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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第二十二話 たくさん上手に

呪文によって作成された棘は

即時に魔力を失い

時間の経過で強度がだんだんと

落ちて行って最後は砂になる。


魔力の殆どが生成のみに消費され

一時的な結合なのだ。


俺はスパイクを靴の先で蹴ってみた。

クーンという鈍い音が響く

まだ強度はあるようだ。


スパイクの呪文レベルも

上昇している。


レベル1の時は

くるぶし辺りまでの棘で

強度も軽石以下だった。

なんの効果も期待できないと

ガッカリだったが

今は胸の辺りまで棘は伸び

金属並みに硬い。

この辺まで来ると

十分な威力を発揮してくれた。


特に今回の様な

四足歩行の魔物には致命傷が

期待出来る。


飛行生物に効果が無いのは

相変わらずだ。

これはどんなにレベルを上げても

同じだろうな。


「マスター。この魔物なんですが・・・」


アルコが話しかけて来た。

なんだろう


「ん」


俺は続きを促すと

アルコは恐ろしい事を言った。


「食べてもよろしいでしょうか」


「食えるのコレ?」


「はい。」


当然の事の様にあっさりと

言ったアルコ。

なんでもベアーマンの部族でも

よく食されている獲物だそうだ。


「確かにメシ食ってないしな」


保存食は出来るだけ温存で

入手出来た物を優先して

消費していくのは基本だ。


食ってみるか・・・。


解体作業に取り掛かるが

ジゼルお姉さんとミカリンは

逃げた。


ジゼルお姉さんはまだしも

剣士のミカリンが何故逃げる。

散々切り裂いて返り血を浴び

慰める奴も居なくなる位

くれないに染まってるだろうが。


捕まえて問いただすと

勝負と料理は別だとか


バカヤロウ料理だって勝負だ。

ラーメン如きでだって

「一杯一杯が客との勝負」とか言って

頭にタオル巻いて、腕組みしてる

連中だっているんだぞ。


あいつらの台頭でやたら脂ぎっていれば

それでOK俺流みたいな風潮が

出来上がって

ダシの風味もクソも無い

ゴテゴテしただけで千円も取るような

ラーメンが溢れかえっちまった。


勉強してない=俺流

ふざけるなって話だ。


話が反れた


嫌がるミカリンは仕方ないので

薪集めを頼み

アルコと二人で血抜き、皮剥ぎ

臓物は廃棄、各部位にカット

そしてそこで

かぶり付こうとするアルコを止め


ベアーマン生食か・・・。


下味なんだが

どんな味か知らん

取り合えず塩と香辛料を振り

焼き始めた。


最初なんで火は全部通す事にした

アルコ以外は耐性があるのか分からない。


「マスター・・・この匂いはニクですね」


程よく焼けて良い匂いがしてきた時

アルコがそう言った。


ずっこけそうになる俺。

やだ何言ってるのこの子は


聞いて見たトコロ

肉=部族で生で食っていたモノ

ニク=俺の所で食べさせてもらった新しいモノ

という認識だったそうだ。


「火を通すとこんなに変わるんですね!」


俺の説明を聞き改めて驚いているアルコ。

そうだ、火を使う人類は偉大だろ。


焼きあがった順にみんなで頂いた。

うーん・・・不味くは無いな

俺の中では

猪モドキ>兎モドキ>これ>ハンスが捕まえた何か

の、順位になった。


全員、満腹になった。

今日は夕飯いらないかも

人間3人はモモだけで十分だった。

残りはアルコが信じられない量を食った。

お店には連れて行くには

資金を多めにもっていかないとな・・・。


それでも半分以上、残ってしまったが

俺は焼き続けた。


「もう、食べられないんだけど」


ミカリンがポッコリしたお腹を

抱えて言って来た。


「今、食うんじゃない」


今回はアイテムストレージが使えるのだ。

焼きあがる傍から、俺は放り込んでいく


「それも・・・魔法なの」


傍目には空間に消える様に

見えている様だ。

ジゼルお姉さんが目を丸くして

驚いていた。


説明が面倒なので、そうだと言っておいた。


ただこれ

いざ出した時どうなんだろう

腐ってたりしないかな・・・。


後、他の物の匂いが移ったりとか

うーんまぁ何でも試しだ。


俺の焼いている作業の横で

アルコがお茶を入れてくれた。


俺の作業が終わるまでは

皆、のんびり休憩だ。

そうしている内に

俺も作業が終わり、お茶タイムだ。


「マスター。皮はどうしますか」


「それかぁ」


お世辞にも質の良い毛皮とは言えない

すごく上手に剥げたので

勿体ない気持ちが湧くが

使い道が思い浮かばない。


「・・・みんなで被るか」


50cm感覚で4人

縦に並び

スパイクリカオンの毛皮を

獅子舞いの様に被った。


なんか楽しい。


「ぉおおぐぉおう」


ミカリンもノリノリで

吠え真似をしながら

誰が見ているわけでも無いのに

それで行進した。


「あ、着いたわ」


俺の後ろで最後尾、尻尾を担当してくれた

ジゼルお姉さんが、そう言った。


俺は毛皮に開けた覗き穴から

外を見てみた。


木材だが壁でしっかりと囲まれた

村が見える。


四隅は塔の様に高くなっていて

見張りが駐在している。


その見張りが大声を上げた。


「まっ魔物だあああああああああ」


何?!どこだ


って

俺達か


大騒ぎになった。



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