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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百八十五話 ケムトレイル

「お兄様の話の中で伺いたい事があるのですが。」


別行動時の話

かなりざっくりと飛ばしたので

説明不足は否めない。

だがストレガは賢いので

俺の下手くそな説明

それが終わる前に理解している事が多い

なのに聞くと言う事は

はやり理解に掛ける不足があるのだろう。


俺はストレガを促した。


「スライドとは、どういう事ですか。」


「はい、私もそれ気になっていました。」


アリアもストレガと同様だったようだ。


「あれ、説明した事無かったっけ・・・。」


二人共頷いた。

そういえば移動スライドを初めて目撃したのも

別行動になってからか


俺は改めて知り得る限りの移動スライドの知識

推測される発生条件を説明した。


「だから残り時間的にも竜との戦いが

人類の支配種ドミネーター権を掛けた最後の相手だ。

そして、その王がもうすぐ出て来る。

ホントに本当の最終決戦だ。」


全降臨も当然だ。

人が支配種ドミネーター権を奪われれば

神も悪魔もおとぎ話の中に消えるだろう。

呑気にベンチで控えている場合では無い

総力戦で行くべきなのだ。


俺はこの予想も二人に話した。


「その割にはどっちの陣営もまともに

総力戦の様相を呈していませんね。

お兄様ともう一人のシナモンさんだけじゃないですか

支配種ドミネーター権争いで人類に貢献しているのは。」


全くだ。

ケイシオンもオーベルも

この世界では圧倒的な権能を誇るが

相手が違う世界の住人だ。

界外の相手となると自慢の力が効果を発揮しない。


後、シンアモンね。

香辛料じゃないから

まぁどっちもクセは強いかな。


「まぁ悪魔側は俺の話で人類の防衛に

尽力してくれているよ。」


「神側にもう少し働かせないとですね。」


ストレガは憤慨していた。


「まぁそう言うな、どうも今ボロボロらしいから

復活祭のエネルギーでどこまで回復しているか

後、俺の話を聞くかどうかだな。」


その為にも一旦戻らにゃならんワケだが。


俺とストレガの話に参加する事無く

俯ていたアリアがボソッと呟いた。


「・・・・私はいつ消えるのでしょうか。」


「あー消滅ロストじゃない移動スライドだ。

一時的に離れ離れになるが移動スライド先で合流出来るさ。

合流すれば離れ離れだった事も覚えていないさ。」


多分。

俺だって分からん。


「でも今、移動スライドしてしまったら

この戦いに貢献出来なくなってしまうのですよね。」


真面目だなぁ。


「アリア、気持ちは嬉しいが

もうこの戦いは人類の戦力ではどうにもならん。

戦いで絶命すればそれこそ永遠のお別れだ。

正直人類には一人でも多く先に移動スライドして

安全な場所で待っていて欲しいと思って居る。」


それはそれで

神も悪魔もエネルギーの補充に事欠いて

敗北に繋がるんで

痛し痒しなんですけどね。

ここは良い人面しておこう。


アリアは複雑な表情だ。

自分でもどっちが良いのか

どちらが希望なのか判断付きかねるだろう。

当たり前か

こんな事迷わず即決出来る奴はいないだろう。

移動スライド先が安全な人類が支配種の世界

その保証は無いのだ。

人類側が敗北すれば

移動スライド=絶命と同意だ。


「発生条件が成すべき事を終えると・・・ですか。」


「それも今までの移動スライドを見て来た

俺の感想で正解かどうか怪しいんだがな。」


まぁ正解を知っている者もいないだろうが。


「まぁ私にはあまり関係無いですね

私の成すべき事はお兄様と共に在る事ですから

お兄様の移動スライドに合わせて私も

移動スライドするとしましょう。」


即決してる奴がいた。

しかも自分の意志で出来るかのような言い方だ。


「人化してひと眠りしたい。

今日はここまでだ。明日の夜でもまた来るよ。」


黒い球体の観測もしたいしな。

今日見た大きさは記録してある。

一日でどの程度大きくなるのか調べたい。


「分かりました。魔導院の状況も

報告出来る様にしておきます。

ミカリンやヨハンお兄様達に

宜しくお伝え下さい。」


ストレガなら任せて置いて安心だ。

と言うか俺より優秀だろう。


去り際、ベランダに出た俺にアリアが近づいて来て

耳元で囁いた。


「・・・ああ、別に構わない。

じゃ明日な。」


俺はそう返事をすると悪魔男爵バロン化して

飛び立とうとしたが

二人は大パニックになった。


「「臭っさああああああああ!!!」」


ああ

ベレンではずっとこの形態だったから

悪魔男爵バロン状態で匂いが染みついてしまったのか。


俺はワザと大き目に羽ばたいて

逃げる様に飛び立った。


大気操作をしないで超音速飛行した。

轟音が発生するが

どうせベレン付近に人はいない

それよりも

圧縮された大気と発する熱で

少しは消臭出来るのでは無いかと思ったのだ。

途中からはウォーターシュートも併用し

常に水を浴び続けた。

すんごい長い飛行機雲が出来た。

しかも通常の飛行機雲と異なり

直ぐに消滅せず、通常の雲と同様に

ずっと残った。

水蒸気の量がケタ違いだからだ。


「なんかケムトレイルみたいになったな。」


まぁこの雲にあの悪臭の成分が紛れているなら

完全にケムトレイルだ。


一応気を使って

キャラバンの手前で冒険者ゼータ姿にチェンジし

適当な近くの人気の無い林に着陸し

そこからは徒歩だ。


コレなんか懐かしい。

一周目はよくこうしていた気がする。


----------------------------------------------

ケムトレイル 航空機から散布される

       有害な目的を持った人工物質

       オカルト界隈では常識

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