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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百九十一話 アホデルタの馬車その後

「俺は今まで何をしていたんだ。」


意識を回復した俺は

見知らぬ馬車の車内

そのベッドに横たわっていた。


「お・・・お目覚めになられましたわ。」


付き添っていたのだろうか

傍らで声がした。

見て見るとスッゲー美人だ。

ただ色気というモノが皆無で

俺的には来ない。


ただこれだけの美人となると

勝手に盛り上がる輩が多く

そいつらが思い詰めた挙句

トンデモナイ行動を取ったりする事もあるだろう。

キレイ過ぎるのも考え物だ。

苦労が窺われる。

かわいそうにな。


俺は生温かい目で

美人を見た。


「どう大丈夫?」


そう言って奥から現れたのはミカリンだ。


「ぐ・・・具合はいかかですか。」


美人はミカリンに言われた事を

確認しようとしているのだろう

話し方から想像するに

大人しく控え目な性格なのだろうか

一言目を発するのに

時間が掛かってしまうタイプの様だ。


「こんなキレイな天使に囲まれているなんて

俺は死んだのか。ここは天国なんだな。」


なんで再起動になったのか

思い出せないが

再起動自体は上手くいったようだ。


俺の華麗なジョークに

美人は頬を赤らめ手で口元を隠し

少し身を引いた。

うんうん照れている姿もキレイですよ。


神経系だけを悪魔化して

自身を走査した。

現状、特に問題は無い

オールグリーンだ。

問題は何で再起動になったのかだ。


「そ・・・そんな、綺麗だなんて。」


美人はまだ照れている。

かわいい反応だ。

そんだけ美人なんだから

もっと浮かれて俺様キャラ化しても

良さそうなモノなのに

まぁこの控え目さ

天狗にならない殊勝な態度も

美人効果を加速させているので良いか。


俺はミカリンに何が起きたのかのかを聞いた。


なんか取っ散らかった様子で

しどろもどろながらも

ミカリンは説明を始めた。

それによると

この美人は12柱の神で

権能を発現したトコロに

運悪く俺が通り掛かり

悪魔である俺にダメージが入ってしまい

ぶっ倒れ、そのまま運び込まれたそうだ。


「そいつは迷惑を掛けちまったな。

済まない。」


「こ・・・こちらこそ、ゴメンなさい。」


会話自体が苦手な様子だ。

この手の手合いは話しかけるのも

追い詰められるストレスになる。

話しかけるにもゆっくりの方が良いな。

うーん

うちには居ないタイプだ。


俺は起き上がると世話になった礼を言い

退散しようとした。


俺の調子を心配し

まだ休む様に提案する美人さんだったが

俺はやんわりと断った。


「もう大丈夫だ。何の権能だか知らないが

俺は近くに居ない方が良いだろう。

自分の馬車に戻るとするよ。

世話になったな。」


俺はそう言って馬車を後にした。

ミカリンも着いて来た。


「えらい別嬪べっぴんさんだったなぁ。

まぁ神側の連中は揃いも揃って綺麗所が多いが」


「アハハ、まぁ冠するのが・・・。」


なんとアホデルタだそうだ。

そりゃあ綺麗なのも当然か

って

あれで男性なのか

信じられん。

ユークリッドの言った事も大袈裟ではないな。

性別の垣根を越える決断をする野郎が居そうだ。

「俺は男が好きなんじゃない。お前が好きなんだ」とか

言ってしまいそうだ。


戻る道中で

ミカリンにこれまでの事を確認した。

再起動の際に洩れた記憶がある事を懸念してだ。


ミネバ復活

同期してユノも快方に向かっているとの事

神々の話合いは彼女らの復活参加で

また仕切り直しだそうで

結論は速くても明日だろう。

その他のすり合わせも記憶と

相違無かった。

単純に帰り道でアホデルタの権能で

ダメージを負っただけのようだ。


それにしても流石は12柱

半魔化でもこれ程のダメージを食らうとは

フルなら灰になっていたかもしれんな。

キャラバン内では完全人化で通した方が良いだろう。

ミカリンを含め頼もしい戦力が揃っているのだから

警戒態勢に不備は無いだろう。



戻る途中で

知った顔も何人か見かけた

進撃の巨顔マウチ君やイジメリーダーも

真面目に役割をこなしているようだ。


キャリアに戻るとミカリンは

入らずそのまま仕事があるとかで

行ってしまった。

単純に俺を送っただけのようだ。

アホデルタの権能発現に

何か責任でもあったのだろうか

後ろめたさみたいなモノを感じた。


そして俺はキャリアで少し横になった。

ハードウェアである身体の再構築が終わり

ソフトウェアに当たる

記憶の復元が行われたようだ。


そして全てを思い出した。


「・・・復讐だ!!」


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