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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第五百八話 晩餐オールスター

目の前で最後を見送ったハルバイストより

改ざんが甘いミカリン。

やはり苦楽を分かち合った同胞として

刻まれた記憶が強いからなのだろうか。


しかし学生時代の親友

大人になってからの友達よりも

強い結びつきのアラハ達ですら

抗えなかったのだ。


まぁ人間と天使では

地力が違うと言えばそれまでだが


遅かれ速かれ忘却には逆らえない

その速度に個人差はある。

今はこの位しか分からないな。


そんな俺の思考を遮る声が

後ろから聞こえた。


「遠慮する必要はないわよ。

それは反ってリディ君を悲しませるわ。

私達は仲間なのだから。

恐らく料理だって多めに用意してくれているハズよ。

彼はいつだって抜かり無い人だったもの。」


ビビビが居るのは分かった。

もう一人は誰だ。


「おーい。参加しろ」


俺は振り向かずそう言った。


「魔勇者様。」


ウリハルか。

予想外だ。

遠慮とかいつ覚えたんだ。


「キチンとこれまでのお礼と

お別れの言葉を言いたくて・・・。」


「食ってからにしろ

ホレ一杯あるんだ。」


ミカリンも喜びの声を上げた。


「あ、ウリハルちゃーん!」


「ホントに人が増えやがったな。」


ハルバイストは意外そうな声だ。

俺が人気者だと分かってないのか。

・・・・人気者だよな。


ビビビとウリハルを加え

食事は賑やかさを増した。


「一人の所を襲うつもりだったのだけれども

中々、単独になってくれないものね。

アーテイム様やアホデルタ様は

上手くやったものなのだわ。」


ヴィータか。


「襲うとか

もう勘弁してくれ。」


魔神の宿命と言えば

それまでだが

神々と連戦は堪える。


ヴィータまで加わった。

ビビビの緊張具合が笑えた。


「まーたお前一人に責任を被せるのか。」


降臨した神

公表するのはヴィータのみで

後は秘匿のままだそうだ。

会議では語られなかった内容だった。

俺は少々憤慨してそう言った。


「旗は一つの方が効果的なのだわ。

前回の流れで最も信奉を集めやすいのも事実だし

それにこれは私が望んだ事でもあるのだわ。」


これはこれで事実だ。

ウリハルとヴィータ

麗しき希望のシンボルが

今のキャラバンの原動力だ。


「それに節制を破壊して

私を指名したのは

あなたなのだわ。」


そうだ。

効果的に利用しようとしたのは

間違いない。


「それについては済まなかった。

他に良い手が思い浮かばなかった。」


俺の謝罪にヴィータ笑顔で答えた。


「やだ、謝らないで。

分かりにくいのかも知れないのだけれども

これでも私は感謝しているのよ。」


うーん美人の笑顔は良い。


「相変わらずハーレムだな兄貴」

「その割ににはあまり嬉しそうではありませんねぇ。」


ヨハンとユークリッドだ。


だってなぁ

このハーレム見た目は世界最高峰かも知れんが

悪魔の俺には爆弾に囲まれている様なモノだからなぁ

全員が真の力を顕現させた日には

灰も残らないかもしれないぞ。

お前ら二人も爆弾って言えば爆弾か。


ヨハンは肩に担いだ樽を降ろした。

軽く地面が揺れる。


「へへ、酒もってきたぜ。」


「そうだな。飲むか」


折角の大人状態に戻った割には

飲んでなかった。

と言うか連日忙しくて

酔っぱらう余裕が無かった。


酒も入り賑やかさが喧噪に変わり始める頃

更に増えた。


「むぅここだけ祭がまだ続いているのか。」


アーテイムが巫女とアホ野郎を連れて登場した。


「ここに居る連中は運営で

祭どころじゃなかったんだ。

その祭が終わったんで

今、やっと楽しんでるんだよ。」


おうおう

俺の言葉に頷く人が多い多い。


「あの・・・お邪魔では・・・。」


「既にこんだけ居るんだ。

邪魔も何も無い

来いって。」


アホデルタは殊勝だな。

ユノなどに権能を過剰使用したせいか

本人の美人度が下がっているぞ。

しかし逆に人間っぽくって

こっちのが魅力的に見えた。

普段のアホデルタは

美人は美人なんだが

完成されずぎて

CGとかミス韓国みたいな

作り物っぽさがこっちの感情を

下方向に加速させる一因になっていたのだ。


「ん何か、今日のアホデルタ

魅力的だし大歓迎だぞ。」


背中に幾つかの攻撃的視線が

刺さっている気がしたが

アルコールバリアのお陰で何ともないぞ。


「アモンよ。負荷は無いか

俺は人状態にはなれん

それが近くにいては」


来てから言うな。


「あー今更だな。」


「あの時は自分の事で頭が一杯だった。」


なぶると言う漢字は

男の間に女が入る

「嬲」と言う文字だが

あの時は

女男男だったな。

見た目には

男男女と言う

非常に分かりにくい状況だ。


「俺が人状態なら問題無いさ・・・多分。」


もっと増えたら分からん。

つか椅子とか足りなくなった。


俺はストーレシから予備の

テーブルと椅子を出した。

アルコとハルバイストが手伝ってくれた。


「始める時はこんなデカいテーブルと

思ったんだが

まさか足りなくなるとはなぁ。」


「いつもこんな感じなんですよ。」


アルコは馴れたモノで

折り畳み式の物でも

ちゃっちゃっとセットしていく

スゴイのはハルバイストだ。

初見で構造を見抜き

迷うことなく組み立て

ちゃんとロックまで掛けた。


「椅子とテーブルは良いが

料理その他がなぁ。」


ここまで増えるとは予想外だ。

用意した分では全然足りなくなった。


「あらあら、それは連れて来た甲斐がありますね。」

「ぶええ、いきなり仕事ですか。」

「本懐だ。やるぞブリッペ」


更に増えた。

ユノがレイノヒモとブリッペを伴って現れた。

来たそうそうスマンが助かる。

頼んだぞ。


「美味いもんが食えるっちゅう話じゃが」

「ホレ皆も既に楽しんでおるわい。」


爺X2だ。

トライトン・・・だったけか

カシオに連れられ現れた。


「やっぱパウル呼んで来るぜ。

こりゃ一人遠慮したトコロで変わんねぇって」


そう言って席を立つヨハンに

ユークリッドも同意した。


「ですねぇ明日の準備の指示も

そろそろ片付いている頃でしょうし

お願いできますかぁ。」


そのセリフにヴィータも便乗した。


「ミネバも呼んで来るのだわ。

これだけ居れば紛れても分からない

ドサクサに紛れてさっと謝ってしまえば良い

丁度アモンも酔ってるし

勢いでハイと言わせるチャンスなのだわ。」


「ぼ・・・私が呼んできます。」


ミカリンが腰を上げた。

いや、別に酔って居なくても

ミネバに思うトコロは無いぞ。

まぁ向こうの方にはあるのだな。

確かに良いチャンスだ。


最後のチャンスかも知れないしな。


俺はアルコにファーも呼んで来るように頼んだ。

アルコも喜んで腰を上げてくれた。


しかしスゲェ面子だ。

今ここに爆弾落とされたら

人類終わるな。


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