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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百二十二話 クリシア竜対策会議

魔神13将、序列第三位

幻のダッソ

その通り名の通り権能は幻を自在に操る事だ。

自分より上の相手には通じないので

俺には何とも無かったが

これは無敵と言って良い力だ。

いかな攻撃も防御も回避も

正しく現状を認識で来てこそだ。

それが根底から信用出来ないモノに

変えられてしまう。

これが戦闘力で秀でていないにも関わらず

ダッソを第三位にした理由だ。


仮に俺がこの能力を持っていたらなら

幻でハメた相手に

「一体いつから幻だと勘違いしていた。」と

低い声で言うに違いない。

この決め台詞は絶対に言ってみたい。

羨ましいぞダッソ。


そのダッソは丁寧に下ろされ

拷問から一転

腫れ物を扱うかのようにケアされた。


「お前たち仮にも魔神13将に

こんな事をしてタダで済むと」


怒りの表情で恨み言を言い出すダッソ

その言葉を遮る様に俺は制した。


「タダで済ませろ。

魔神13将ともあろう者ものが

下級悪魔レッサーデモーモンと悪魔市民相手に

無様過ぎるぞ。他の連中には内緒にしてやるから

この件に関して彼等を責めるな。」


俺は笑いながら、目はマジでダッソを睨んで

そう言った。

少しオーラを乗せて置く


「ぐっ・・・・これには理由が」


ビビりながらも

釈明に挑むダッソ。

まぁ本人だって不本意だったよな。


「割り当てが少ないんだよな。

見れば分かるよ。」


初見で爆笑して

デビルアイで走査して二度目の爆笑だ。

こいつのボディ、魔神はおろか悪魔市民だ。

能力が連動するなら

下等悪魔レッサーデーモンであるベルタにも

幻が効かないハズである。

そして悪い事に

幻以外の能力は


大した事無い奴だ。


そら捕まってぷりぷりにされてしまうのも

頷けた。


降臨のエネルギーの割り当て

誰が決めているのか知らないが

間違いなく切った扱いだ。

可哀想に


ただ気になった事もあったので

俺は続けてダッソに聞いた。


「お前の能力は肉体の強さに依存するのか?」


連動しない場合がある。

前回のゲカイがそうだ。

身体能力的には彼女も

悪魔市民レベル、見た目通りの少女の腕力だった。

しかし解除の権能はバツグンで

俺の悪魔光線すら「それ無し」と無効化して見せたのだ。


「そ・・・それなんですが。」


聞いて見たトコロ

幻の質、威力はそのままなのだが

対象が1人に限定されてしまったそうだ。


「ショボ!!」


俺は思わずそう言ってしまった。

前回は一都市の住民全員を

幻で包んで見せたのだ。

それが、お1人様限定って

これは使い勝手に悩むな。


「・・・申し訳ございません。」


なんか泣きそうな顔だ。

・・・泣きたいよな。


「ベルタ。」


「はっ。」


本題に入るか。

俺はベルタにクリシアの首脳陣を招集するように言った。

ベルタは直ちにと即答し

俺とダッソとアンナは先に

黒い教会の大会議室でもてなされながら待った。


「知らぬ事とは言え、大変失礼を致しました。」


ダッソが偉い悪魔だと知り

すっかり恐縮したアンナは

俺を間に挟む恰好で座り

俺越しにダッソに謝罪した。

ダッソからは俺が盾に見えているに違いない。


「失礼を致しました。」


援護射撃しておこう

俺もアンナの言葉尻を真似して

繰り返した。


「全てはアモン様の御心のままに・・・。」


納得しているのかしていないのか

微妙な表情で返事をしたダッソ

俺の居ない間に変な仕返しはしなさそうだ。


小一時間程で人間種を含む

クリシアの要人が集合した。

何とクリシアの総理も居た。


「こんなすぐ来れるとは暇なのか。」


俺が総理にそう言うと

総理は涙ぐんですごい速さで

説明を始めた。

全ての予定をキャンセルして駆けつけたそうだ。

後の調整が大変だそうだ。


「アモン様にその様な物言い

総理、死にたいのかね。」


ベルタが目を光らせてそう脅した。

途端に顔面を蒼白に変化させ

速さはそのまま弁明に変わった。


「いいんだベルタ。俺が聞いたんだ。

忙しい所済まないな。」


「ハッ。」


仰々しく頭を下げるベルタ。

総理は今度は顔面を紅潮させ

速さそのままで恐縮し始めた。


信号機みたいに色を変える人だな。


「ただ、それだけの意味があるんだ。

心して聞けよ。」


俺は語気を強めてそう前置きをした。

場に緊張が走った。


いいねぇ君たち

良いリアクションだよ。


俺は気分良くドラゴン種の説明と

既にネルドとネルネルドが壊滅した件を話した。


「標的は人間のみだ。まぁだから

クリシアにもいずれやって来るだろう

下手すると滅びるぞ。」


俺はそこまで説明して

皆がついて来れていない事に気が付いた。

突拍子も無さすぎて飲み込めない

だがネルド、ネルネルドが滅んだなんて

そんな嘘を言うはずが無い。

この二つで脳の回転が止まってしまっている様子だ。


「アモン様、ほ本当の話なのですか・・・。」


幻を操るダッソには

見た聞いたレベルでは真実にならないだろう。


「既にビルジバイツ組は交戦した。

悪魔連中はみんな無事だが

飼っていた人間はほぼ全滅だよ。」


「なっ何と!!」


交流のあったベルタは

珍しく動揺を見せて驚いた。

ダッソはビルジバイツが

地上で既に活動していた事に驚いていた。


「こうなる前にババァルを確保したかったんだがなぁ」


ビルジバイツはババァル捜索の為

ゲレードダウンまでして

地上に来ていた。

これが如何に大事な事だったのか

丁度よいのでドラゴンを補強材料に

協力しなかった連中にちょっと嫌味を与えてやろう。

ダッソに言っておけば

続いて合流する連中にも浸透するだろう。


「何ともその通り、ババァル様さえ健在なら

私だって全力で降臨出来たでしょうに

くぅ全ては後の祭りですが。」


悔しさと後悔に

拳を震わせるダッソ。

余程ぷりぷりが身に染みたか。


保有魔力ぶっちぎり一位で魔王のTOPだったからなぁ

前回の魔神共も力使いたい放題だった。


「あの質問よろしいでしょうか。」


総理が挙手してそう言った。

俺は顎で許可を出した。


「言葉の説明だけですと

そのドラゴンとやらの魔物の

姿がイメージ出来ません。

絵で示して頂けると」


絵か

俺は席を立ち

後ろの黒板に姿を書いて

これはワイバーン

これは地竜

そしてまだ会ってないけど

古龍エンシェントドラゴンの想像図を書いた。


「こんな感じだ。」


手に付いたチョークの粉をパンパン叩いて

落としながら振り返ると

場には珍味が溢れかえっていた。


余計分からない。

下手過ぎて分からない。


命が惜しくて言葉には

出来ないが

生暖かい皆の微笑みが

十分にそれを物語っていた。


くそ

書けっていうから

書いてやったのに

何だその反応は

ええい

ダーク

ダークは居らぬかっ


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