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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第五話 キャスタリア


装備出来ただけで

この盾の持つ効果が殆ど使用不可だ。

LVが足りないのだろう

今の段階で持てる最強の盾で

ある事は間違い無いが

皮の盾でも遜色無いような状態だ。


豚に真珠だ。


まぁ無いよりは遥かにいいか

ふと見ればミカリンが土下座していた。


「主様。お願いします。

それは天界に戻させてください」


そういえば前回も

援護や護衛よりも

敗北した天使の装備回収を

優先していたっけな


自動で天界に戻る天使本人と

違って装備は手動で戻す必要があるのか


無理だとは思うが

コレが人の手に渡り解析・複製などされれば

やがては神をも脅かす技術を

人類が持ちかねないと懸念しているのだろう


知恵の実食って火を知ってしまってからの

人類ヤベェ

まじこいつらにはもう何も教えない方がいいって


そんなトコロなのだろう。


後、なんとなくミカリンが

俺を呼ぶ際の呼び分け方

アモンと呼び捨ての時と

今みたいな主様の二つだが

前者はノーマルで

後者はマジモードな感じだ。


俺は装備を外すと

ミカリンに差し出した。


「やり方は知らん。任せるぞ」


座ったまま両手で授かる様に

盾を受け取るとミカリンは

信じられないと言った様な表情だ。


「・・・いいの?」


頼んで置いて何だソレは


「ああ、大事な事なのだろう」


どうせ聖属性だ。

レベルアップでどう変わるか未確定だが

どうせ悪魔人間デビルマンには

装備できっこないであろう

だから前回も捨てたのだ。


「ありがとう・・・ありがとう」


全裸少女が何度も頭を下げる。

絵的には酷いな・・・

やっぱり早く何か着たい。


妖精を見ると

期待MAXで待っていた。


ああ名前だよな

うーんもっと欲しい

与えてから頼むか

もう少し持って来させてから付けるか

・・・

持って来たのだから答えよう

それで改めてお願いしてみるか


渋る様ならテレ東に連絡して

水全部抜いてやる。


「それでは名付よう」


どうすっか

森の湖だから森泉とかにするか

不倫しそうだ

だめー

うーん


「キャスタリア・・・でどうだ」


そんな名前のニンフが

元の世界の伝承にいたよな

そのままあやかろう


「キャスタリア・・・。」


妖精は目を閉じ、そう復唱した。


「はい。今より私は湖の妖精キャスタリアを

名乗ります。」


なんかレベルが上がっている様な感じだ。

うまい方に転がってくれよ


「でキャスタリア、追加でお願いしたいんだが」


俺は希望の物資を細かく説明した

キャスタリアは快く引き受けてくれた。

むしろ頼られて嬉しそうですらあった。

思うに、こいつも相当ヒマだったのだろう


「では、いって来ますね」


そう言って、再び湖に潜っていくキャスタリア。

がんばれよー

何か鵜飼になった気分だ

ガチャを回している喜びに近いモノがあるなぁ


後ろを振り返ってみると

ミカリンが盾を持ったまま呆然としている。


「アモンどうしよう。戻せないよ」


前回は簡単に光の輪っかを作り出し

アイテムを出し入れしていた。

それが出来なくなっていると言うのだ。


種族は天使なのだから

状態のせいだな

これもレベルを上げて天使化が

出来る様になってからじゃないのか


俺はミカリンにそう説明した。


「そうだよね。今の僕って

輪っかも翼も無いもんね」


「なのでソレはお前が使え」


ミカリンなら聖属性でも問題無い

俺が装備しててレベルが上がった瞬間に

悪魔化が開放され

突然大ダメージくらうとか

それは避けたい。


そんな俺の思惑に気が付いていないのか

ミカリンはやたら感謝してきた。

なんか

罪悪感が・・・


そこへキャスタリアが

サンタクロースよろしく

巨大な布袋を抱えて戻ってきた。


「お待たせしました」


岸辺に広げる。

袋の正体は幌馬車の幌だった。

それに包まれていたのは

矢や投げナイフなど

大漁だ。


気を使って苔などは

キャスタリアが予め落としてくれた

錆は自分達でなんとかしよう


「おお、やったー」


中身を確認すると

俺は喜んで小躍りした。

その様子を見てキャスタリアも満足気だ。


「それとこれは名を賜ったお礼です。」


そう言ってキャスタリアは

動物の胃袋を材料にした様な

水筒を差し出して来た。


お礼は十分だったのだが

今の俺には何でも有難い

礼を言って受け取る。


「入っている水って飲める水?」


「はい。使い切っても時間が

経てば戻りますよ」


おお

お馴染みのマジックアイテムだ。


丁度、喉も乾いていたので

飲んでみたが

うん、うまい

始めは恐る恐るだったが

体が強烈に要求してきた。

俺はギネスにでも挑戦しているかの如く

ゴクゴクと満足するまで飲んだ。


「ぶるわあああああ」


顎を手首で擦りながら

謎の掛け声を発する俺は

水筒をミカリンに渡す。


ミカリンも直ぐに

俺と同じような状態になった。


「ありがとう」


俺は改めてキャスタリアに礼を言った。


「御用の時はまた呼んで下さいね」


キャスタリアはそう言って

湖に戻って行った。

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