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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四百十六話 教えてドラゴン

アリアだけでなくストレガも一緒に来ていた。

何事かと尋ねると

俺の夕飯を作りに来てくれたと言う

俺は素直に喜んで甘える事にした。


二人はもうアベソーリでブリッペ料理を

頂いていると言う事で

出来上がった夕飯は

俺専用だけあって好みの物だけだった。

料理中、ストレガは熱心にレシピを

アリアに教えていた。

アリアの方もメモを取りながら

真剣に聞いていた。

なんだろう

まぁ俺にしてみれば有難いのか


「ビビビさんもガガガさんも

もうすっかり馴染んでいますよ。」


食いながらで失礼かもだが

アリアの言葉に俺は食事しながら返事した。


「それは良かった。まぁあの二人は

社交的な方だからな。」


事件について気になったが

俺から言う必要は無いだろう。

話を聞く限り口外してない様子だ。

そうなると罪人の首からぶら下げる罪状板は

しない方が良いのか。


いいか

9大司教様に任せよう。


雑談がある程度進んだトコロで

ストレガが真面目に話を切り出して来た。

目的は夕飯作りだけでは無かった様だ。


「お兄様、あの魔物なんですが・・・。」


ストレガは俺がドラゴンを知っていると

確信していた。

詳細を知りたがっていた。


知っていると言っても

ゲームや、お話しの中の

あくまでファンタジーであって

現物の生ものを見たのは俺も初めてだ。

生態や能力がその通りかどうか

何の確証も無い。


「うーん、知っているかと言われるとなぁ。」


そこまで話した所で

再びアモンキャリアの扉が開いた。


「アモン。それ僕も聞きたいな」


ミカリンだ。


「ブリッペには逃げる方法だけ教えて」


ブリッペだ。

絶対に交戦する気は無い様だ。

相変わらずこいつはブレない。


「詳しく教えるのだわ。」


アベソーリの操縦方法すら

まだ覚えきれていないのに

そんなに欲張って大丈夫か。

知識も豊穣でないといかんのかヴィータ。


「私には弱点を教えてください。」


ゴメン知らんのだ。

ただワイバーンに限って言えば

飛び道具を当てるのが精いっぱいで

弱点有っても狙えないと思うぞ。

戦う気満々のアルコだ。


「こっちの車の方が落ち着きますね。」

「鉄に囲まれているなんて罪人の様でしたから。」


アキュラ姉妹は普通の馬車の車内を

喜んでいた。

通常の戦車より格段に居住性を上げた

アベソーリをもってしても戦車の車内は不評だ。


「我々の方がその事に関しては

先に知る権利があったと思うのですが・・・。」

「なっ、言った通りだろ。」


司教二人まで入って来た。

眠いと言って断った話題だもんな。

ストレガと俺の性格を読んだ上での

ヨハンの行動だったワケだ。


しかし

狭い。

何人居るんだ。

ひぃふぅみぃ・・・・11人かよ。

椅子が足りんわ。

有っても置くスペースが無い。


申し訳無いが間引いた。


アキュラ姉妹と天使二人、女神1人。

こいつらは戦闘しない連中だ。

ミカリンに限っては敵が何であれ

戦法を変える必要が無いので

一緒に出て行って貰った

司教も1人で良いだろ

ユークリッドにご退場願った。

後でヨハンから聞いてくれ。


「こんなモンか。」


これで5人だ。


「すげぇな。ガラス曇ってんぞ。」


満員電車の様だったからな。


女子が多かったせいで

何か車内が甘い香りになっていた。

食事には不向きになったが

空腹の勢いで

俺は話しより先に平らげる事にした。


ストレガが俺の食事が終わるタイミングで

人数分のお茶を入れてくれた。


「待たせたトコロに更に申し訳ないが・・・。」


俺のドラゴンに関する知識も

人づての噂程度で

実物を見た事は初めてだと先に念を押しておいた。


「兄貴の元の世界でも珍しい生き物だったのか」


幻想としては非常にポピュラーだが

実物は存在していない。

だが、そこまで説明するのは

面倒くさかったので

ヨハンの言葉に頷いて流した。


「ああ、そうだ。全人類で当たって

やっとこさ勝利した相手だ。」


嘘だがドラゴンの脅威を理解してもらうには

これでいいだろう。

俺はそう前置きをして

ドラゴンの説明を始めた。


言語を使用しない動物レベルの

下等~中級のドラゴンでも

皆、戦慄していた。


「兄貴ちょっと待ってくれ

それじゃあ、あの蝙蝠の親分みたいなのより

更に強い奴が居るって事なのか?!」


蝙蝠の親分って

ドラゴン怒るぞ。

まぁ皮膜の翼が一番目立った。

その他のドラゴンを見ていない状態で

初見でワイバーンを見れば

そう言う感想にもなるのか。


「言語を使用しないレベルのと言う事は

高等な種類は言語を有していると言う事ですか?!」


ストレガはそこに驚いていた。

この世界での言語は魔物も含め

人型に限っていた。

悪魔も天使も二足歩行の人型だ。

ドワーフもサイズは大きく

バランスが極端だが人型には違いない。

マウチ君も顔が異常に大きいが

辛うじて人類の範疇に入る・・・か?

デカいぞあいつの顔。


「言葉だけじゃなくな。」


知能においても人を超える。

更には専用魔法まで使うのも居る。

ブレスは勿論

雄たけびだけでも特殊な効果を引き起こす。


「まぁ俺がたまにやる

あの怖ーい効果みたいなモンだな。」


悪魔のオーラも

呪文を用いないで魔法の様な効果を付与する。

ドラゴンの場合は咆哮シャウトにそれがあるのだ。


「神に匹敵するのでは・・・。

あ、ヴィータ様には今のは内緒で」


アリアの言葉に俺は頷いて追加した。


「地域によっては神として

崇められていたりもする。

なので人間に好意的なドラゴン

少ないが居た。」


西洋ではバリバリ悪の化身だが

アジアでは扱いが良い。

竜の方もそんなんでアジアには

喜んで来るなんて言う人も居た。


「まぁ神レベルのドラゴンは数自体も少ない

恐らく一桁で収まるんじゃないかな。」


大体のファンタジーで4~5匹だろう。

上手くすれば仲間割れも狙える。


安堵させるつもりで仲間割れの話も追加したのだが

皆の表情は浮かない。


「アレ?」


「いや兄貴・・・一匹でも勝てないんじゃねぇか」


これは人類が幻想種に消える世界線コースか。


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