表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
443/524

第四百四十二話 バリエア防衛会議

「何故だね。今は付いていないが

大型弩砲バリスタの増設は十分可能だ。」


反論を訴えるエロル皇帝

テーンも同意した。


「陥落という結果ではあったが

大型弩砲バリスタはワイバーンにも有用だと

魔勇者殿も仰っていたではありませんか。」


ここに来るまでにデビルアイを使用していないので

強度など細かい内部構造は把握していない。

流石、最新技術で建造された首都だ。

魔導院や教会の技術がふんだんに盛り込まれていて

ここで半魔化などしようものなら

瀕死になるかも知れない。

今回は人間がデフォルトなので

宮本たけし姿なら問題は無いが

前回の人化ではヤバかったかも知れない。

それ程のレベルだ。


中身を見る事が出来なくても

外観から想像するに強固な作りだ。

大型弩砲バリスタだけで無く

もしかしたらアベソーリの主砲も

設置可能かも知れない。


しかし、問題はソコでは無いのだ。


「外れた矢はドコに落ちる?」


「「あっ!!」」


「見事、命中したとしてもワイバーンは

ドコに墜落するんだ。あの巨大生物が

この高さから・・・。」


円形の都市構造

魔法陣を模していると思われ

王城はその効果を最大限享受しうる中心部だ。

どこに向けて撃っても

城下町に落下する事は間違い無いのだ。


「何と言う事だ・・・。」


項垂れるテーンとは対照的に

不気味な笑みを浮かべるエロル皇帝。


「フッフッフッ魔勇者殿

我がバルバリス国民を甘く見てもらっては困るな。」


「「エッ?」」


「失う事を恐れる事より

新たに得る喜び事を選ぶ民族だ。

壊れた?まーた建てれば良いでは無いか。」


拳を握りしめ熱く語るエロル皇帝

慌ててテーンが突っ込んだ。


「へ陛下、流石に市民の命を犠牲には・・・。」


「たわけ!そんな事をする訳無かろう。

そのワーバーンとやらは飛行して来るのだろう?

神出鬼没という事で無ければ

十分に避難する時間の余裕があろう。」


良かった。

民の命なんぞ知った事か系じゃ無い様だ。

ワイバーンです。陛下


「避難と申されましても一体何処に」


「フハハハハハハッ本邦初公開

他言無用だぞ。

聞いて驚けぃ!何とバリエアの地下には

大小合わせて千を超える地下壕があり

バリエア市内ならどこからでも30分以内に

地下に避難が可能なのだっ!!!」


おいおい

前回、何で滅んだと思ってるんだ。

津波だぞ。

地下に逃げ場作ったのか。

バカなの

死ぬの

つか

本当に死んじゃうよ。


「おぉ何と!!」


ホラ見ろ

普段は冷静沈着なテーンも珍しく

ビックリしてらっしゃるじゃあーりませんかアーリマン。


「素晴らしい!!」


って喜んでるーっ!!


「極秘で進めたハズなのだが

何故かベレンに洩れて

同様の避難所が存在したらしい。

まぁ結果的にそれで多くの民の命が

助かったと聞くので不問とするが

ええい、やはりユークリッド辺りが漏らしたのか・・・。」


すいません陛下

掘ったの俺です。


「成程、であれば対空兵器の設置が可能ですね。」


気を取り直して

俺はそう言った。


「どの程度の重量や負荷が許容範囲なのかは

設計者と相談していただこう。

と言うか俺は知らん。

答えられんので聞くな。」


正直な人だ。

細かい事は良いが

強権は発動して頂こう

俺はエロルに提案した。


「連射可能な大型弩砲バリスタが現在

クリシアで開発中です。

その設計図を入手するよう

配下の者に指示してください。

ネルドの敗北は連射が出来なかった事に

大きな要因がありますので」


考えるのが面倒くさい。

コメエライには悪いが

利用させてもらおう。


「何と・・・ふむ

怪しい動きは恒常の国だが

そんな兵器まで拵えていたか。

あいや分かった。

それは手配しよう。」


何で俺が知っているのかは聞かないのか。

それも配下の者に命じるのかな。


こんな流れで防空体制の構築の

大まかな流れが決定した。

後は設計を担当したドワーフに一任するそうだ。


話が終わったかと思ったが

エロルは次の話題を振って来た。


「と、ここからは魔勇者殿と二人だけで話がしたい。

シキ嬢は済まないが退室願おうか。」


「なりません!危険です陛下!」


えーと

どっちが?


「俺が魔勇者殿に後れを・・・。」


「取ります!!死んだ事も自覚出来ない

刹那の瞬間で陛下を亡き者にする事が可能なお方です。」


キメ顔で言っていたのを

遮る様にテーンは言った。

ちょっと悲しそうな表情になるエロル皇帝。


「先程、従者にはああ言いましたが

私ではその気になった魔勇者殿を止められません。

ブチ切れさえしなければ絶対安全の確信があった故

申し上げた次第です。ブチ切れる前ならば

私で諫められましょう。」


「・・・ブチ切れる・・・のかね?」


怪訝な表情で尋ねるエロル皇帝。

俺はそんな事は無いと言おうとしたが

口調の強いテーンにかき消された。


「はい!一度決壊すれば破壊神の如き所業です。」


ヒドい言いがかりだ。

何を以ってそう判断したのか

尋ねようとしたが

またも口調の強いテーンにかき消されたが

俺の質問しようとしていた事の答えでもあった。


「ガルド学園、在学時に学園に蔓延っていた・・・。」


早口で出るわ出るわ

イジメネットワーク力づく服従から

フレアスカート壊滅事件から

様々な出来事。

言われてみれば俺は


全部、暴力で決着して来たんだ。


「フハハハハ!!痛快よ。

実に良い、俺もこんな立場で無ければ

そう生きてみたいものよ!!」


意外にもエロル皇帝的には高評価だった。

暴君の素質があるのか。


「陛下、本当の事でございます。」


テーンは話の内容を信じていないと判断したようだ。


「要はキレさせなければ良いのだろう。

なぁに心配は要らん。

機嫌を損ねる様な話では無いのだ。」


「しかし・・・。」


食い下がるテーン。

時間が勿体無い

俺は割って入った。


「陛下の折角の心遣いですが

テーンには余計だったようです。

女性ではありますが

彼女はれっきとした騎士です。

遠慮する事はありません。

鋼の意志で表情一つ変えず

控えている事が可能です。」


「?リ・・・魔勇者殿は陛下の話の内容

察しがついておられるのか。」


俺の言葉にキョトンとした表情になるテーン。

ふふ

耐えられるかな。


「当たり前だ。男だけの話題だろ。

陛下は俺への褒美に女をあてがって下さるのだよ。」


キョトンした表情から

更に口があんぐりと開くテーン。

俺は構わず話を続けた。


「陛下、私は基本何でも来いですが

出来ればおっぱいは大き目が好みです。」


「おぉ俺も胸の大きな女性は好みだ。」


「何と言うか、豊かな気持ちにさせてくれますよね。」


「分かる!分かるぞ。」


鎧の音を激しく立てながら

テーンは部屋から飛び出して行ってしまった。


「何かあればベルをお鳴らし下さい!!

直ちに参りますのでっ!!」


声の最後の方は泣いている感じだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ