表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
265/524

第二百六十四話 キチンと不正入学

ミガウィン族のブレンボに渡した

ドワーフ用の斧、それの帯魔版なら

すぐにでも準備は可能だ。

用意出来次第往復の便で

持って行ってもらおう。


「ただ、このシリーズには重大な欠点があってだな」


俺はケイシオンから聞いた情報。

裏が取れていないので

帰りの道中では話さなかった。

まぁ裏の取りようが無いのだが。


ハンスもバイスも意外という表情を浮かべた。

それを見たパウルも俺の言葉に耳を傾けた。


「どうもバングの2~4型はな・・・。」


魔力収集器としての役目をもっていた。

効果的な攻撃方法だからといって

魔法で倒せば倒す程

敵勢力が増強されてしまう恐れがあるのだ。


「・・・実証試験をしたいところですが

良い方法が思い浮かびませんねぇ」


鵜呑みにしないで

確証を取っていくスタイルの

ユークリッドはそう答えた。


「実に合理的な侵略手段と言えます。

これらの仮定、本当ならば

バング側は人的被害無しのまま

着実に歩みを進めている事になります。」


危険性があるならば

杞憂で終わったとしても

避けるべきだとパウルは言いたげだった。


「2~4型を送り続けるだけで

領土か魔力、どっちかが手に入る寸法か

やらない手は無いぜ。」


元「武」のヨハンは信じ切っている様子だ。


「2~4型の生産コストはどの位なんでしょうか」


現「武」のハンスの発言は全員の表情を

それは俺達が心配することなのか

と言う風に変えた。


「見合っているから中止しないのだと思います。」


1人尊敬の眼差しを止めない

バイス君だけは真面目に付き合った。


「帯魔武器に替わる攻撃手段が

求められますねぇ。」


最初に戻ってしまうが

純粋な物理攻撃による仮面の破壊。

当面はこれを第一目標に据えるしかない

との判断になった。


「しかし、アモンさんはどこでこの情報を」


ユークリッドの最もな突っ込みだ。


「その答えを含めて、ちょっと長いが

今回の遠征の詳細を俺から

まぁバイスやハンスから聞いている事と

重複する部分も多いかもだが

聞いてくれ。」


ダークの事は伏せる。

悪魔平民は魔族亜種に置き換える。

クリシア悪政は人間のフリューラ・ファミリーの

仕業に全て置き換える。

敵対していた老舗マフィアのレイベルニ・ファミリーは

交渉可能な相手だと誘導しておく

ケイシオンはフリューラに捕らわれていた

クリシアの賢者と誤魔化し

彼からバングの秘密を教えてもらった事にした。


以上を注意して

俺は今回の遠征を話した。

結構、長い時間になったが

皆、真面目に聞いてくれた。


「麻薬や偽者の出荷は治まりそうですねぇ」


ユークリッド的には一番頭を悩ませていた問題

それが片付いた事に安堵している様子だ。


「首相に一度、会談を申し出て見ましょう。」


パウルも明るい表情だ。

しかしヨハンは面白く無さそうに言った。


「そっちの方が面白そうだったな・・・。」


いや

遊んでるんじゃないから

まぁ海水浴とか

半分、遊んでましたけど


「はい。楽しかったです」


素敵な笑顔でそう言うハンス。

だから煽るのはやめなさいって


ここまでの話をまとめると


ドルワルドは王城奪還でひと段落

聖騎士と魔族第一弾はネルドまで戻り

交代人員待ち、その交代人員にドワーフ用の

武器も運搬、支援その他は引き続き

ヨハンがネルドで受け持つ。


バリエア復興を待って出張ドワーフは

帰国か滞在を個別に自由判断してもらう

なお残る場合はドーマ再建に駆り出される

可能性大、こちらは今バリエアに詰めている

「建」のトーマスと「芸」のアトレイ

どっちも知らんな

両方かいずれかが担当する。


魔族は復活した皇帝を旗手に

山脈の向こう、灰と化した

故郷、元々のドーマに帰還する

一大事業に着手する。

今、クリシアに居る亜魔族も

これに合流。


「と言いますか、本当に魔族はそう動き出すのですか」


公式にはまだ何の通達も無い

ユークリッドは俺に念を押して来た。


「あぁ、これも試練の一つだそうでな

必ず実行する。」


帰りの道中でリリアンから聞いた。

ちなみにナリ君はまだ知らないそうだ。

今頃、ルークスあたりから言われて

「むぅ」とか唸ってるかも知れない。


クリシアはレイベルニ・ファミリー主導の

新体制に生まれ変わる。

大幅な変更と混乱が予想される。

これには何とバイスが当たる事になった。


「えぇっ?!」


慌てふためくバイスに

パウルが補足した。


「ヒタイングの式典その他に

ハンスが当たります。滞在場所が

同じなんですから何でも相談しなさい。」


こんなイージーモードないだろう

とでも言いたげだった。


「そうなんですか?」


ハンスも知らなかったらしい・・・。

今決めたのか


ユークリッドとパウルはベレンに残り統括し

時期を見て

いずれかがバリエアに移動する感じだ。


しかし

こんな大事な会議が殺風景なガレージで

水着でおねぇちゃんをはべらかせて

行われているとは

国民には見せられないな。


「こんな所ですかねぇ」


やれやれと言った感じでユークリッドが言うと

パウルが厳しい口調で追加した。


「いえ、本題が手つかずです。」


「とは言え、対応策が無いでしょう」


何の事か分かっている口調だ。

流石だなユー。


「いや、簡単だろう!裏口入学させろ

つかお願いします。」


一番大事な問題

そう

ガルド学園の入学試験を俺が

受け損ねてしまった事だ。


大問題だ。


「「何の話ですか?」」


練習していたかの様に

司教軍団は息ピッタリでそう言った。


「俺の学園入学の問題じゃないのか」


金塊もバッチリ準備済みなのに


顔を見合わせる司教軍団。

各自なんとも言えない表情になった。


「ちゃんと持ってきました。」


ハンスはそう言って荷物の中から

包みを取り出した。

開いて見るとガルド学園制服男子版だ。


「試験とか必要ありません。」


笑顔で言うハンス。


「そうか、金塊いくつだ」


「そんな不正は・・・」


「ただと言うワケにはいかん

キチンと不正をだな」


もう自分でも何言っているのか分からない。


推薦枠というのがあるそうで

不正じゃないそうだ。

なぁんだ。


「ただ問題が・・・名前はどうしますか」


司教軍団もそこは全員問題視したそうだ。

悪魔のアモン

魔勇者の伝説的冒険者ゼータ・アモン

どちらも無駄なトラブルしか起こさない。


「そうだな・・・。」


アモンから連想される外観は

ブラウン髪のおっさん宮本たけしか

悪魔男爵バロン姿だし

ゼータ・アモンで連想される姿は

ストレガ兄の青紫髪のオッドアイイケメンだ。


このチンチクリン外見で

一番しっくり来る名前か


「リック・デアズで登録しておいてくれ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ