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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百二十 話 悪魔の所業は悪事ですから

「言われてみれば、確かに我らには目もくれず

ひたすら人間共に襲い掛かっていたでござるな。」


まぁお陰で踏み潰されただけで

助かった魔神がいるんだがな。


「単に腹が減っていただけかと思うとったが

そういう理屈なら納得じゃな。」


地竜も人間を捕食する様だ。

ビルジバイツは目撃してい居た事をほのめかした。


「で、お前ら人間共はどうなったんだ。」


上空から見た限り

建物の残骸と幾つかの地竜の亡骸

後は火災の後などで

戦い自体は終了していて

人も竜も居なくなっていた。

敗走したミガウィン族の連中は

一体何処まで逃げたと言うのだろうか。


「あ主様をお守りするのが精いっぱいでのう・・。」


フクロウはそっぽを向きながらそう言った。

これは全滅だな。

みんな食われた。

もうここには人が居ないので

竜共は戻って来ないだけだ。

常に注がれていた恐怖の念

その供給元が無くなってしまい

ビルジバイツはこの有様という訳だ。


「ふむ、過ぎてしまった事は

もう仕方あるまい。

それよりもこれからの我らの方針

というか戦い方なのだが・・・。」


ナナイがそう言うと

ダークがすかさず答えた。


「人間共を保護する方向に

方針を変えざるを得ないでござるな。」


「なっ・・・イカンそれでは・・・。」


フクロウが素っ頓狂な声を上げた。


「じゃな・・・これは分が悪い

いや悪すぎるぞ。」


言わんとする事が分かったのだろう

ビルジバイツは苦虫を噛み潰した様な表情で言った。


人を救えば

その喜びと感謝の念

悪魔には害にはなっても利にならない。

むしろ神側を強化してしまう。

かと言って

このまま竜共を見過ごせば

悪魔側も飢えるのは必至だ。


「アモン、どうするのだ?」


さも当然かの様に俺の意見を聞いて来るナナイ。


「は?俺はどうもしないぞ。

神側にも悪魔側にも与しないと言ってあるだろう。」


練習でもしたかのように

揃って項垂れる一同。

ガックリを言う音が聞こえてきそうだ。


「悪魔側で考えろよ。

そう言えば他の魔王や魔神はどうしたんだ。

神側は何か揃ってるっぽいぞ。」


神側よろしく悪魔側も

俺の抹殺でも画策してやしないかと

実は内心ドキドキしていた

自分が馬鹿みたいだ。


「・・・それがじゃの。」


降臨自体は行われたものの

どこに

誰が下りたのか

全く分からないそうだ。


「何やってんだ。」


本気で呆れた声が出た。


「し仕方が無いじゃろう。

全降臨など初めてじゃ

何にも分からんのだから

対応の仕様も分からんのじゃ。」


「オーベル、お前何か見えないのか」


「いずれ視える時が来ますですじゃ」


本当に使えない予知だ。


「ええい、仮に集合出来たとしよう。

誰が指揮を執るんだ。

そいつが首を縦に振る案でないと

今ここで何を話し合っても無駄だぞ。」


これまた練習したかのように

揃って首を傾げる一同。


「階位的にはババァル様なんじゃがのぅ」


魔王序列一位は

こんな大事な時に行方不明だ。


『申し訳ありませんですわ。』


まぁ居ても大して変わらんだろうがな。


『ヒド・・・・うーん』


おい

自分だけは自分を見捨ててはいけないぞババァル。


「序列二位の魔王って誰なんだ?」


ババァルが参戦不可能となれば

そいつが責任者だろう。

小梅から教わったハズだが

すっかり忘れている俺はそう聞いた。


「疑獄魔王、アイギス様ですじゃ。」


フクロウが言葉に重みを含んで答えた。


おぉ

何かカッコ良いじゃないか

疑獄ってなんだぁ。


「あ・・・アイギス様である・・・な。」

「処罰覚悟で言わせてもらうと拙者には無理でござる。」


魔神二人も嬉しく無さそうだ。

まぁ二人ともババァルの騎士だから

他の魔王に良い顔は出来ないのかも知れないが

任務となれば私情を挟まない悪魔忍者のダークですら

そんな言い切り方をするとは

一体どんな魔王なんだ。


うん。

聞かないでおこう

嫌な予感しかしない

もう俺は与しないんだし

知らなくていいよね。


大体一位がアレだ。

強さで選出されたのでなく

魔力とバストが豊な量だっただけで一位だからな。

二位も戦力や頭のキレでなく

単純に電池として二番目にデカイってだけかも知れない。

単一が単二になったぐらいなんじゃないのか。

しかも

使用頻度としては単三か単四の方が上だよね。


魔王を当てにするのは止めよう。


魔神だ魔神。

前回もそうだったじゃないか

魔王なんて飾りで

実際の脅威は魔神軍団だ。


シンアモンさんも

もうこっちに来てるハズだ。

単純に戦力が欲しいなら

もうあの人さえいれば良いだろう。


アホみたいに強いからな。


ただ連携を取らなさそうだな。

自由に暴れまわりそうだ。

まぁアレが暴れるなら


すぐに分かるだろうから


あえて探すまでも無いか。

そうなると優先順位としては


13将、技の魔神ベネットだ。


あいつは強いだけでなく頭もキレる。

こういう時には頼りになりそうだ。


「来いよベネットー。」


思わずテントの中で叫んでしまった。

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