第二百二十話 カーシ家問題の解決
「えーっ同席すんのかよ。」
ナリ君に率いられて
ヒタイング王家の騎士団やら重鎮が
浜辺に現れた。
ビーチには鎧って合わないな。
「なんとか了承願えないだろうか・・・。」
ブットバスがえらい下手に出て
そう言った。
ダガはオコルデよりデカイ
アレが万が一暴れたら騎士団では
抑えきれないのだろう。
ヒタイングとしてはオコルデの為に
何としてもマーマンのオスを確保したい。
ダガから色々と話を聞き出して
情報が欲しいところだろう。
ダガの方も今現在の状況が知りたい
両者の話合いは必須だ。
だがしかし
俺はどーでもいい。
「救世主殿にキチンと謝罪もせねば・・・その」
真っ赤になってブットバスはそう言った。
思い出しているのだろう
全裸で飛び掛かかられ
反射的に反撃してしまったブットバス。
冒険者ゼータが俺と同一人物だと知る由も無いのだから
単純に痴漢撃退だろう。
俺はそう言って謝罪は断った。
「マスター。ここは通りかかった船という奴です。」
それ乗りかかっただから
PSO2じゃないんだから
小山さんもアフレコで疑問に思わなかったんだろうか
「俺もリディに同席してもらえると安心だ。」
ダガもそう言って来た。
「そう?でも何で」
「見知らぬ人間達に囲まれればそれは不安だ。」
俺だって見知らぬ人間だろうが
まぁでも俺は危険は無いと信じてくれたのか
言っちゃ悪いが、こんな化け物でも
身の危険を考えるんだな。
野生動物に襲われる事件の多くは
動物の方の恐怖によるものだからな
熊もスズメバチも人間を嫌悪している訳では無い。
これは断る方が面倒臭い流れだ。
俺は諦めて参加を了承した。
「はぁーゆっくりリゾートでもしたいぜ。」
俺はボヤきながらついて行った。
並ぶように横に来たクフィールが
慰めて来た。
「そうっすねー片付いたら海で遊んでから
次の目的地に行きたいっす。」
俺は同意した。
「で、師匠。所長の部屋で
どうして裸になっていたっすか」
死角から飛んでくる
やっかいなパンチだ。
俺は微妙に話を逸らした。
「そういえばストレガどうなった。」
「引きこっもったまんまっす。」
俺は頭をボリボリと掻く
「そうかーリゾートはまだ遠そうだな。」
「で、師匠。どうして」
しつけーなぁ。
今夜お前にも教えてやると言ったら
クフィールは逃げた。
入れ替わる様にバイスが隣に来た。
バイスは興奮気味だ。
歴史的瞬間だのなんだの言っていた。
これは押し付けてしまおう。
互いが産まれる前の出来事だ。
こうなると年齢関係無く
勉強して知識のある方が向いているだろう。
会談は最初のかき氷を作った部屋で行われた。
オコルデの変身を知っているメイド・執事のおかげで
騒ぎにはならなかったが
ダガ用の椅子が無いとの事で
あたふたしていた。
「おいダガ、お前に合う椅子が無いそうだ
人間化出来ないのか。」
「あれはメスしか出来ない。
椅子など要らん床で構わない。」
その旨を手近なメイドに伝えてやった。
流石に床に直にでは心が引けるのか
位置がハッキリしないのが嫌なのか
毛皮みたいな敷物が敷かれ
ダガはココと主張していた。
会談はスタート時こそ
ギクシャクしていて
どちらも言いたい事に
いちいち俺を挟むような感じになった。
なんか通訳にでもなった気分だったが
互いに安全だと分かって来ると
俺抜きで話が進むようになった。
話合いの末
ハッキリした事実と
ヒタイングの学者達が出した推論は
こんな感じだ。
ヒタイングの建国は
マーマンのカーシ家の女性。
産卵の時期になると
マーマンのオスが海岸まで来ていた。
海戦の最中に現れたダガは
種付けどころでは無く
バルバリス海軍に追い立てられ
例の縦穴に落下。
干からびた後バルバリスが蓋をした。
その後、敗色濃厚になったヒタイングが
疎開先を物色中に
平で頑丈な良い土台が有り
攻め込むに難しく守りやすいとの事で
この城が建てられたと思われる。
天然の段差を利用した為
わざわざ掘らなくても地下室が出来たのだ。
で今に至る。
産卵に関してはヒタイングでも
極秘だったのだろうか資料は無く
想像では
オスの来ないまま単性生殖に切り替わり
例の異常に悩む事になった。
良かったなコレで万事解決だ。
ふと横を見るとバイスは
会談の様子を一心不乱に書き込んでいた。
教会の知識欲も相当だ。
俺の視線はそのまま会議から外れ
バイス方向の先
なんか部屋を仕切る為の室内カーテン
それが畳まれた状態の場所
そこに隠れ
チラチラこちらの様子を窺っている者に
気が付いた。
その者は俺が気が付いたと分かると
親指を立て
手の甲をこちらに向け
室外に出ろとジェスチャーをして
自らも退室していった。
オコルデじゃないか
一体何だろう
「あーゴメン。ちょっとトイレ」
俺はそう言って退室した。




