第二百六十一話 ただいま
「入学試験・・・終わったよ」
久々に「メタ・めた」に帰って来た。
裏口から中に入ると
ガルド学園の制服に身を包んだミカリンが
踊っていた。「気が早いな」
俺がそう声を掛けた返事がそれだった。
「どういう事だぁ!!」
俺の計算ではまだ何日か余裕があったハズだ。
「一か月ピッタリじゃないよ。
ぐらいって言ったじゃんかー。」
「なんだこんなものーー!」
激昂した俺はミカリンに覆いかぶさり
制服を強引に脱がしに掛かった。
何だ
凄く興奮する。
「お帰りなさいませマスター」
「ねーっお土産はー」
騒ぎを聞きつけアルコとブリッペが降りて来た。
「おーお土産かー一杯あるぞ。」
俺はキャーキャー喜ぶミカリンに
馬乗りになったまま上体を起こして
そう言った。
「・・・そちらの方ですか」
アルコが勝手口に突っ立ているケイシオンに
気が付いてそう言った。
ベアーマンは
獲物を生きたまま土産として持って帰るのが
普通なのかも知れないが
人間はそんな事しないぞアルコよ。
「カシオと申しますじゃ
事情があって、しばらくアモン君の
トコロにご厄介になります。」
勝手口でケイシオンはそう言って
丁寧にお辞儀した。
救出から帰るまでの間
試しにケイシオンをパーティに入れてみたトコロ
ミカリンと同様に名前が空欄で
ケイシオンという単語は受け付けなかった。
言いにくかったし丁度良いので
カシオで登録したのだ。
因みにクラスが神で状態が人
レベルは1の固定だった。
帰りがてらの戦闘でも
カシオには経験値が行かない
1で固定とか絶望だが
戦闘をしてもらうつもりは無いので
これでもいいのか
本人も言っていたが
本当ににただの年寄りだ。
「・・・ねぇおじいちゃん。ブリッペと
どこかで会ってない?」
訝し気にカシオを観察していたブリッペが
そう漏らした。
「はは、どこにでいる様なじいさんでな
そう感じるだけで初対面じゃよ・・・
仮にあったとしても
トシですっかり忘れておるのでな
恐らく毎日、初対面になるやもだが
そこは笑って流しておくれ」
「このおじいちゃん面白ーい」
ウルの話では四大天使も
入室を制限された特別な部屋に
安置されていたので
初対面は嘘ではない。
それでも同じ天界の住人だ。
何かシンパシーでも感じているのであろうか
ブリッペはカシオを気にった様子だ。
まぁ元から人見知りをしないタイプではある。
「上がれよカシオ。一服しよう」
俺はミカリンから下りてそう言った。
「ちょっとぉ!パンツ返してよ」
「ああ、ゴメン」
勢いではぎ取ったパンツを
ミカリンに返却すると「もう」とか
言いながらミカリンはその場で穿こうとしている。
「コレ、はしたないぞ」
「脱がした人がそれを言うのは」
アルコの真面目なツッコミは
俺の壺だ。
笑いながら謝る。
「最低ーっ」
ブリッペは軽蔑の視線で俺を非難した。
俺は怯まない。
「ブリッペお土産なしな」
「ひっどーい!!」
そうだ俺はヒドイんだ。
そこで俺は気が付いて聞いた。
「グレアは?」
ガレージにキャリアを入れる時に
店が閉まっているのは見えた。
理由は在庫が持たなかったのだろうと
閉まっていたのは気にしなかったが
家に居ないとは思っていなかったのだ。
「ああグレアなら・・・」
ミカリンが教えてくれた
ここ数日ベレンの冒険者協会に
よく足を運んでいるそうだ。
「なんだか協会の方から代金を
分割にしてもらえないかって
交渉されてるっぽいよ。
何売ったのか知らないけどさ。」
ああ
あれか
ブンドンで納品した槍その他だ。
そう言えばグレアに丸投げしたんだっけな
スマン、グレア頼む。
カシオが横になりたいと言い出したので
先に二階の空き部屋に案内した。
交代で清掃していてくれた様で
埃っぽさも無い。
やっぱり老体に長旅はキツイだろう
キャリアの乗り心地は自慢だが
長時間の振動に晒される事に違いは無い。
ささっと下着になると
カシオはベッドに横になり
寝息を立て始めた。
手伝ってくれたアルコと下に戻ると
丁度、グレアが帰ってきた所だった。
そこからはお互いの
情報交換だが
その前にヒタイング土産の
水着を配り着替えてもらった。
最初は文句を言っていたが
水着そのものには興味があったようで
大して苦労して押す必要も無く
女子軍団はいそいそと着替え始めた。
まずはアルコだ。
ヒタイングの店で見かけた時
絶対にコレしかないと一発で購入を決めた。
青のビキニだ。
「どうでしょうか・・・。」
アネッサー!!完璧です。
続いてはグレアこれも迷いませんでした。
白のビキニだ。
「・・・・っ白ですか」
だれかビールジョッキ持ってこーい。
色が気に食わない様子だ。
やはり魔族は黒でないと
落ち着かないのか。
「ねぇねぇブリッペはどうかな」
出たなエロ生物。
色んなトコロがはみ出る生地の少ないのが
あればベストだったのだが
こっちの世界には泳ぐのにそんな無意味な
水着は皆無だったので
ここは敢えて逆に大人し目の
ワンピースにしたのだが
流石だった
何来てもエロくなってしまう。
ブリッペじゃなければ理性が飛びそうだ。
これは外では封印したほうがイイ
いらん犯罪を産むだけだ。
「ねぇ僕のだけ違くない?」
そして今回のオチはミカリンに担当してもらう
回りが揃いも揃ってナイスバディのなか
ペッタンコで華奢だ。
何着せても前出の3人を超えられない事は
火を見るより明らかだった。
散々考えた挙句出た結論は
水着では無理
だった。そこで導入されたのが
このサンバダの衣装だ。
華奢ボディでもイケることは
オコルデとリリアンが文字通り身をもって証明済みだ
派手な装飾に目を奪われ
水着より露出度高いのに
そのテンションの高さでエロ度は下がる。
これも太陽の力なのか。
そして褐色肌のミカリンには
予想以上にマッチした。
「椅子に座れないよー。」
お尻の辺りから生えた
孔雀の様な装飾せいで
背もたれのある椅子には
着席出来ない。
俺は笑いながら昭和のラーメン屋でよく見かけた
背もたれの無い丸い座面の三本足椅子を生成した。
「あ・ありがとうってコレ付けて無きゃダメなの?」
「駄目だ。」
「不便だよー。」
「似合っている、カワイイぞ。」
大人しく座るミカリン。
俺も座ってみんなを見回す。
壮観だ。
このお土産入手の為だけでも
行って良かった。
「ただいま。」




