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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百七十五話 再会ミカリン

ミカリンがこちらに向かった。

視点変更でその飛行を確認した。

うん

やはり悪魔男爵バロンと違って

飛んでいる姿は美しいなぁ・・・。


そして

俺は焦った。


あれ?

今、味方だっけか・・・。


大小12枚の翼が黄金の光をたなびかせ

華麗に飛行している姿。


今のミカリン・・・

いやこの姿だとミカと呼びたくなる。

最終決戦の時の姿だ。


呪いが解除されてしまい

保険は無い。

尚且つ、当然と言うべきか神側と行動を供にしている。

ミネバあたりから「隙見て始末しとけ」とか

言われていたら、神の僕である天使は

逆らう事が出来ないハズだ。


言われていなくても

ミカの自由意志で

「奴隷時代よくも好き勝手してくれたな。」と

俺に攻撃が可能だ。


今の関係

どうだったっけなぁ

アレ?

最近バリエア絡みで忙しかったせいか

よく思い出せない。

焦る。


仮に今戦って勝てるか・・・。


前回は勝ち目が無かったが

今はあの時と状況が異なる。


俺の方はゲカイちゃんのお陰で

前回より強くなった自覚はあるし

反対にミカは弱体化している。

前回は先に退場した3天使の力も流れ込んでいた。

それだけでなく

最高神エグザスの助力まで得ていたが

今は無いハズだ。

帯剣している得物もレイバーンでは無く

俺のレフバーンだ。


うげぇ

レフバーンでも結構ヤバいぞ。

渡さなきゃ良かったか

いや、でもそのお陰でバング戦では大活躍だったからなぁ

・・・。

って前回もレイバーン自体は振るわれる前に

ヴィータがナイスな処理をしたんだっけな。


勝てるか?

炎化の無敵状態に今の悪魔光線が通じるかどうかが

勝負の鍵だな。

先に確かめる術は無い。

どうする

今撃ってみるか?


などと焦って考えを巡らせている

俺を尻目にウリハルは見えて来たミカの姿に喜び

御者席から立ち上がり手を振り始めた。


俺の時もそうだったが

こいつ外見に惑わされず人を判別するんだな。

「ミカリーン!」とか言ってるぞ。


視神経だけ悪魔化していた俺だが

それもそろそろキツくなる距離に

ミカリンは迫って来た。

どうする

撃つならココがリミットだ。


その決断はデビルアイが捉えたミカの表情で決まった。

ミカリンは喜びの表情で泣きじゃくっていた。


「アアアアアモオオオオン!!」


はぁ

大人ミカリンの折角の凛々しい顔が台無しだ。

あれですわ。

この泣き顔は以前散々見た顔だ。

転んで膝を擦り剥いた時の顔だ。


俺は視神経も人状態に戻した。


「テーブルとか出すか。」


戦闘は無いな。

そう判断した俺は

ミカリンを迎える為、キャリアから下りて

お茶会セットを広げ始めた。

完成前にミカリンは着陸し

ウリハルと喜びの再開をし始めた。


「何してたんだ。こんな所で」


俺と違って翼を無くす事は出来ない天使だが

ミカリンは器用に最小化し

背もたれのある椅子でも問題無く着席出来た。


戦闘は無い

安心した俺は想定されるミカリンの

現状を思い出していたのだ。


ネルネルドから撤退するキャラバン。

その随行だった。

ベレンまで戻らずとも途中の町に行きついていたハズだ。


ストレガとアリアだけは

別行動で魔導院のあるドーマに行っている。

この二人の現状も気になる。


「何って・・・護衛するキャラバンの斥候だよ~。」


本隊であるキャラバン。

非戦闘員も多く含むその集団が

戦火に巻き込まれない様に

先行して敵の存在を調べ

倒せるようなら始末

倒しきれないようなら戻って

キャラバンの進行停止と

味方を連れての再出撃だ。


成程、空を飛べる最大戦力であるミカリンなら

最も有効的な役割と言えるだろう。


だが

場所がおかしい。


「どこに向かってんだ?」


キャラバンは

今現在ベレン←→ネルネルドの中間の南方面に居るハズで

ベレン←→バリエアの西方面には居ないハズなのだ。


「・・・えーっっとユーさん、何て言ってたっけかな?

確か・・・バ・・・バリカタ?」


豚骨ラーメンか。


「バリエアじゃないのか。」


「そう!確かそんな名前。」


正解を聞いても思い出せないようだ。

お前、本当に人間界どうでも良いのな。


「何でバリエアまでキャラバンが向かうんだ?」


俺はベレン途中の集落まで向かう予定だった事を話した。

俺の記憶は間違いでは無かった。

確かにキャラバンは当初その予定だったのだ。


「それがさぁ・・・。」


そこからのミカリンの話は俺の想定を超えた内容だった。


行く先々の集落は既に竜に襲われた後か

襲撃中だったというのだ。


「ゴールの無いまま、避難民だけが

雪だるま式に増えてちゃってさぁ。」


巨大に膨らみながらキャラバンは

結局ベレンまで戻るハメになった言うのだ。


「ハハ、災難だな。」


そりゃ泣きたくもなるか。

・・・・ん

でもそれならベレンでゴールじゃないのか。


俺はそう言った。

ミカリンはあっさりと

恐ろしい返事をした。


「ベレンは廃都だってさ。」


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