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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第三十八話 勇者の家系

「何を他人事の様に・・・」


プルプルしているウル。

やだ

激おこなの


「て言われても実感無いんだよな」


そうゲームだ。

本当に遊びに来ただけなのだ。

この世界にしてみれば

ふざけるな

と、言うのは分かるが

いちプレイヤーに言われてもだ。


「周りくどい駆け引きは好まん」


怒りを何とかしずませて

ウルは聞いて来た。


「貴様の一体目的は何だ。

3つの世界をどうするつもりだ」


んー

完全に俺が首謀者になってるなぁ

違うんだよ。

そこから理解してもらわないと

話が進まないだろう。


俺が

こうどなじょうほうせん

の策略を練っている間に

ミカリンが答え始めてしまった。


「ん?アモンはねー」


ミカリンは元の世界のゲームの

概要なんぞ分かっているハズが無い。

こいつの今知り得る俺の

いや

三半機関の目的って言ったら・・・


マズい!!

止めねば

こんな攻撃型堅物キャラに

そんな愛嬌は通じない

絶対怒る

既に怒っているのに

更にチャージしてしまう。


あ、あの口でいわせるなぁーー


いいや、言うね。


そんな声が聞こえてきそうだった。

俺の反応は間に合わず

ミカリンは言ってのけた。


「ハーレム作るんだって」


終わった。

今、ここで呪いを使用して

ミカリンと共同でウルを倒しても

戻ったウルは神界の全軍

連れて来られるだけ連れて来て

俺を滅ぼすに違いない。


かつての俺なら

まだ何とかなったかも知れないが

レベル上げが間に合わない。


ミカリンの呪いを盾にしたところで

それより上位の神から

許可みたいなのが出るだろうな


元々が大天使の力を下から二番目の

神の力で返したモノだから

力順位的には10段階上があるわけだ

その10人のうち一人でも

ウルの申し出に「いいよ」って言ったら

解除が出来そうだな。


ここまでか

速い二週目だったな。


しかし、ウルの返事は予想外だった。


「そうか・・。ふーむ」


心なしか怒りも収まっている。


「「納得した!?」」


ミカリンと同時に驚く。


「疑わしい目的では無い。現にエグザス様など

そのままではないか。」


あーヴィータも言っていたっけな

浮気しては

その度に正妻ユノにお仕置きされてる

あの最高神ね。


「強いて言うなら、ありきたり

普通すぎるのが欠点か」


なんかデジャブ


「いつだったか。エグザス様、本人が

降臨した時など酷かったぞ

戦そっちのけで女性の尻ばかり

ホーミング・マイ・ウェイだった。

・・・確かヒリングと言う人属の間に子が

おっと・・・これは秘密だ。」


エッダ・ヒリング

ガバガバ・ヒリング

勇者の家系


道理で人間離れした体力だ。

神の親戚だったのか


どうでもいいところで

どうでもいい秘密が開放された。


ミカリンは瞳孔まで真っ白になっている。


ともかく

許された。


そこでハッと気づいたかのように

ウルが声を荒げた。


「おい貴様。ブリを呼べと言ったのも」


「あ、それは違う、天使はミカリンだけで」


先程まで真っ白だったミカリンが

今度は真っ赤になっている。

忙しいやつだ。


俺はブリに会う目的を説明した。


「名付・・・か」


「最近、機会が多くて」


「余計に分からん。ブリのセンスは最悪だ」


「いや、俺は評価する」


まぁ個人個人のセンスの相違だ。

意地を通すようなモノでもない。


「・・・そうなのか」


考え込んでいる。

思うにウルは「ウルポン」の呼ばれ方が

お気に召さないのか


「じゃあウルポンならミカリンに

なんて、あだ名付ける?」


文句だけなら幼児でも言える。

貴様のセンスを見せて見ろ


「ミカのままで良いだろう

なぜ、あえて異なる呼称を

必要も無いのに新たに設置する」


発想そのものが無い。

ベアーマンパトロールも

湖の妖精キャスタリアも

そうだったが名付に関しては

何か大きな仕組みが隠れている気がした。


キャスタリアで思い出した。


「ミカリン」


「はい!」


なんだ

どうした


「盾返すチャンスじゃないか」


「あっ・・・うん・・そうだよね」


目が泳ぐミカリン。

さてはこいつ盾を気に入ったな。

返したく無くなっているだろう。


元々の剣術は

盾を使わない両手剣の剣術だが

今回は装備が満足に揃っていない事と

受肉による肉体強度の不安から

盾と片手剣による剣術で

ここまで来ているミカリンだ。


アルコの爪を弾いて間合いを詰めるなど

盾の使い方も結構、堂にいっていた。

やってみたら実は楽しかった系の

感じがプンプンしているのだ。


「盾・・・まさか大地ガイアスシールドの盾か?」


ウルポンいちいち大声で驚くのね

他に無いだろう。


「ああ、天界に戻したい物なんだろ」


「それはそうだが・・・困った」


「なにが」


「渡されても今の俺では持って帰れない」


あー今は下級天使でしたね

大地ガイアスシールドの盾自体が持っている

霊力みたいなのが大きすぎて

神や大天使でないと出し入れ出来ないんだっけ


「今のお前たちは受肉でレベルが上がるのだろう」


返事の変わりに頷く俺。


「ミカが持っているならそれでいい

レベルが上がればいずれゲートも

開くことが出来よう・・・人間に渡すなよ。」


「分かってるって」


返さなくて良い流れに

ご機嫌なミカリンは

明るく返事をした。



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