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ぞくデビ  作者: Tetra1031
431/524

第四百三十 話 アイギスの力

気になる事はいくつもあった。

まずはドラゴン種だ。

この世界の者は誰も

人は勿論、神側も悪魔側もドラゴン種を知らなかった。

しかしヴァサーは知っていた様だ。


「私も見た事は無いんだ。

アモンからそういう魔物がいるからと頼まれただけでね。

まだ会えていないのさ。」


「これよ。」


ヴァサーの返答に合わせる様に

アイギスはスケッチブックを取り出して見せた。

各竜ドラゴン種の絵だった。

・・・ヒドイ絵だが

俺よりは多少マシだ。

特徴はしっかり描けているので

これなら何とかと言うレベルだ。


話を更に聞いて見ると

やはり魔界にはドラゴン種は居らず

シンアモンさんに限っては知っていた様だ。

これはシンアモンさんに聞くしかないか。


「何で敵側の陣地を防衛するんだ。」


ベレンがアレな今

バリエアは教会、バルバリスの

今後の拠点になるだろう。


「地上のアモン、注意しておくが

神、天使は討伐しても

人は防衛せよ。

それが例え神の信徒であってもだ。」


「フフ、そんなバカなと

今、疑っているかしら。」


アイギスの茶々を相手にする事無く

ヴァサーは今回の全降臨の説明を

熱心にし始めた。

内容は俺の認識と一致していたので

注意点のキモを先読みして

ヴァサーのタイミングに合わせて

被せて喋って見た。


「なんだ、理解しているんだ。」


「・・・つまんない。」


ホッとした様子のヴァサーと違い

アイギスは膨れた。


「私自身、実は信じているワケでは無いのだが

アモンから異常なまでの迫力で念押しされてね。

不本意ながら防衛をしている。」


「内容は信じられないけれど

アモンの怖さは疑いようがないわ。」


二人共口を真一文字で

多少の不平不満が見えた。


ここでカマを掛けてみた。


「アモンって魔神だろ、配下であって

魔王の方が地位は上なんじゃないのか。」


二人共揃って目を閉じながら

複数回、同意の表現で複数回頷いた。


「全くもってその通りだが

アモンには、あまりそう言うのが・・・。」


「通じないのよ。殴り倒された

魔王は数知れず・・・・

あなたなら勝てるんじゃない?

倒してくれたら私の騎士にしてあげるわよ。」


なります。

いやや待て待て


「魅力的な提案だが、俺の意見も

アモンと同じなんでね。」


俺はやんわりと断った。


まぁ一位のババァル自体が戦闘力0だったからなぁ。

そう言えば魔王の順位付けは

どんな理屈で決まっているのだろう。

続けて聞いて見た。


「うーん、影響力と言えば良いのかな。」


「家柄でしょ。」


二人の意見、と言うか感想が異なるのか

ハッキリした決まりがある様で無いみたいだ。


ヴァサーの理解だと

ババァルのあの圧倒的な魔力供給力と

神の光に対抗しうる暗黒の力は

文句無く一位だろうだ。


そうなると次の疑問が出て来る。

この幼女が何で二位なんだ。

自分の理解通り家柄なのだろうか

それなら納得だ。


しかしヴァサーの説明は

俺の想定外だった。


アイギスの能力、疑獄

これは単純に言うと

疑心暗鬼に陥らせる能力だ。


「ダッソの幻とどう違うんだ。」


全然違うそうだ。

見せられる幻には抵抗、対抗策が存在するが

自身の内側から沸き起こる疑いの念は

それが存在しないそうだ。


「信じるとは裏返すと反対の事を

知っていてこそだからね。」


疑いの念。

それを根底から削除する事は出来ない。

信じるという行為は強固な意志で

それ封じ込める事でもあるのだ。


彼女の権能で

ありとあらゆる事を疑い初めれば

末期には親兄弟恋人でも殺害に至る。


恐ろしい能力だ。

ババァル同様、特に本人は何かせず

そこに居るだけで良いそうだ。

ババァルが無限の魔力を供給する存在ならば

アイギスは無限の魔力を周囲に生産させる存在だ。


「良い事ばかりでも無くてね・・・。」


良い事じゃねぇだろ

いや悪魔的には歓迎か

むしろ悪魔らしい力と言えるか。

特に神側には痛い能力だ。

人間達の信仰が総崩れになる。


「何がマズいんだ。」


何と

味方もボロボロになるそうだ。


「一致団結する神側と違って

自由な悪魔だから多少マシなんだけどね。」


素敵な笑顔でそう言うヴァサー。

確かに報連相から何から

悪魔軍団は自由過ぎだ。

ダークやナナイは珍しい部類に入るのか。


「いっ一緒に居て大丈夫なのか・・・。」


「フフ、怖い?ねぇ怖い?」


嬉しそうなアイギスだ。

いや

俺の台詞の意味はヴァサーに向けて言ったんだが


「そんなワケで今回はこんな状態で

現界して貰ったよ。人間共に殺し合いを

始めさせては本末転倒だからね。」


幼女。

ビルジバイツもそうだった。

権能の保有量が肉体年齢に反映されると言う事か。


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