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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百十八話 能天気悪魔軍団

「こんな大変な時にペッタンコになって

遊んでやがってどういうつもりだ。」


絨毯ならせめて腰掛けてやるのが供養ってもんだ。

俺は悪く無い。


「遊びであんな事になどなるものか!!」


聞いて見れば

四足歩行タイプのドラゴンの襲撃だったようだ。

確かに思い返してみれば

空から見た残骸

ボディは太目だったし

鱗の色も異なった。

何より翼の皮膜が見当たらなかったな。


ミガウィン地方を襲った竜は別種だ。


勇猛果敢に迎え撃ったナナイの

冠婚葬祭は見事、地竜の眉間を貫き

貫いたが、勢いはそのまま

大群に踏み潰されまくったそうだ。


「災難だったな。」


ただのバカだが

体を張った笑い

嫌いじゃないぜ。

最近のお笑い芸人にも見習って欲しい。


ちゃんと直ったかどうか

気になった俺は聞いて見た。


「元通りに膨らんだか?」


「ああ、スッカリ。貴様の悪魔力には

いつも助けられてしまうな。」


「元通りなのか?」


「・・・・だ。」


胸がペッタンコだが

ナナイって埼玉出身だったっけ?

通じるギャグじゃない。

言わぬが花だ。

スルーしよう。


俺がそう決めた時ビルジバイツが

話を元に戻した。


「見た事も無い魔物

それに爺の予知に掛からなかった。

あの魔物はもしや・・。」


オーベルの予知は俺やバングなど

この世界以外の存在を捉える事が出来ないのだ。


「そうだ、俺と同じ界外の存在だ。」


俺はドラゴン種の説明をした。

まぁ例によって確証は無いのだが

強さ的に差異は無さそうだ。

この設定で押し進めてしまおう。


「待たれよ!それではその上級種となれば

魔王をも凌駕しかねないでござ・・・ハッ!!」


勢いで失言してしまったダーク。

気が付いたが間に合わなかった。

恐る恐るビルジバイツの様子を窺った。


「良い。妾も同じ意見じゃ。

ただ地上のアモンの言う事が

本当ならばじゃがな。」


冷静に言うビルジバイツに

俺も乗っかって置いた。


「外れるコトを祈ろう。

近い内に嫌でも遭遇する事になるだろうからな」


バング、メタボに続いての戦いの相手だ。


「ふふ、これは実に有利な展開ですじゃ。」


フクロウが含み笑いでそう言った。

どこがだ?

俺はその疑問をぶつけて見ると

オーベルは続けた。


「神でも手こずります事は確実

その竜とやらに信者と神が疲弊すれば

我らは苦も無く覇権を取れますじゃ。」


「ふむ、我らはひたすらに逃げておれば

怨敵は竜が始末してくれるという訳か。」


ビルジバイツも頷いた。


「それならば次こそは拙者も

お役に立てるでござる。」


暗躍するのが真骨頂の悪魔忍者。

その技も暗殺に傾倒したものが多い為

堂々と姿を晒しての集団肉弾戦は

どうも勝手が違うようだ。

クナイ投げや火炎でダークも

地竜と戦ったようだが

やりにくかったそうだ。


「これで勝つるのじゃ!!」


ビルジバイツが


小っちゃい身体で


仁王立ちして

そう宣言すると悪魔軍団はハシャイだ。


俺は無言で眺め続け

悪魔軍団が落ち着くのを待った。


やっと俺の様子に気が付いたダークが

冷静に戻って聞いて来た。


「アモン殿。何かマズい事でもあるでござるか。」


俺は黙ったままビルジバイツを指差し

言った。


「そう上手くはいかん

何で小っちゃくなってると思って居るんだ。」


最近は俺のストライクゾーンまで

あと少しの成長ぶりだったのに

今は出会った頃の幼女状態だ。

飴を上げたいぐらいだ。


「は?ああコレか。これはの」


地竜を迎え撃ったモヒカン並びに

蛮族の精鋭だったが


まるで相手にならず。


ことごとく蹴散らされ

勢いは最初だけ

生き残りは

蜘蛛の子を散らす様に敗走したそうだ。


「まぁ脆弱な人間では致し方無しよのぅ。」


ビルジバイツは軽くそう言って笑い。

残りの悪魔もそれに続いた。


「やっぱり分かって無いのか。

勝利ばかりを考えて

敗北条件を考慮していないようだな。」


これは予想外だ。

頭が痛くなって来た。

これでは神側の方がなんぼかマシであろう。


「敗北・・・条件じゃと?」


全く思い当たらないのだろう。

大きく赤い目でキョトンした様子になるビルジバイツ。


この姿はツボだ。

とても可愛らしい。

性的には何にも来ないが

ナデナデしてあげたい。


その気持ちを抑え

俺は全降臨の仕組み

予想ではあるが間違い無いと確信があった。

それを悪魔軍団に語って聞かせた。


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