てるボーシス。
うん、痛みや苦しみなどの
悪感情は入って来ない。
痛くないのだ
もしかして
この男・・・。
「ボーシスさん。ちょっと失礼」
俺はしゃがんでボーシスさんの
ブーツの止め具を外し
脱がした。
「ちょ、え?何・・・きゃっ」
「これなら絶対に痛くないハズです
さぁ思い切り踏んであげてください
皆も良く観察するように」
ケンケンしながら位置を調節し
ボ-シスさんは再度、男を踏む。
「ぐっあああああ」
悶える男。
間違いない
Mだ。
喜んでいる。
面白い。
「色んなトコ踏んであげてください」
「このっ!このっ!このっ!」
「ちょ!あっ!ノォオ!!」
リズミカルに男の様々な部位を
絨毯爆撃の様にリズミカルに
踏みつけていくボーシス。
それに合わせて
大袈裟なリアクションと
バリエーション豊富な悲鳴が
リズムに合わせて響く。
なんか音ゲーっぽいぞ
「豚とか言ってあげてください」
「この豚!ヒドイ豚!醜い豚!」
「ぶっひぃいいブヒ」
見ればボーシスさんはノリノリだ。
目の色を変えて楽しんでいる。
しまった
こっちはSか
俺はとんでもない魔物を
解き放ってしまったのかも知れない。
やだ怖い。
振り返って見ると
ミカリンとアルコがドン引きだ。
まぁ社会勉強だ。
こういう大人もいるのだよ。
宴は
俺が煽るまでもなく
どんどんエスカレートしていった。
「こんな事されて嬉しいの?!」
「はいっ!」
「変態ね!!」
「イエス!ソーイエス!!」
「じゃあ感謝しなさい」
「ありがとうございます」
その後
ボーシスのあだ名は女王になった。
出展
「モンテスキュー夢か」
うすた京介
すごいよ!!マサルさん でのセリフ




