表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぞくデビ  作者: Tetra1031
214/524

第二百十三話 対ストレガ作戦会議

「なんだこりゃ。」


取り合えずストレガの部屋を視察という事で

全員で部屋の前まで来た。

デビルアイで走査した俺は思わず

そう声を漏らしてしまった。


「師匠・・・なんか変っすよ。」


クフィールもそう漏らす。

俺は嬉しくなって答えた。


「お、分かるのか。良いぞ良いぞ。

コレ時空系混じっているからな。」


混じっている。

そう、この部屋に施された術式は

単一では無い。

数種類の魔法が掛かっているのだ。

それも、俺のバフの様に独立した魔法が

只幾重にも重なっている別の魔法ではなく

相互干渉しながら成り立っていた。


どうやったんだ・・・・。


ギガに渡した複雑な金属パーツ

成型方法が分からずポカーンとしていたが

今、俺がその状態だ。


今の俺はあの時のギガのような顔に

なっているに違いない。


例えるなら複雑に重なった複数の紐が

見た事も無い結び目で縛ってあるような状態だ。

解くに至って、どの結び目を最初に解くのか

それすら想像もつかない。

下手に間違って引っ張れば

取り返しの付かなくなる程

こんがらがる事間違いなし状態だ。


「状況は分かった。撤収して会議だ。」


元々ストレガは戦闘系の魔法より

こういった使い道の良く分からない

細かい技が得意だった。


魔王図鑑の解読は俺より進んでいるのだ。

俺は戦闘系ばかりピックアップし

そうでなさそうなモノは手を付けていないが

ストレガは初期の頃から遮音など

使いこなしていた。


この部屋の魔法結界はその集大成だ。


俺には解く事は出来ない。

それを皆に伝え

俺達は最初の部屋に戻った。


ストレガに中から解除させる方法を見つけよう。

その会議が始まった。


そしてオコルデは嬉しそうに言った。


「では、宴は今夜開催でよろしいですね。」


俺が飛び出してしまったせいで

お流れになっていたのだ。


「オコ・・・陛下。会議の内容とは違います。」


宴を決行しようとするオコルデに

ブットバスはそう言って制した。


「では、こうしたら如何でしょう。」


人差し指を立て話すオコルデの提案に

皆、微妙な表情だ。


「可能ではありますが・・・。」


肯定も否定もしづらさそうに

ブットバスはそう言った。


「我は良い案だと思う」

「若に同意です。」


魔族組は正直どうでも良さそうだ。


「外からの干渉を遮断しているのであれば

効果は期待できないかと・・・。」

「いや、所長なら絶対聞いているっす。

遮断しているのは中の気配を外に漏らさない様にっす」


魔導院と教会は意見が分かれたが

ストレガとの付き合いが長いクフィールは

流石、良いトコロを読んでいた。


俺もそう思う

ストレガの性格からして

外の状況を把握できる仕掛けにしてあるに

違い無い。


「良し、オコルデの案で決定だ。」


なんで俺が決めるのか分からないが

流れ的にそうした。


オコルデの提案とは


ストレガが引きこもっている部屋の前

つまり廊下を宴の会場にしてしまい

興味を持って結界を解除したトコロを

捕まえて引っ張り出す作戦だ。


うちの妹は太陽神じゃないんだが・・・。


その発想に連られて思い出した。

俺は更に相談を持ち掛ける。


「おびき出す囮で半裸で踊る役と

強引に引っ張り出す怪力無双の役

この二人が必要になるんだが。」


芸能神:天鈿女命あめのうずめのみことと剛力神:天手力男尊あめのたぢからおだお

この二人は必須だよな。


「我は裸になるのは嫌です。」


頼まねぇよ!!

なんで力じゃなくてそっちの候補に発想が行くんだよ。


「いや、踊るの女子だ。」


すかさず否定をしておく俺。


「良かった。」


ほっとするバイス。

お前もかよ。

教会はヒタイングをゲイパブにして

どうしようって言うんだ。


「ブス、ここは我らで」


「ハイ、陛下ってええええええええええ!!」


マジでびっくりするブットバス。


「何を驚く事がありますか、恩人への感謝の宴で

こちらが持て成すのは当然です。」


「ぐぅ、それはそうですが。

裸踊りなど出来ませんし、させられません!!」


ですよね。


「半裸と申していらっしゃいます。

要は露出が多めなら宜しいのでしょう。

我が国伝統のサンバダならピッタリではないですか」


サンバダ

旧ヒタイングに伝わる伝統芸能

POPなダンスナンバーな音楽に

合わせて派手な衣装で独特の踊りをするそうだ。


「そそそれはそうですが。」


ブットバスさん

真っ赤になって目がグルグルだ。


やるのか。

そんな流れだな。


「如何でしょうか救世主様。」


「全面的に任せた。」


たった4秒のTOP会談で決定してしまった。

ブットバスは頭を抱えて

なんか悶え苦しんでいた。


「良かったなーナリ君」

「はぁ・・・。」


何そのリアクション

もしかして裸踊りがしたかったのか

絶対に許さない。


「楽しみっすねー。」

「サンバダ・・・ですか」


助かったと思ってホッとしている様子の

クフィールとリリアン。

俺のイタズラハートがうずいた。


「そのサンバダとやら

是非ともバルバリス・ドーマ両国に伝えたい。

この二人にご教授願えるか陛下。」


「喜んで。」


追加7秒のTOP会談で

地獄に落とされた二人は絶叫した。


「えええええ無理っすよ。絶対無理っす!!」

「うるせぇ修行の一環だ!何でもするって言ったろ」


特に見たいワケじゃないんだが

クフィールも何かしろ。


「出来るかリリアン。」

「あぅ・・・ぐぇ。」


こっちは是非見たい。

王の権力を行使するのだナリ君。


ちなみに天手力男尊あめのたぢからおの方は俺になった。


「ようし、以後この作戦をアマノイワト作戦と命名する。

各自、準備にかかれぇ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ