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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第二話 呪いの詳細


「ねぇコレ何の意味があるの」


しばらく叫んで飽きて来た少女は

そう聞いて来た。


「無いよ」


あるわけないだろ

言わせるなよ。


「つか、お前誰だ」


当初の疑問を解決しよう

幸い翻訳機能は生きている様だ。

言葉での意志疎通は可能だ。


「・・・ああ、年齢も種族も違うもんね」


少女はそう言って

俺の正面に立ち

自己紹介をしてきた。


「魂は天使長のミカだよ。

呪いを返されてこんな状態さ主様。」


ミカ


最終決戦で俺に呪いを掛けて来た天使だ。

天使より上位の女神の力を使って

返したんだっけな。

自爆技だったが上手くいって良かった。


「それだ。どんな呪いだったんだ」


俺は返しただけで

どんな呪いなのか知らないのだ。

このちんちくりん状態の原因が

呪い返しである事は間違い無いだろう。


「いや、面白い相手だったから

下僕化して持ってかえろうと思ってさ」


それは理由で

呪いの詳細じゃないが

俺は続きを待った。


「悪魔のままじゃ天界に入れないから

同種族に変換して奴隷にする『捕縛』系の

術だったんだけど・・・。」


同種族化か

つまり悪魔の肉体では無く

操作していた俺の種族って事になったのか


「コレ・・・人間だよね。なんで人間になるのさ」


「俺が人間だからだ。」


それ以外無いだろ

やっぱりバカだなコイツは


ミカは、そこら辺に落ちていた1m弱の

枝を一本拾うと自分の正面に立て

両手を先端の上に乗せて言った。


「問おう、あなたがマスターか」


肌の色的にはソファにふんぞり返っていて

欲しかった。


「種族は分かった。次は年齢だ

なんでこんなガキになったんだ」


考えあぐねた挙句

ミカは自信無さ気に言った。


「多分・・・宇宙時間を均等に

分割したんだと思う」


元の俺27歳÷2人=13.5歳


って事か

なんか納得した。


しかしコレは困ったぞ。

悪魔化出来ないんじゃ

ただのひ弱なガキだ。


オリジナルの俺

替わってくれ


ショックに頭を抱える俺に

まとわりつくミカ

何で何でとうるさい

ちょっと頭に来たので

怒鳴ってしまった。


「うるさい!ダマレよ」


怒鳴った後に瞬時に後悔した。


大人気無いだろ・・・・


・・・・


大人じゃないからイイのか。

いや、肉体の話じゃない

謝っておこう


そう思いミカを見て

俺は驚愕する。


只ならない状態になっていた。


瞳孔が開いたり閉じたりを繰り返し

全身から冷や汗をかき

ワナワナと震えている。

顔色も紫っぽい

両手で喉を押え

よだれを垂らしている。


「おい・・・どうした?」


俺を見て手で話せない事を

ジェスチャーしている。


「おい、分からない話せよ」


俺がそう言った瞬間に

膝から崩れ落ち、地面に転がり

荒い呼吸を始めるミカ。


如何にも苦しみから解放された直後って感じだ。


もしかして・・・呪いのせいか

俺が「ダマレ」と言ったからなのか


俺は謝罪をして

詳細を尋ねた。

答えは予想通りだった。


呪いの強制力だ。

主の命令に絶対逆らえない。

魂をヤスリで削るような苦痛を

自由自在に与え放題なんだそうだ。


「自分だって女神に散々やられて

辛さは分かっているでしょうに」


痛みの治まって来たミカは

恨めしそうにそう言った。


「いや・・・一度もされた事無い」


恐らくその機能はあった。

解析した俺自身ならよく分かる。

死に至らしめる事だって可能だろう。


「なんだかんだ言っても

やっぱり女神様だったんだね」


ミカは半分意外

半分は納得と言った微妙な表情になって

そう言った。


「ミカ。これ解除しよう」


俺はそう提案した。


「ハァ?何で」


「俺は勝利したかっただけで

お前に呪いを掛けたかったワケじゃない」


正直に打ち明ける。

便利なら、そのままでも良いが

これは危険だ。


「そう言ってくれるのは

嬉しいんだけどさ・・・エヘヘ」


なんか様子が変だ。


「おい、まさか」


「うん、解けない」


詳しく聞いて見たトコロ

この体の宇宙時間

まぁ天寿と同意かな

尽きるまで消えないそうだ。


「自殺、または殺害された

場合はどうなるんだ」


「ゴーストの奴隷が出来上がり」


なんて恐ろしい呪いだ。

こんなモノを使おうだなんて

お前それでも天使か


「・・・俺が死亡した場合は?」


「安全機構が作動して僕が身代わりで

先に死亡する。その後のダメージで

死んだ場合は晴れて解除かな」


コレ掛けられた方は

たまったモンじゃないぞ

まぁ呪いなんだから

みんなそんな物かもだが


もし返せないで食らっていた場合

俺はどうなっていたのだろう


今更考えても仕方が無い

というより

考えるのが怖いので止めた。


何重もの意味で

俺は改めてヴィータに感謝したのだ。


悪魔ボディで無い今なら

祈っても大丈夫だろう。


俺は祈りを捧げる為

指をクロスして手を合わせ

目を閉じ・・・・・・


・・・・・・


なんか・・・・


目を閉じた状態の時の真っ暗な

視界の右下の方に

淡い緑色の光を発している

一本の棒が見える。


コレ

メニューが最小化してる状態じゃないのか

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