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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第二十八話 出発・・・出来ない

「どうしたのでしょうか

クロードさんは・・・。」


アルコが心配気に言った。


俺の一言でクロードは血相を変え

半ば強引に協会まで俺達は連れてこられた。


受付の奥が関係者、職員の部屋に

なっており、一番奥の部屋

支部長の部屋に押し込められた。


クロードは不在だった支部長を

呼びに行っている。


俺はミカリンとアルコに

クロードに掛けたカマについて

説明した。


アルコはポカーンとしているが

ミカリンは表情を変えた。


「じゃあ、この村の目的そのものが」


「以前の森なら、こんな戦力は過剰だよ」


以前と異なるモノ

それはバングしかない。


そこで扉が開き支部長がクロードを

伴って入って来た。


「引き留めて済まない」


口と態度が一致していない支部長。


「いいえ、急ぐ旅でもありませんので」


俺は笑顔で答えた。

後でミカリンから聞いたが

俺のこの作り笑いは

相当気持ち悪いそうだ。


挨拶もそこそこ

支部長は本題を切り出してきた。


「妙な魔物を見たそうだね」


こういうのは好きじゃない

自分の情報は出さずに相手から

都合良く欲しい情報だけ探るような

やり取りは

はっきり言って嫌いだ。


隠す程の情報は無い

俺はハッキリと言った。


「バングの事ですか」


そこで支部長は後ろに控えている

クロードに振り返る。

クロードは首を横に振るアクションをした。


名前までも秘密なのか


「僕じゃなくて、この娘のいた

部族から聞いた話なんですが・・・。」


俺は正直に全部話した。

支部長とクロードは

真剣に聞き入っていた。


笑いそうになる俺

もっと普通にしようよ。


「どうやって倒したんだ。」


なんだ

倒した事無いのか


「倒し方は聞いて無いですね・・・。」


俺は横に座るアルコを見やる。

アルコは察したようで

俺の替わりに話し始めた。


「マスターの様な不思議な力は

使っていません。普通に爪での

攻撃だと思います。」


普通と言ってもベアーマンの普通だ。

アルコの爪でも相当硬い

亜鉛や鈴ぐらいなら抉り取るのだ

ベアーマンのトップの戦士である

若頭ならもっと威力があるに違いない。


俺はアルコに爪を伸ばす様に言い

見せながら補足説明を入れて置く

その際にベアーマンについても

説明しておいた。


「君、ベアーマンなのか!!」

「ウソだろ坊主。あいつら

こんな人間っぽくないぜよ」


さっきから驚きっぱなしだな中年ども

心筋梗塞起こしてもしらん ぜよ。


更に追加でアルコが

突然変異種で通常のベアーマンとは

異なる事も説明した。


俺ばっかり喋りっぱなしだぞ。

さて話すだけ話した。

今度はそっちの番だぞ。


「さて、今度はおじさん達の

番だね。知っている事教えてよ」


わざと偉そうにふんぞり返る俺。

なんだこのガキ

と言う感じが支部長から

ヒシヒシと伝わってくる。

クロードの方はそうでもない

午前の魔法が効いているようだ。


「・・・・。」


どうすべきか迷っているようだ。

じゃ脅しだけ掛けて

それでもダメなら退散するだけだな。


「言えないの?じゃあいいよ

ブンドンの村では何も

教えてくれなかったって

プラプリに言うだけだ」


支部長の顔色が変わる。


「エルフの族長と知り合いなのか?!」

「嘘だろ坊主」


「ジゼルさんに会わなければ

元々そっちに行く予定だったんだよ」


顎に手を当て

俺をじっと見る支部長。


「ちょっとだけ、待っていてくれ」


そう言うと支部長は

クロードの肩を叩き

一緒に退出する事を促した。


「待つのはいいけど喉かわいたな」


部屋から出ていく二人に

俺はそう言った。


「何か出させよう」


そう言って二人は退室した。


二人が出るとアルコは

長いため息をついた。


「緊張します。」


見た目は大人だが

アルコはまだ10歳だ。

種族が違うとは言え

大人二人が真顔になれば

やはり怖いのであろう。


俺も会社で新人の頃は緊張したっけな

大丈夫アルコすぐ慣れるよ


大した大人って

そんなにいないから


「大丈夫。俺に任せて置け」


わざと鷹揚に構えて

再びふんぞり返る俺。


ふとミカリンを見ると

ウトウトしてやがる。

流石は天使長

人間なんぞどれも同じか


結構待った。

受付嬢が持ってきたお茶

それのお替りを飲み干した頃に

支部長だけ戻って来た。


「待たせて済まない」


最初と違って

言葉と態度が一致している。


認めてくれたようだな

クロードも俺達が只者で無い事を

口添えしたのかも知れない。


「バングの事だが・・・。」


支部長は他言無用と言う事で

バングについて語り始めた。


最初の出現は降臨の直後

その時は寝ぼけていたんだろうと

誰も取り合わなかったそうだが

同様の報告と被害が相次いだ。


冒険者協会が本腰を上げる前に

例の学園設立の理由で

ベレンの本部に教会と政府が

協議を持ちかけて来た。


冒険者を志す者を無駄に死なせない。

才能のある者も同様

その為の教育機関


これは嘘では無かったが

隠された目的が

もう一つあったのだ。


対バング用の部隊の設立

その人材発掘と教育だ。


「そんなに脅威なんですか」


確かに強いのだろうが

そこまで大袈裟に構えるか

ベアーマンでも倒せた相手だぞ。


「ああ、現にドワーフは

そいつらのせいで国を追われた」



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