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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第三話 ミカリン

右目と左目で見える位置を

微調整してあるのだろう

その最小化バーは

右肩口から正面に30cm位離れて

手が届くのが分かる。

俺はすかさずバーにタッチした。


ミョイン


そんな音を立てて

メニュー画面が開いた。

やっとだ。


「ねぇ・・・何してんの?」


ミカが俺の一連の動作を

挙動不審に思ったようだ。

まぁ案の定、はたから見れば

間抜けだよな。


俺は目を開けた。

メニュー画面は半透明のまま

背後の景色も見えた。

透明なセロハンに書かれたパンフでも

持っているような感覚だ。


「ふふ、貴様には分からぬか」


「アモンの頭がおかしいって事?」


呪い発動すんぞ。


「いや、メニュー画面を開く事に

成功したんだよ」


思えば長い旅路だったな。


「・・・何にも見えないよ」


まぁそうだよな

他のプレイヤーがメニュー画面を

開いていても見えないもんな。


開き方をミカに説明したが

かつての俺やプリプラの様に

無様な状態になるだけだった。


やっぱりミカは

プレイヤーじゃないから

あるわけないのか。


今回の俺はアモンボディじゃないから

開けたのか?

でも純粋なプレイヤーはさっきログアウト

してしまったし


うーん

考えても分からん

とにかくメニューが開けたのは

喜ばしい。


俺はミカにしばらく大人しくする様に

言って、岩に腰掛ける。


裸足なので、小石を踏まない様に注意し

腰掛ける岩の表面の状態も

安全かどうか良く見て置く

なにせ生尻だからな


まず目に行ったのが種族だ

どれどれ


名前:ゼータ・アモン

種族:悪魔人間デビルマン


人間じゃなかったー

そして以下に続く文字はと


レベル:1

状態ステイタス :人間ヒューマン

クラス:無

ジョブ:無


ふむふむ

毒とか麻痺とかの状態欄に

人間となっている。

これを悪魔に変えればイイのだが

弄れない項目だった。

特別なアイテムや

一定のレベルが必要になるのかな


試しに先ほどミカが持っていた

木の枝を持ってみたが

何も変わらなかった。

武器防具として認めないようだ。


パーティメンバーの項目があるな


触れると

俺のメニュー画面の横に

色違い、もう少し黄緑っぽい色で

同じフォーマットが出た。


名前 :

種族 :天使

状態 :人間・奴隷


以下は似た様感じ

レベルも1だ。


これミカだよな。

名前の欄が空欄で点滅している。

これは俺が着けてイイってことか


空欄をタッチすると

キーボードが出た。

「ミカ」と入力したが

エラーが出た。


「おい。お前の名前エラーになるぞ」


「エラー?ああ名付してくれるの

だったら多分その名前は真名になるから

この体専用の別のじゃないとダメじゃないかな」


「そうか・・・なんて名前がいいんだ」


「それは主様が決めることだよ」


「・・・そうか」


顎に手を当て候補を呟いた。


「ゲロシャブ・・・・トンヌラ・・・」


ミカが泣きそうな顔になってる。

うーん

良い悪感情だ。

続けたいが可哀想だ。


「あのさ。ブリっていたじゃん」


「・・・うん」


「あいつ同僚をさ、ウルポンとかラハッチって

呼んでたんだけど、お前は何て呼ばれてたの?」


「ミカリン」


すかさず入力する俺。


「み・・・か・・・り・・・んと」


慌てるミカ


「えー嘘。ちょまっ、あー何か

頭の上の方でピロローンとか聞こえた?!」


登録終了。


「よろしくなミカリン」


笑顔で言う俺。

ミカリンは何かウーとか唸ってる。


「名前・・・いいなぁ」


背後で声がした。

俺達以外の誰かだ。


今の俺には完全膝カックン耐性は無い

接近に気が付けない。

つか

背後は湖なんだが

流石に舟とかなら音で分かりそうなもんだが

何だ?


咄嗟に振り返ると

そこには綺麗なお姉さんが居た。

ドレスと言うよりは

適当に巻き付けたシーツを

アクセサリーで解けない様に

固定した感じの出で立ちだ。

ちょっと扇情的だが

真っ昼間な事と

人間で無い事が手伝って

エッチな気分にはならなかった。


なんで人間じゃないのかと言うと

服がまったく濡れていない

このお姉さんは湖から生えている。

変な表現だが

それが一番しっくりくる表現だ。


ニンフってやつか


ニンフは振り返った俺に

驚いて少し後ずさった。

歩行では無い水平移動だ。

じゃなきゃムーンウォークの達人だ。


「え?私の声が聞こえるの?」


「ど定番のリアクションだ。

ここは見えないフリをして

手探りついでにおっぱいを

掴んでしまおう」


「アモン、声に出てる」


呆れた声でミカリンに突っ込まれた。

ニンフも胸部を腕でガードしてしまった。

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