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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第三百七十七話 人の布団に入る奴って

歩き回るのに疲れたと

今日の浄化作業はここまでで

ビルジバイツは帰ると言い出した。


昼は飛行が目立つので

また夜に気ままにやって来ると言っていた。

その際はダークに言伝を頼み

俺の方にも情報を回してもらう様に言った。


「別に1人でも構わんぞ。」


ビルジバイツは遠慮なのか

面倒くさいのかそう言ったが

俺はメタボ母船破壊の話をした。


あの噴水広場は出口として

登録されていると思われる。

万が一母船が生き残っていた場合

突然、大群の兵が出現する可能性があるのだ。


「そ・・・そんな危険な場所に

妾を連れ回しおったのか。」


「いや、俺が偶然見かけて追いかけなければ

どうせ1人で歩き回ったんだろう。」


「・・・そうじゃ。」


ダークを先行させ連絡を入れる約束をして

ビルジバイツを見送った。


丘の上の射出口からならば

目撃される心配無く

ベレン内部まで行ける。

次からそうさせよう。


俺は1人

最寄りの地下入り口に入り

「メタ・めた」まで戻った。

改装の際に星寮でやった

柱貫通の煙突構造にし

ガレージ裏を介さずに

自室に行ける様に改造したので

大分楽だった。


「ダイレクトベッドダーイブ!!」


自室の柱の扉を開くと

すぐベッドの配置にした。

腹ばいでボヨンボヨンして着地するのが

結構、面白いのだ。


「きゃー!!」


「うあああああ!!」


ベッドはあったし

柔らかい着地だったのだが

想定外の事態だ。


誰か寝ていた。


超高速反射で手の平の着地位置を

ラッキースケベコースに設定した。

不自然無く鷲掴み出来た。


この感触

・・・ヴィータか?!


「何をするのだわー!!この変態!!」


「待て、何で俺の部屋のベッドに居るんだ。

この不法侵入者め!!」


「そ・・・それはこちらが悪いのだわ。

ごめんなさい。」


殊勝に謝罪するヴィータ。

うわー

やっぱり別の人なんだな

調子狂うわ。

ちゃんと対応を変えていかないと

このままでは俺は変態になってしまう。


「もう、なっているのだわ。」


「そうだな。済まなかった。

って俺の思考が読めるのか?!」


読めるそうだ。


「波長の合う人間なら乗っ取る事も

可能なのだわ。禁忌なのでする事は

永遠に無いのだけれども」


ごめんなさい。

前の降臨で吉岡さんが児童相手に

もうやってしまっています。


「中々似合っているな。その恰好」


シスターの服だ。

頭髪の水色もこれなら目立たない。


「ありがとう。でも退いてくれると

もっと嬉しいのだわ。」


ベッドにシスターを押し倒している状態だ。

退きたくない。

良い

すごく良いシチュエーションだ。


俺は後ろ髪引かれまくりで

ヴィータの上から退いた。

くそう

中の人が前の人だったら

上の人にしたり下の人にしたり

出来るのに

って

もう何言ってんのか

自分でも分からない。


コナミコマンドじゃないんだから


「そうだ聞きたい事が」


俺はそう言いかけてから気が付いた。

ヴィータも何か俺に用事があるのではないか

何の用も無しに個室に侵入し

ベッドで寝っ転がっている奴はいない。

俺を待っていたと見るべきだ。


「ってそっちも何か俺に用があるんじゃないのか」


「そうなのだけれど、私の方は

後回しで良いのだわ。

急いでも変わらないし

他人から見れば重要度も低いわ

あなたのほうから聞かせて」


ヴィータは体を起こし

ベッドに腰掛けてそう言った。

言葉遣いは何か変だが

動作には気品が溢れていた。

この辺も俺に

ヴィータが俺の知っているヴィータとは

別人なんだと思い知らせてくれた。


急ぎの用か

俺の方はどちらかと言えば

急ぎと言うよりは

放置はマズい感じだが

ヴィータの話からすれば

どちらかと言えば俺の方が優先だろう。

それにコレはヴィータ自身も

関係無いとは言えない要件だ。


俺は先に話す事にした。


「降臨が始まると聞いたが

詳しい事を知らないか。」


ヴィータはすごく驚いていた。


「わ・・・分からないのだわ。

天界に居るなら選ばれれば呼び出されるし

そうで無い他の方だった場合は

回覧板で知る事が出来るのだけれども

今の私は崩壊で地上、天界に

戻る事はおろか連絡さえも取れない状態。」


回覧板なんだ。


「あ・・・あなたはどこでその話を?」


当然の疑問だ。

俺は少し考えてから

正直に話しても問題無いと判断し答えた。


「さっき知り合いの魔王から聞いた。」


「魔界側はもう降りているの?!」


輪を掛けて驚くヴィータ。

誤解させたか

俺はすぐさま追加で言った。


「あー違う。その魔王はダウングレードで

現界した別の用事の魔王だ。」


「別の用事の魔王?

降臨でも無いのに地上に来ているなんて

信じられないのだわ。」


「神だってお前を含め

3人も降臨でも無いのに地上にいるじゃないか。」


信じやすいだろ。


「わ私達のは望んで現界したわけでは無いのだわ。」


「降臨以外の手段があると言う事だ。

まぁ降臨のように大きな力を持ち出せないがな

力を振るうのであれば降臨が一番なんだろうな。

そいつの用事は人探しなんで力は要らんのだ。」


「そ・・・そう。」


魔王は気の抜ける相手では無い

ましてや今のヴィータは人化して脆弱だ。

警戒は当然だ。


「驚かせてしまったようだな。悪かった

取り合えずそいつ自身がヴィータに

危険を及ぼす事は無い

これは俺が保証する。安心してくれ」


少し呆けた様な表情で

俺を見つめるヴィータ。

目がでかい

それになんか少しエロい。


「不思議なのだわ。

あなたの言葉は何故か頭から信頼してしまう

疑う事を忘れてしまっているかのよう。

それに、ここが熱くなる。」


そう言ってヴィータは

自分の胸に手を当てた。


どれどれ

どの位熱くなっているのか

おじさんにも

確かめさせておくれって

だから

中の人が違うっての

止めろ俺。


「前回の降臨、私は一切覚えていないのだけれど

体は何かを記憶しているのかしら。」


体を使って

思い出しましょう。

おじさんが全面協力をって

ああもう


「私は前回、あなたや他の方と旅をした。

真に失礼ながら私は覚えていない。

だから、あなたには出来る限り

顔を合わせない方が良いと思って居たの

意図せず傷つける言動をとってしまう事もあると思って」


言葉遣い以外はまともなんだな。

そんな気を使っていたのか


「ああその辺は気にするな。

事情は十分承知している。

むしろ心配なのはお前の方だ。

思い出したりすることで

豊穣の神としての神格が

崩壊しかねない事態も考え得るそうじゃないか」


「優しいのですね。

仮にそうなったとしても

私は思い出したいのだわ

自分のした事なのだから

忘れてはい無実

それはズルい事

受け止めなければいけない事なのに」


真面目なやつだなぁ

・・・つか神はみんなそうか

ケイシオンもミネバも

方向は違えど真面目と言う一点においては

良い勝負だ。

ミネバの場合は担当が戦なせいで

大騒ぎになったがな。


「その辺も気にするな。

憑き物が勝手に体を動かしていたと思え

お前の責任を問う奴がいるなら

俺はお前の無実を証明するぞ」


言って聞かなければ

光線ですけどね。



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